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2020年8月19日

ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表

今後10年にわたってテクノロジ・イノベーションを促す5つの先進トレンドを明らかに

米国コネチカット州スタンフォード発 - 2020年8月18日 — ガートナーは本日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表しました。本ハイプ・サイクルで取り上げた注目すべき30の先進テクノロジには、コンポーザブル・エンタプライズを実現するもの、テクノロジに対する社会の信頼回復を目指すもの、人間の脳の状態を変化させるものが含まれています。

アナリストでバイス プレジデントのブライアン・バーク (Brian Burke) は、次のように述べています。「先進テクノロジとは本質的に破壊的なものであり、それらがもたらす競争力は、まだよく知られていないか、市場で証明されていません。ほとんどのテクノロジは、『生産性の安定期』に達するまでに5~10年以上かかるでしょう。しかし、本ハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジの中には短期間で成熟するものもあるため、テクノロジ・イノベーションのリーダーは、特にその影響が革新的あるいは多大なものについて、先進テクノロジの機会を把握する必要があります」

例えば、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックに関連するヘルス・パスポートとソーシャル・ディスタンシング・テクノロジはいずれも、ハイプ・サイクル上を急速に推移し、多大な影響をもたらしています。ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジの位置付けられている地点 (すなわち、「過度な期待」のピーク期) からハイプ・サイクルに初登場するテクノロジの例はほとんどありません。しかし、本テクノロジは主にプライバシー上の懸念から、メディアで大きな注目を集めています。また、市場への浸透度が対象ユーザーの5~20%のテクノロジが「先進テクノロジのハイプ・サイクル」に取り上げられる例もめったにないため、ヘルス・パスポートも例外的なケースです。本テクノロジは中国 (Health Code) とインド (Aarogya Setu) で公共の場所や交通機関を利用するために必須であることから、こうした国では何億もの人々に利用されています。いずれのテクノロジも、2年未満で生産性の安定期に達するものと見込まれます。

「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は数あるハイプ・サイクルの中でも独特のものです。1,700を超えるテクノロジを分析した上で知見を抽出し、2020年版では30の先進テクノロジおよび5つのトレンドとして簡潔にまとめ、提示しています。本ハイプ・サイクルでは、今後5~10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジにとりわけ注目しています (図1参照)。

図1. 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年

出典:ガートナー (2020年9月)

※ハイプ・サイクルのフェーズの日本語表記が一部変更になりましたので、修正しました (2020年9月4日)
(修正前)啓蒙活動期→(修正後)啓発期

5つの先進テクノロジ・トレンド         

デジタル・ミー

テクノロジと人の統合が進みつつあり、デジタル・パスポートやソーシャル・ディスタンシング・テクノロジなど、人をデジタルで表現する新たな機会が生まれています。人のデジタル・ツインは、物理空間とデジタル空間の両面において人を表現できる、個人のモデルを提供します。人がデジタル世界とやりとりする方法も、画面やキーボードにとどまらず、インタラクション・モード (音声、視線、ジェスチャなど) の組み合わせを使用したり、場合によっては人間の脳を直接変えたりするようになっています。

注目すべきテクノロジの例としては、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ、ヘルス・パスポート、人のデジタル・ツイン、シチズン・ツイン、マルチエクスペリエンス、双方向ブレイン・マシン・インタフェース (BMI) が挙げられます。

コンポジット・アーキテクチャ

コンポーザブル・エンタプライズは、柔軟なデータ・ファブリックに基づくビジネス・ケイパビリティ・パッケージによって、急速に変化するビジネス・ニーズに対応できるよう設計されています。コンポジット・アーキテクチャは、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージで構成されるソリューションによって実装されます。組み込みのインテリジェンスは分散されており、エッジ・デバイスやエンドユーザーなどの外部にまで拡張されています。

アジャイルな組織になるためには、コンポーザブル・エンタプライズ、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージ、データ・ファブリック、プライベート5G、組み込み型人工知能 (AI)、エッジにおける低コストのシングル・ボード・コンピュータなどのテクノロジを注視すべきです。

フォーマティブAI

これは、状況の変動に応じて動的に変化できる、一連の先進的なAIと関連テクノロジを指します。こうしたテクノロジの一部は、AI対応の開発ツールを用いて新規ソリューションを生み出しているアプリケーション開発者やユーザー・エクスペリエンス (UX) 設計者に利用されています。また、長期的に適応するために動的に進化できるAIモデルの開発に利用されるテクノロジもあります。最も高度なテクノロジは、具体的な問題の解決を目的として、まったく新しいモデルを生成することができます。

AIの境界線の探求を目指す企業は、AI拡張型設計、AI拡張型開発、オントロジ/グラフ、スモール・データ、コンポジットAI、アダプティブな機械学習、自己教師あり学習、生成的AI、敵対的生成ネットワークを検討すべきです。

アルゴリズムによる信頼

責任ある権限に基づく信頼モデルは、データ、資産ソース、個人とモノのアイデンティティについてのプライバシーとセキュリティを確保するために、アルゴリズムによる信頼モデルに転換しつつあります。アルゴリズムによる信頼は、組織が顧客、従業員、パートナーの信頼を失うリスクとコストにさらされないよう保証する上で役立ちます。

アルゴリズムによる信頼に関連する先進テクノロジの例としては、セキュア・アクセス・サービス・エッジ (SASE)、差分プライバシー、来歴の認証、個人所有アイデンティティの業務利用 (BYOI)、責任あるAI、説明可能なAIが挙げられます。

シリコンの先へ

40年以上にわたってIT業界を導いてきたのは、ムーアの法則 (高密度集積回路 [IC] のトランジスタ数は約2年ごとに2倍になる) でした。テクノロジがシリコンの物理的な限界に近づく中、新たな先端素材が、テクノロジの加速と小型化を可能にする画期的な機会をもたらしています。

検討すべき重要なテクノロジの例としては、DNAコンピューティング/ストレージ、生物分解性センサ、カーボン・ベースのトランジスタが挙げられます。

「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」については、「The 5 Major Trends of Gartner's 2020 Emerging Technologies Hype Cycle」と題した無料のウェビナーで詳しく解説します。

ガートナーの「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」は、ガートナーのハイプ・サイクルに新たに追加された20以上のテクノロジを紹介しており、最新のテクノロジとトレンドを理解するための頼れる情報源となっています。ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2020」で詳細をご覧いただけます。
ガートナーのサービスについては、こちらをご参照ください。
https://www.gartner.com/jp/products

 

【海外発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが海外で発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めガートナーが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/en/newsroom/

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