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2019年10月24日

ガートナー、世界のCIO 1,000人以上を対象にしたサーベイ結果を発表 - ビジネスの転換期に備えて態勢を整えた「適合した」企業が転機を勝機に変えられることが明らかに

「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」 (11月12~14日、港区高輪) において、 ガートナーのアナリストが2020年CIOアジェンダを分析

米国フロリダ州オーランド発 - 2019年10月22日 -ガートナーが世界のCIOを対象に毎年実施しているサーベイの結果から、現在ではあらゆる組織がデジタル化へとまい進しており、世界のCIOの40%はデジタル化の取り組みの拡大期に達したことが明らかになりました。拡大期に達した企業の割合は、2018年の2倍以上に増えています。CIOが今後2~3年の間に直面する次なる課題は、迫り来る景気後退や情報漏洩といったディスラプションです。CIOは、「転機」を「勝機」に変えて、今日より力強い企業になるために、アクションを起こす必要があります。

過去4年の間に、営業コストの圧縮、政治的な変動、経営陣の退陣、企業に不利益な規制介入など、通常業務を混乱させる転機を企業の90%が経験しています。転機を迎える前にこれを乗り越えられるだけの態勢を備えていた企業の割合は、全体のわずか4分の1にすぎないとガートナーはみています。したがって、本サーベイの結果に示されるように、CIOは、危機やトランスフォメーションを乗り切れるよう自社を先導する上で、引き続き重要な役割を担うことになります。

ガートナーのディスティングイッシュト アナリストでバイスプレジデントのアンディ・ラウゼル・ジョーンズ (Andy Rowsell-Jones) は、次のように述べています。「ビジネス情報を読むと、特に、市場、経済、貿易、政治の分野においては必ずと言っていいほど『ディスラプション』という言葉を目にします。『不確実性』は、ビジネス・リーダーにとっての注目ワードになりました。デジタル化への移行だけでは、変化するビジネス状況にもはや十分対処することはできません。大半の企業は、今日の環境に合わせて既存のビジネスモデルを最適化していますが、次の転機への備えはまだ検討していないように見受けられます。結果としてこれは、次に危機に見舞われたときに企業を危険にさらすことになります。次の転機を乗り切った後に今よりも力強く成長し、高い競争力を維持していたいのであれば、CIOは、組織の適合性を高める具体的なアクションを今すぐに講じるべきです」

ガートナーは、本サーベイで明らかになった結果を、「Gartner IT Symposium/Xpo」(米国フロリダ州オーランド、会期10月20~24日) において発表しました。ガートナーの2020年CIOアジェンダ・サーベイでは、世界64カ国のあらゆる主要業種に属する1,000人以上のCIOから回答を得ました。回答したCIOが所属する企業の売上高/公的機関の予算の総額はおよそ3兆5,000億米ドル、IT支出総額は675億米ドルに達します。CIOアジェンダに関するレポートでは、こうしたデータを分析し、転機に備え勝機に変えるための重要な教訓をガートナーに示したCIO (およびCIO相当職) へのインタビューを通じ、具体的な事例でデータを補っています。

転機を勝機に変えるのは「適合した企業」

本サーベイでは、「企業が最近の転機にどのように対処したか」に基づいて、回答者であるCIOが属する企業を「適合した (Fit) 企業」と「不適合な (Fragile) 企業」の2つに分けました。適合した企業は、ビジネス・イニシアティブへの資金提供や適切な人材の獲得といった能力を以前より強化した形で転機を乗り越えています。一方、不適合な企業は、転機を乗り切った時点でこうした領域の能力が低下していました。適合した企業の過去3年間における年間売上増加率は平均で5%であり、このペースは不適合な企業の3.5%を上回っています。

適合した企業のリーダーは、最新のトレンドや、変化を要する新たな状況を積極的に調査し、それに沿って変化を舵取りするための手段としてIT部門を有効に活用しています。適合した企業になりたければ、動的に変化するビジネス・シナリオとの「調整力」を確保し、「予測」をし、「適応」することに注力すべきです。

調整力とは、危機に際して組織が新たな方向性へとシフトしつつどれだけ足並みをそろえられるか、ということです。適合した企業が不適合な企業と比べて最も卓越しているのが、この調整力です。調整力の鍵を握るのは、明確で効果的なリーダーシップの発揮です。自社のリーダーは非常に効果的に「ITに対するビジネス・ニーズを正確に伝えている」と評価した割合は、適合した企業からの回答者が半数近くであるのに対し、不適合な企業からの回答者はわずか30%でした。また、適合した企業では、IT投資における規律、ビジョンの明確性、戦略全般の一貫性、CIO/CEOのリーダーシップの強さが、より高い傾向にあります。

ラウゼル・ジョーンズは次のように述べています。「CIOが忘れてはならない重要な点は、適合した企業ではITをビジネスのレバレッジ・ポイント (小さな力で大きな変化を起こすための作用点) として捉える傾向が強まっているということです。『ビジネス戦略全般が明確で一貫性がある』ことが、適合した企業に最も際立つ特性の1つに挙げられます。このような組織では、デジタル・テクノロジが戦略を推進する力となります」

