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プレスリリース

2018年10月29日

ガートナー、先進的なデジタル企業が自社の競合となった場合、7割の日本企業が大きな影響を受けるとの調査結果を発表

『Gartner Symposium/ITxpo 2018』 (11月12~14日、港区高輪) において、デジタル化のトレンドが全業種に及び始めている状況を明らかに

ガートナー ジャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下 ガートナー) は、日本企業のデジタル・ビジネス推進に向けた調査結果を発表しました。

ガートナーが日本においてデジタル・ビジネス (*) を紹介し始めてから、5年が経過しようとしています。当初は、「一部の企業のみが関わるトレンドで自社には関係ないのではないか」「デジタル化というトレンドは、これまでと変わらないのではないか」といった懐疑的な意見や、正しく理解されていないがゆえの否定的な声も珍しくありませんでした。この数年でこうした声はだんだん聞かれなくなり、現在は、ガートナーでもデジタル・ビジネスを推進する上での具体的な課題や悩みについての問い合わせを多く受けています。

企業としてデジタル・ビジネスを推進する動きは着実に裾野が広がっているものの、実際にデジタル・ビジネスを実現している企業については、ガートナーの調査でも2017年、2018年ともにほとんど変化がなく、約1割にとどまっています。デジタル・ビジネスに向けた活動を推進する上で、最新のテクノロジやトレンドが自社のビジネスに及ぼす影響を経営層やビジネス・リーダーが理解していなければ、正しい意思決定を下せず、活動開始に至らないか、活動が途中で頓挫してしまうこともあり得ます。デジタル・ビジネスを推進する際に、経営層やビジネス・リーダーの「理解」の壁に突き当たることは多く、2018年にガートナーが実施したWeb調査の結果、日本企業の経営層におけるデジタル・ビジネスへの理解度は、「理解していない」と答えた回答者がおおむね全体の4分の1に上りました。一方で、4分の3の経営層は何らかの形でデジタル・ビジネスのトレンドを理解していることが明らかとなりました (図1参照)。 

図1. デジタル・ビジネスへの理解度 (日本企業の経営層) 

注:丸め誤差により数値を合計しても100%にならない
出典:ガートナー/調査:2017年2月、2018年2月 (n=515)

ガートナー リサーチ&アドバイザリ部門 バイス プレジデント, アナリストの鈴木 雅喜は次のように述べています。

「この結果は、必ずしも楽観的に見るべきではありません。むしろ、企業がデジタル・ビジネスに向き合う中で、大きな落とし穴がここにあることを示唆しています。4分の3の回答者が理解していると言っても、その中身が重要です。『分かっている』と言っても、実際には半信半疑で腹に落ちていない、または適切な投資判断ができるほどには機会とリスクを正しく理解できていない場合が6割を超えている状況が、このデータには表れています。この点を軽視すると、デジタル・ビジネスに向けた活動が途中で頓挫してしまう可能性が高くなります。デジタル・ビジネスに向けた活動には経営層が深く関与する必要があり、活動初期だけではなく、アイデアの取得や実証実験など各フェーズで経営層やビジネス・リーダーの理解度を高めていく仕組みが欠かせません」

企業がデジタル・ビジネスへの取り組みを進める動機の1つに、将来の自社のビジネスに対する不安やリスクが挙げられます。実際に、内的・外的要因による将来の自社ビジネスへの懸念から、必要に迫られてデジタル・ビジネスを進めようとする企業も出てきています。ガートナーでは、AmazonやGoogleなどのテクノロジ・ベンダーが自社の業界に参入し競合となった場合の影響についても尋ねました。その結果、1割強の企業が「自社が破綻する恐れがある」と答え、全体の7割以上の企業がネガティブな影響を受けると認識していることが明らかになりました (図2参照)。

図2. テクノロジ・ベンダーが競合となった場合の自社への影響

質問:自社のビジネス領域に、テクノロジを自由自在に活用できるAmazonやGoogleなどが本格的に 参入してきたら、自社のビジネスはどうなるか。 
出典:ガートナー/調査: 2018年2月 (n=515) 

