ストレージの戦略的ロードマップ：2022年

主要な所見

• AIOps (Artificial Intelligence for IT Operations) を活用して、ITインフラストラクチャをレジリエンスの高いインテリジェントなデータ・サービス管理プラットフォームへと変革することで、ITオペレーションとデータセンターを近代化できる。

• 分散ファイル・システムとオブジェクト・ストレージ機能は、単一のプラットフォームに統合され、非構造化データの幅広いユースケースに対応している。これによって、ソリューションの複雑性とストレージ管理コストが低下している。

• サービスとしてのストレージ (STaaS) や従量制のデリバリ・モデルとソーシング・オプションに対する関心が一段と高まっており、その採用も著しく増えている。したがって、これらがオフプレミス／ハイブリッド・クラウド・アプリケーション向けに展開されるエンタプライズ・ストレージに占める割合が急速に拡大している。

• セキュリティ侵害、脅威などへの暴露、機密データの窃取のリスクが高まっていることから、組織の取るべき行動は変化している。組織は、広範なデータ・ガバナンス戦略の一環として、プロアクティブなデータ管理プラクティスを実行するようになっている。

• パブリック・クラウドやマルチクラウドの採用、ハイブリッド環境におけるバックアップやデータ管理の複雑性のほか、これまでのランサムウェアやバックアップ・セキュリティに関する懸念によって、インフラストラクチャ／オペレーション (I&O) のリーダーは、バックアップ・インフラストラクチャの再構築と代替ソリューションの検討を余儀なくされている。

推奨事項

I&Oリーダーは、ストレージ・システムを自動化し、またクラウド・モデルを採用するために、以下を実践する。

• ベンダーのAIOpsのストレージ管理ツールを活用することで、ストレージ関連の専任担当者をアサインする必要性を低減し、ハードウェア管理を自動化によって強化してITの生産性を向上させる。

• ファイルとオブジェクト・ストレージのみのサイロ化されたソリューションを展開しないようにする。そのためには、非構造化データの幅広いユースケースに対応する機能セットの組み合わせを備えた、統合プラットフォームを選択する。

• 従量制のSTaaSデリバリ・モデルを採用して、資産の生涯コストを利用価値に整合させることで、設備投資 (CAPEX) による非効率的な調達手法と、多大な労力を要する予算編成プロセスを置き換える。

• 極めて破壊的なデータ窃取インシデントを抑制し、そうした事後対策コストを低減するために、重大なランサムウェア攻撃を検知して阻止できる、能動的なサイバーセキュリティ防御機能を実装する。

• 人工知能 (AI)／機械学習 (ML) に対応した、ポリシー・ベースのデータ分類機能を備えたデータ・ガバナンス／管理ソリューションを選択し、情報コンプライアンスとガバナンスのリスクを回避する。