また、ラウゼル・ジョーンズは次のように述べています。「大半の業種では、ビジネスを加速するためにCIOが多種多様なディスラプションへの計画を立てるべきです。自社がまだ適合した企業ではない場合、転機によって、環境変化に合わせて柔軟に行動する企業の能力は弱まります。企業が危機に先立ちこのような予測能力を獲得していれば、転機によるダメージの長期化に苦しむことはなく、これを乗り越えて最終的にはより優れた企業になるでしょう」

IT予算が横ばいであることの影響

転機によって収益は一時的に脅かされますが、より重要なこととして、新規イニシアティブの始動や投資といったビジネス運営のための基盤が弱体化します。2020年におけるIT予算の平均伸び率は、サンプル全体で2.8%であるのに対し、不適合な企業ではわずか0.9%と予測されています。換言すれば、始動時にIT予算が少ない不適合な企業は、ディスラプションの直後に構造的なダメージを受け、永続的に苦しむことになります。

ラウゼル・ジョーンズは次のように述べています。「2020年末まで景気後退が起こる可能性は高くはないとはいえリスクは十分にあり、景気後退に備えて計画することは当然必要です。予測ができる企業は、できない企業よりも転機を勝機に変えられる優位な立場に立てることが調査で判明しています。受動的で不適合な企業のCIOをパフォーマンスで上回りたいならば、転機に備えるために、変化を要する新たな状況を前もって積極的に調査し、測定されたリスクを取るべきです」

適合した企業のリーダーは、規律の取れたIT投資決定を行う優れた手腕を持っています。この適応能力が、本サーベイへの回答者を「適合した企業」と「不適合な企業」に分けた、3番目に大きな違いです。適合した企業は、競合する優先課題の間でトレードオフを行い、ビジネス成果に違いをもたらすITへの支出額を増やしています。対照的に、不適合な企業は業務運営の効率化にIT予算を注ぎ込んでいます。

2020年におけるCIOの優先課題はサイバーセキュリティ、AI、RPA

ITを使って競争力を向上させている適合した企業では、サイバーセキュリティの能力、人工知能 (AI)ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) を含む現代のテクノロジの採用率が高くなっています。また、適合した企業に属するCIOはITコアの近代化に専念しており、それに合わせてIT投資先もシフトしています。ガートナーは、2020年に大半のCIOが投資額を増やす領域は、アナリティクス、アプリケーションの近代化、さまざまな形態のクラウド・コンピューティングになると考えています。

ラウゼル・ジョーンズは次のように述べています。「この事実だけを見れば、適合した企業ではテクノロジ主導型のビジネス戦略を定義するために、IT部門がさらに能動的に、ビジネス部門と連携する可能性が高いと言えます。IT部門の重要性が高まるにつれ、期待も高まります。CIOは企業の財務結果に実質的な違いをもたらす必要があります」

ラウゼル・ジョーンズは次のように述べています。「私は昨年、CIOがデジタル・ビジネスの基盤を安全で安定した状態にする必要があると述べましたが、CIOはほとんどの基盤で、それを達成しつつあります。2020年に成功を収めるということは、差し迫ったビジネス・ディスラプションに耐えられるよう事前に予測を立て、IT部門のみならず企業全体で適応力を向上させる必要があるということです」

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、「The 2020 CIO Agenda: Winning in the Turns」で詳細をご覧いただけます。

ガートナーのサービスについては、こちらよりご参照ください。
https://www.gartner.com/jp/products

CIOをはじめとするITリーダーが一堂に会する世界で最も重要なコンファレンス「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」では、先進テクノロジに関するさらなる分析を紹介いたします。ITリーダーは、本コンファレンスに参加することにより、ビジネス課題の解決とオペレーションの効率化を目的としたIT活用法についての知見を得られます。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerSYM)。

「Gartner IT Symposium/Xpo」の開催日時と場所は以下のとおりです。

2019年10月28~31日:豪州、ゴールドコースト
2019年10月28~31日:ブラジル、サンパウロ
2019年11月3~7日:スペイン、バルセロナ
2019年11月11~14日:インド、ゴア
2019年11月12~14日:日本、東京
2020年3月2~4日:アラブ首長国連邦、ドバイ
2020年5月11~14日:カナダ、トロント

日本では、来る11月12~14日に「Gartner IT Symposium/Xpo 2019」をグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール (港区高輪) にて開催します。本プレスリリースに関連した内容はエキスパートの藤原 恒夫が「2020年のCIOアジェンダ:転換期に勝利を収める」(12日 14:05~14:50、12G) で解説します。日本でのニュースや最新情報は、ガートナーのTwitterでもご覧いただけます。

ガートナーについて

ガートナー (NYSE: IT、S&P 500) は、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業です。ビジネス・リーダーが今日のミッション・クリティカルなビジネス課題の解決を実現し、将来にわたって成功する組織を築くために欠かせない知見、アドバイス、ツールを提供しています。

ガートナーのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導きます。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、ガートナーは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、世界100カ国以上、1万5,000社を超える企業に支持されています。

ガートナーは、意思決定者が未来に向けてビジネスを推進できるよう支援します。

詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

gartner.com/jp

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