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2019年4月2日

ガートナー、日本におけるテクノロジ人材の将来に関する2019年の展望を発表 - 企業はテクノロジ人材関連の重大な影響を認識し、早期に取り組むべき

「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション&クラウド戦略コンファレンス 2019」 (4月23~25日、八芳園本館) において、最新のトレンドと知見を解説

ガートナー ジャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下 ガートナー) は、日本においてテクノロジに携わる「テクノロジ人材」について、注目すべき2019年の展望を発表しました。本展望は、テクノロジ人材の観点から今後3~5年間で重要になる動向を取り上げています。

今後の企業ビジネスを大きく変え得る変化 (例:テクノロジの破壊的なインパクト、デジタル・ビジネス、デジタル・トランスフォーメーション)、バイモーダルITなどの新しいIT戦略のフレームワーク、人工知能 (AI) をはじめとする先進テクノロジはもとより、以前から議論されているオープンソース・ソフトウェア (OSS) も、これまで以上に重要なものとなります。テクノロジは、かつてない高度化・進化の様相を呈しており、人材面で大きなチャレンジをもたらしています。すなわち今後は、テクノロジを駆使する人材がいる企業とそうでない企業で、競争力が大きく変わっていきます。このことは、企業におけるテクノロジ人材の重要性がこれからさらに増すことを意味します。

テクノロジ人材の観点で重要となる予測としては、以下が挙げられます。

2022年までに、60%以上の日本のユーザー企業のIT担当者は、無償のOSS、オンライン講座、有益な書籍を利用することで、AIに関して「自分で運転」する基礎的なスキルを獲得する

ここ数年のAIブームを受け、自分たちも始めようという思いから、ベンダーと概念実証 (POC) を実施する企業が多く見られます。一方、AIに関して「自分で運転」することの必要性を理解したとしても、多くの企業は依然としてどこからスタートしてよいか分かっていません。2018年以降、AIを自分で学ぶための有益な書籍やオンライン講座が国内でも多く登場しているため、始めようと思えばすぐにでも学習に着手できる環境が整いつつあります。

ガートナーはこれまで、「どこからAIを勉強すればよいか」と悩む顧客からの問い合わせに対してAIを試行する機会を紹介し、すべてのケースで前向きな反応を得てきました。こうした状況は今後も継続し、また学習機会について確実に周知が進むと見込まれることから、2022年には、テクノロジ人材のほとんどが少なくともAIの基礎知識を自ら習得するようになると、ガートナーは予測しています。

2023年までに、人材の情報処理能力の改善に取り組まないIT部門の80%は、縮小戦略を取らざるを得なくなる

AI、IoT (モノのインターネット)、ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA)、ブロックチェーンなど、新たなテクノロジの幅が広がり、それぞれが継続的なトレンドとして変化し続けています。こうした中、テクノロジがもたらす大量の情報を人間はどう処理すべきなのか、正しい情報を効率的に取得し、正しい判断を下して行動につなげる能力、すなわち「人材の情報処理能力」が極めて重要になっていきます。

IT部門がこうした能力に注目せず、これまでどおりのスピードで情報収集・判断・行動を続けると、顧客満足度 (またはエンドユーザーの満足度) を素早く高めるという社会のトレンドに後れを取る恐れがあります。さらに、顧客ばかりか社内の他部門からの信頼も失う可能性があります。ひいてはデジタル化の対応に関わるのが難しくなり、コスト削減や人員削減を核とする縮小戦略を取らざるを得なくなると、ガートナーは予測しています。

2024年までに、人月単価をベースとしたプロジェクトを実施する企業の90%は、OSSプロフェッショナル人材の獲得に苦慮する

日本企業では、OSSに関する人材への投資を強める傾向が高まっています。ガートナーが2018年2月に実施した調査では、OSSに対する自社の取り組み方を変えた企業において、「自社内での人材育成と、人材への投資を強めた」と回答した企業が39%と最も多くなりました。注目すべき点は、「OSSのスキルを有する人材を雇用した」と回答した企業が、2017年の20.9%から27.2%へ6ポイント上昇したことです。

