Web／ネイティブ／ハイブリッドのモバイル・アプリ構築時の主な検討事項

主要な所見

• 大半の企業は、Web開発スキルを持つ開発者を擁しており、Webテクノロジがもたらすコードの移植性やデプロイメントの柔軟性を犠牲にすることなく、優れたモバイル・アプリを構築したいと考えている。しかし、モバイルWeb開発ツールの急激な進化によって、適切なアプローチの選択が困難になっている。

• 企業は完全なネイティブ・エクスペリエンスを備えたアプリを構築したいと考えているが、複数のデバイス・タイプやOSに起因する断片化によって開発コストの増大やリリースの遅延が生じている。

• 企業は、ハイブリッド・アプリを選択すれば、ネイティブ機能にアクセスできるアプリの構築が可能になるとともに、承認のためにアプリを再度提出することなく、新しい特徴や機能を追加できると見込んでいる。しかし、多くの開発チームは、優れたマルチプラットフォーム・ユーザー・エクスペリエンス (UX) の構築に苦心している。

推奨事項

Web／ネイティブ／ハイブリッド／プログレッシブWebアプリ (PWA) のいずれがアプリのユースケースに最適なアプローチかを判断するために、デジタル・ビジネスの開発戦略を担うアプリケーション・リーダーは以下を行う。

• ユースケースで必要となるネイティブのデバイス特性が限定的または皆無であり、最も幅広い訴求範囲で、可能な限り早期に当該アプリを市場に投入する必要がある場合は、モバイルWebアプリを導入する。HTML5、Cascading Style Sheets Level 3 (CSS3)、JavaScript、JavaScriptフレームワークによって強固なコンピテンシを構築する。

• Adobe PhoneGapやApache Cordovaなどのコンテナがなくても、オフライン・サポート、プッシュ通知、ホーム画面アイコン、全画面表示制御などの能力を提供し、Webアプリとネイティブ・モバイル・アプリのギャップを縮小したい場合は、PWAを導入する。

• 必須のユースケースにおいて、高速のトランザクションやオフラインでの利用、大容量データをローカルに保存してアクセスできる機能が求められる場合は、クロスコンパイラ開発ツールを用いてネイティブ・アプリを構築する。これにより、将来の保守コストと間接費を削減できる。

• 必須のユースケースにおいて、ネイティブのデバイス特性にアクセスしつつ、同じHTMLコード・コンポーネントを異なるモバイルOSで再利用可能にするマルチプラットフォーム・アプリを提供する必要がある場合は、ハイブリッド・アプリを構築する。