前出の鈴木は次のように述べています。「例えば、社内のビジネス・プロセスや資料すべてを電子化し、営業がモバイル・デバイスやアプリを使いこなし、顧客やサプライヤーとはリアルタイムでつながり、しかもそれぞれから取得できるデータを分析し、常に改善し続けることができる競合が現れたら、自社の未来はどうなるでしょうか。しかも、その競合企業に属する社員は全員がITリテラシに優れているかもしれません。こうした社員たちが日々フラットな組織の中でコラボレーションを経て新たなアイデアを次々に生み出すとすれば、大きな脅威になるでしょう。このシナリオは特定の業界に限ったものではなく、すべての企業が考えるべきリスクになっています」

ガートナーの考えるデジタル・ビジネスは、新たなビジネスを立ち上げることのみならず、従来あるビジネスをテクノロジで革新することも含みます。鈴木は次のように述べています。「これまで、インターネットから生まれた新しいビジネスの影響を最も大きく受けてきたのは小売業でした。しかし、新たなテクノロジ群がそこに加わることで、すべての企業が大きな影響を受ける時代に突入しています。デジタル・ビジネスへの取り組みは必ずしも容易なものではありませんが、そこには新たな成長機会も眠っているはずです。今こそすべての企業が取り組みを継続し、ブレークスルーを狙っていくべきです」

調査手法 

本Web調査は、日本全国の、従業員数500人以上のITユーザー企業に勤務する、ITインフラに関わる企画や製品、ソリューションに対して決裁権がある/関与している、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与しているマネージャー職を対象に実施しました (有効回答数:515)。

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「デジタル・ビジネス:ブレークスルーを実現するには (2018年)」(INF-18-159、2018年10月25日付) で詳細をご覧いただけます。 

『Gartner Symposium/ITxpo』について

ガートナーは来る11月12~14日、『Gartner Symposium/ITxpo 2018』をグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール (港区高輪) にて開催します。ガートナーのセッションでは、CIOをはじめとするITリーダーの最重要課題について、13の主要な領域におけるテクノロジ、戦略、リーダーシップに関する最新トレンドや最先端の知見、洞察を提供いたします。本プレスリリースに関連した内容は「日本のデジタル・ビジネス:ブレークスルーを実現するには」(13日 13:15~14:00、24A) で詳しく解説します。そのほか、デジタル・ビジネス/デジタル・トランスフォーメーションに関連する講演を幅広く予定しています。

本シンポジウムの詳細については下記Webサイトをご覧ください。 https://www.gartner.co.jp/symposium

本イベントのニュースと最新情報は、ガートナーのTwitter (https://twitter.com/Gartner_jp) でもご覧いただけます (#GartnerSYM)。

(*) デジタル・ビジネス:ガートナーはデジタル・ビジネスについて「デジタルの世界と物理的な世界の境界を曖昧に することにより、新しいビジネス・デザインを創造すること」と定義しています。デジタル・ビジネスは、デジタル・テク ノロジを用いて変革された (「デジタル化」された) ビジネスのことを指しています。目的はビジネス変革であり、その 実現手段がデジタル・テクノロジであり、ビジネス変革という視点から、多くの場合は複数のテクノロジを活用してい ます。デジタル・テクノロジは比較的新しいテクノロジ群を中心としたものになる場合が多く、ビジネスの仕組みまで を変えるものであるため、例えばE-Businessや基本的なデジタル・マーケティングはデジタル・ビジネスには含ま れません。 

ガートナーについて

ガートナー (NYSE: IT、S&P 500) は、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業です。ビジネス・リーダーが今日のミッション・クリティカルなビジネス課題の解決を実現し、将来にわたって成功する組織を築くために欠かせない知見、アドバイス、ツールを提供しています。

ガートナーのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導きます。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、ガートナーは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、世界100カ国以上、1万5,000社を超える企業に支持されています。

ガートナーは、意思決定者が未来に向けてビジネスを推進できるよう支援します。

詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

gartner.com/jp

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