各企業が求めるOSSプロフェッショナルは、詳細な人材像こそ各社で異なるものの、今後はほかの分野と並び獲得競争に直面するようになる点では同じです。OSSプロフェッショナル人材の必要性は、クラウドやAIなど昨今の新興IT領域を各種のOSSがリードしている事実からも明らかです。すべての企業は、そうした新しいIT領域や、モード2型アプローチを適用するデジタル・ビジネスではOSSスキルと人材が礎になっていることを認識し、今後の人材不足問題や人材獲得競争に備えるべきです。

2022年までに、デジタルやモード2の推進に関して有効な対策を取れないシステム・インテグレーターの80%において、20~30代の優秀な若手エンジニアの離職が深刻な問題となる

日本のベンダーやシステム・インテグレーター (SI) は、バイモーダルのモード1およびモード2の両方で大きな課題を抱えています。モード1の課題には、クラウドによる将来のSIビジネスの破壊があります。一方、モード2の課題には、ユーザー企業が内製化、すなわち「自分で運転」するようになることで収益増が期待できなくなることや、アジャイルが前提であるため、現場が回らなくなったり、どのような契約を結ぶべきかが非常に難しくなったりすることがあります。

こうした課題は、今後SIはどうやって生き残るかという論点を含む、根の深いものです。「本物のクラウド」が本格的に浸透し始めたことや、ユーザー企業が「自分で運転」を開始していることから、既存のSIビジネスは10年以内に破壊される可能性が高いと、ガートナーは予測しています。これらの課題を解決する取り組みが一向に見られない企業では、優秀な人材ほど早く自社に見切りを付け、離職していくでしょう。

2021年までに、国内のITベンダーから技術者を中途採用するユーザー企業は80%を超える

ユーザー企業におけるIT部門の位置付けは、デジタル・ビジネスがもたらすインパクトにより、大きく変化しています。IT部門は、従来は社内の従業員を対象にITサービスを提供していたのに対し、デジタル・ビジネスを踏まえた取り組みにおいては、自社の顧客やパートナーを巻き込むエコシステムをITによって構築し、サービスを提供するようになります。サービスに必要なテクノロジ自体も増えており、モバイル、クラウド、IoT、AI、ロボティクスなどが新たにチャレンジすべき対象となっています。このようなテクノロジの進化と、デジタル・ビジネスに向けた新たなテクノロジの適用領域の拡大に伴い、IT部門にかかる期待とIT部門が直面するチャレンジもまた大きくなっています。しかしながら、従来の業務に多くの時間や予算を取られ、新たな領域へのチャレンジは困難を極めているのが実状です。

ユーザー企業は、デジタル・ビジネスが現実味を帯び始めたこのタイミングで、新たなテクノロジの浸透と、それらを駆使したビジネスへのチャレンジに関して、自らが主導権を取る覚悟を決めなければなりません。すなわち、自社が関わるITとそれによって提供するサービスの方針、設計、構築、日常的な機能追加や最適化、非常時の対策などについて、主体的に動く体制を確立することが第一となります。既存のIT部門の人材を育成するだけではこれらを実現できない企業が多いと、ガートナーはみています。そのため、これまではベンダーにアウトソースしていた作業の一部を自社で賄えるよう、ベンダーでの経験が豊富な人材を獲得することを推奨します。

 

ガートナーは来る4月23~25日、八芳園本館 (東京都港区) において「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション&クラウド戦略コンファレンス 2019」を開催します。本コンファレンスでは、「未来志向2030:新たな時代へ」をテーマに、昨今の状況と将来の方向を踏まえ、採るべき戦略、アクションとアドバイスを提示します。

本サミットの詳細については下記Webサイトをご覧ください。
https://gartner-em.jp/dc/

本サミットのニュースと最新情報は、ガートナーのTwitter (https://twitter.com/Gartner_jp) でもご覧いただけます (#GartnerIO)。

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「2019年の展望:日本におけるテクノロジ人材の将来」(INF-19-45) にて詳細をご覧いただけます。

ガートナーについて

ガートナー (NYSE: IT、S&P 500) は、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業です。ビジネス・リーダーが今日のミッション・クリティカルなビジネス課題の解決を実現し、将来にわたって成功する組織を築くために欠かせない知見、アドバイス、ツールを提供しています。

ガートナーのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導きます。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、ガートナーは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、世界100カ国以上、1万5,000社を超える企業に支持されています。

ガートナーは、意思決定者が未来に向けてビジネスを推進できるよう支援します。

詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

gartner.com/jp

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