ハイブリッド・ワークの公平性を推進するために世界のデジタル・ワーカーが優先する5項目

主要な所見

• Gartnerの2021年デジタル・ワーカー・エクスペリエンス調査の結果、従業員が業務目的で使用するテクノロジに関するデジタル習熟度の自己評価は、フランスが最も高く、インドと中国の従業員がそれに続いた。全体で、ミレニアル世代では従業員の22% (他の世代と比べ最多) が自らを「エキスパート」と考えており、インドと米国では、この比率がさらに高かった (それぞれ38%と35%)。

• 生産性向上の主な要因としては、従業員に就労時間の柔軟性を認めることが、物理的な空間や場所の変更よりも多く挙げられた。柔軟な勤務スケジュールを挙げた従業員はインドで最も多く、中国、シンガポール、オーストラリアがそれに続いた。日本と英国の従業員は、通勤時間の短縮を挙げている。

• 従業員が業務にリアルタイム・モバイル・メッセージング・ツールを最もよく使用しているのはインド (83%) であり、続いてシンガポール、中国であった。調査対象とした業務用ツール全体では、リアルタイム・モバイル・メッセージングが最も頻繁に使用されている。

• 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミック以降、音声／ビデオ会議が一般化したが、従業員は実際よりも多くの時間を対面会議に費やしたいと回答した。対面会議を好む従業員が最も多かったのはフランスで、続いて日本、中国であった。一方、バーチャル会議に費やす時間を多くしたい従業員が最も多かったのはインドで、米国とシンガポールがそれに続いた。

• ハイブリッド・ワークが増える中、従業員エクスペリエンス (EX) を改善する上でITセルフサービスのテクノロジは不可欠である。テクノロジの問題を解決する手段として、日本、インド、中国の従業員はオンライン検索を優先する傾向があり、フランス、ドイツ、英国、オーストラリアでは、社内のITサポートに電話で問い合わせる傾向が見られた。

推奨事項

EXの公平性を確保してハイブリッド・ワークを成功させるために、デジタル・ワークプレース戦略の責任を担うアプリケーション・リーダーは、以下を行う。

• グローバルなハイブリッド・ワークプレースの多様なニーズと従業員のデジタル・デクステリティをツールがどうサポートしているかについて、確実な評価を実施することで、自社が保有するあらゆるデジタル・ツールの現状を把握するとともに、テクノロジの課題を洗い出す。

• オフィス・ワーカーおよびリモートワーカーのデジタル・ワーク・エクスペリエンスと生産性を維持し、それらを最優先事項として専用の予算を割り当てることで、優秀な従業員を引き付け、定着させる。

• ハイブリッド・ワークの満足度向上につなげるために、デバイス、ソフトウェア、スケジュール、働く場所を自由に選択させることで、コラボレーションにおける公平性を確保する計画を実行する。

• どこにいても高品質な音声と映像を利用できるように、対面／ハイブリッド会議のためのベスト・プラクティスを適用し、スマートなオフィス空間を再設計することで、会議テクノロジを自社のニーズと組織文化に適合させる。

• ITサービス管理 (ITSM) の手法を最適化し、学習・予測・対処の基盤となる高品質なデータを利用できるようにすることで、仮想サポート・エージェント (VSA) ソリューションの可能性を解き放つ。これにより、従業員のセルフサービスの採用が拡大し、従業員のデジタル・デクステリティが促進される。