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2020年11月13日

ガートナー、日本のIT支出は2020年以降平均2.6%増で推移し、2024年には32兆円に達すると予測 - 業種別では特に教育機関での高い成長率が見込まれる

「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」(11月17~19日、バーチャル開催)において、CIOやITリーダーが直面するさまざまな課題の解決に向けた指針を解説

ガートナー ジャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下ガートナー) は、日本における業種別IT支出動向を発表しました。日本のIT支出は、消費税増税対応やOSのサポート終了への対応により高い成長率を示した2019年からの反動に加えて、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響を背景に、2020年に前年比で2.6%減少する見通しです。しかし2021年の前年比成長率は3.2%に回復し、2019年から2024年までの5年間の年平均成長率 (CAGR) は2.6%増で推移して、32兆円に達するものと予測しています。

COVID-19のパンデミックは世界経済に広範な影響を及ぼし、ITプロジェクトにも深刻なダメージが生じました。既に多くの業界でビジネスが再開し始めていますが、IT支出に特に深刻な影響を受けると予想される業種は卸売、製造/天然資源、運輸であり、2019年から2024年までのCAGRは、それぞれ0.8%、1.3%、1.5%になる見通しです。一方で、IT支出の増加率が最も高いと見込まれるのは教育であり、同業種のCAGRは4.1%と予測されています。これに続くのが銀行/証券 (3.7%)、通信/放送/サービス (3.4%)、政府官公庁/地方自治体 (3.3%) です (表1参照)。

アナリストでアソシエイト プリンシパルの成澤 理香は次のように述べています。「COVID-19の感染拡大によりIT支出の傾向は業種によって明暗が分かれました。公衆衛生、社会サービス、教育、研究、および経済的持続可能性へのIT投資は、グローバルで見ても優先される傾向にあります。日本では特に、これまでITに十分な予算をかけられなかった教育機関で、学習継続性が社会問題として浮き彫りとなりました。文部科学省による『GIGAスクール構想』の前倒しのほか、オンライン学習をサポートするためのノートPCやタブレット端末、通信、コラボレーション・テクノロジへの投資が支出を牽引するでしょう。これにより、教育セグメントでは2020年の支出が前年比で7.6%増加し、2024年までCAGRは4.1%で成長する見通しです。しかしながら、COVID-19に起因するIT製品の供給遅れや現場のスキル不足といった課題も見受けられます」

一方で、2019年に最も支出の多かった製造/天然資源の成長率は、前年比マイナス8.8%と見込まれ、2020年の業種別IT支出に占める比率は22%となり、前年の24%から2ポイント低下する見通しです。ヘルスケア商品や食品などの必需品を除いて、製品需要がグローバルで減少していることに加え、サプライチェーンの混乱による生産計画の遅れから、製造/天然資源ではキャッシュの確保が優先課題となっています。そのため、コスト最適化への注力と、短期的で高い効果の得られる案件以外は先送りされる傾向が見られます。一部の企業では、国内生産回帰などサプライチェーン再編によるリスク回避を検討する動きも見られますが、人件費の上昇につながる可能性もあるため、その実現にはモノのインターネット (IoT)、人工知能 (AI)、スマート・ロボット、画像認識、クラウド・サービスなどのデジタル技術を活用した高度な自動化や省力化が必要となるでしょう。したがって、製造/天然資源における2024年までのCAGRは1.3%と底堅く推移する見通しです。

表1. 日本の業種別IT支出予測、2020~2024年 (億円)

出典:ガートナー (2020年11月)

前出の成澤は次のように述べています。「現在、企業における全体的なIT予算および支出に影響を及ぼしている2大要因は、コスト最適化とビジネスの継続性です。特に後者に関しては、短期的なビジネス継続から中長期的なビジネスの維持・回復へとユーザーの視点が変化しています。クラウド活用によるコスト最適化が加速する一方で、人事や承認プロセスなどの制度変更も踏まえたシステム再構築や、サプライチェーンの見直し、対面ビジネス/サービスのオンライン型への移行、ロボットやリモート監視といった非接触型システムの採用など、今後は企業の在り方そのものが問われる投資へとシフトすることが予想されます。ニュー・ノーマル時代にどこにITを配置するか、言い換えればどこに人を配置するかが、同一業界内の企業であっても、今後の生き残りに影響を及ぼすと考えます」

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「Forecast Analysis: Enterprise IT Spending Across Vertical Industries, Worldwide」および「Forecast: Enterprise IT Spending by Vertical Industry Market, Worldwide, 2018-2024, 3Q20 Update」で詳細をご覧いただけます。

ガートナーのサービスについては、こちらよりご参照ください。
https://www.gartner.com/jp/products

ガートナーは、来る11月17~19日、「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」をバーチャル (オンライン) で開催します。Gartner IT Symposium/Xpo 2020は、CIOをはじめとするITリーダーが、自社のリーダーシップ、テクノロジ、経営戦略の各アプローチを改めて見直す場です。複雑で混沌とした状況において、これまでの常識や前提を捨て去り、これからの新たな可能性を追求し、現実的なビジネス課題の解決と、将来にわたる組織の成功に欠かせない知見やアドバイスを提供します。ニュースや最新情報は、ガートナーのTwitterでもご覧いただけます (#GartnerSYM)。

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ガートナーのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導きます。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、ガートナーは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、世界100カ国以上、1万4,000社を超える企業に支持されています。

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