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セキュリティ サービス エッジのマジック クアドラント

2025年5月20日 - ID G00815904 - 読了時間 33分
執筆者:Charlie Winckless、Thomas Lintemuth、Dale Koeppen、Charanpal Bhogal
セキュリティ サービス エッジとは、複数のアクセス関連ポイントサービスを一元的なクラウド集約型サービスに統合するもので、現在進化を見せている市場です。購入者はSASE戦略の観点からベンダーを評価することが望まれます。このマジック クアドラントでは、主要ベンダーの評価に役立つ情報を提供しています。

市場定義/説明


Gartnerでは、セキュリティ サービス エッジ(SSE)を、ユーザーの場所、ユーザーが利用しているデバイス、アプリケーションのホスティング先に関係なく、Web、クラウド サービス、プライベート アプリケーションへのアクセスを保護するサービスとして定義しています。SSEは、悪意がある不適切なWeb上のコンテンツからユーザーを保護すると同時に、エンドユーザーがアクセスするSaaSとプライベート アプリケーションのセキュリティと可視性を強化します。
セキュリティ サービス エッジでは、主にクラウド型ソリューションを利用して、エンドユーザーとデバイスからアプリケーション、Webサイト、インターネットへのアクセスが管理可能になります。これにより、アイデンティティとコンテキストに基づく適応型アクセスをはじめ、マルウェアからの保護、データ セキュリティ、脅威対策および関連分析と可視性など、さまざまなセキュリティ機能を享受することができます。その結果、遅延が軽減され、ユーザー体験が向上する可能性が高まることで、ハイブリッド ユーザーがより直接的に接続できるようになります。複数のトラフィックのタイプと宛先にまたがって機能を統合すると、さらにシームレスなエクスペリエンスがユーザーと管理者の両方で実現しながらも、一貫したセキュリティ スタンスが維持されます。

必須の機能

この市場における必須の機能は、以下のとおりです。
  • 主にクラウドで提供される管理・データプレーン
  • 暗号化機能と保護機能を備えたアイデンティティ認識型フォワード プロキシ
  • SaaSおよびプライベート アプリにおけるデータのインライン保護
  • API統合を介したSaaSアプリ内データに対するアウト オブ バンド保護
  • SSEエージェント(または同様のトラフィック ステアリング方式)を搭載したデバイスと、ローカルにSSEソフトウェアや構成を持たないデバイスの両方をサポートする、適応性の高いきめ細やかなアクセス制御
  • 外部のアイデンティティ プロバイダーとの連携

一般的な機能

この市場における一般的な機能は、以下のとおりです。
  • プラットフォームのすべての機能と操作を利用できる単一の統合コンソール
  • ネットワークとアプリケーションの複数の宛先にわたって一貫した規制を適用する能力
  • すべての一般的なエンドポイント(Windows、macOS、iOS、Androidデバイスなど)からのトラフィックを管理して保護するためのサポート
  • セキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)、拡張検知および対応(XDR)、SD-WAN、その他の周辺技術など、重要な企業向け技術との統合
  • 顧客が利用でき、一般的なタスクの自動化と他のセキュリティプラットフォームとの統合を可能にする、公開され、文書化されたAPIのサポート
  • キュレーション、管理、リスク スコアが行われている、SaaSアプリケーションのカタログ
  • すべてのポートとプロトコルにおけるトラフィックの制御
  • ネットワーク上のすべての宛先とチャネルにわたってセキュリティを強化する、Remote Browser Isolation(RBI)
  • SaaS構成の可視性と修復およびSaaSプラグイン アプリケーションの可視性のためのSaaSセキュリティ体制管理
  • 初期接続状況と接続中の状態変化に基づく、すべてのチャネルにわたる継続的適応型アクセス制御
  • 一般的なデータ分類プラットフォームからのラベルの読み書きと処理
  • 異常でリスクのあるデバイスおよびユーザーの振る舞いを自動的に検知して対応する、組み込み型ユーザー エンティティ振る舞い分析(UEBA)
  • 高度なデータ保護機能の適用能力

マジック クアドラント


図1:セキュリティ サービス エッジのマジック クアドラント

The Magic Quadrant for Security Service Edge shows nine providers positioned in a scatterplot with the x-axis rating their Completeness of Vision and the y-axis rating Ability to Execute. This chart is split into quadrants with the top right labeled as Leaders, top left as Challengers, bottom left as Niche Players and bottom right as Visionaries. As of February 2025, the Leaders are Netskope, Palo Alto Networks, Zscaler; the Challenger is Fortinet; there are no Visionaries; and the Niche Players are Broadcom, Cloudflare, iboss, Skyhigh Security, Versa Networks.
ベンダーの強みと注意点
Broadcom

Broadcomは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社の製品はSymantec Network Protectionで、Webサイトのクラウドおよびローカル保護に対応しており、データ損失保護機能が必要なクライアント向けのSymantec DLP Cloudによりサポートされています。
Broadcomは幅広い地域に事業を展開しています。主な顧客はきわめて大規模な企業であり、その分野は多岐にわたります。過去12ヶ月間で、BroadcomはSSE製品の段階的な更新を行ってきました。例えば、接続されたエージェントのルーティングを制御できるAgent Traffic Managerや、Microsoft Azure Marketplaceにおけるゼロトラスト ネットワーク アクセス(ZTNA)の提供開始などが挙げられます。本レポートの調査期間中、同社はSSE機能向けの単一統合型コンソールの開発を進めていました。
Broadcomに補足情報を求めたものの、提供は得られませんでした。したがって、Gartnerの分析は他の信頼できる情報源に基づいています。
強み
  • Broadcomは、企業向けデータ損失防止(DLP)サービスと連携する強力なデータ セキュリティ統合機能を提供しており、企業環境との連携を効率化します。
  • Broadcomの市場アプローチやサポート戦略は、非常に大規模で、複雑かつ厳しい規制のもとで事業を行う企業のニーズに重点を置いています。
  • Broadcomは、幅広く導入されている著名なエンドポイント保護プラットフォーム(EPP)とエンドポイント検出・対応(EDR)製品を提供しており、これらをSSEエージェントと統合しています。
注意点
  • Broadcomは、非常に大規模な一部のクライアントに対する企業ライセンスの販売に注力しており、小規模企業にとっては最適な選択肢とは言えない可能性があります。
  • BroadcomのSSEは主に、同社が提供する幅広いサイバー セキュリティおよびインフラストラクチャ技術をすでに導入している既存顧客や、導入を検討している見込み顧客に訴求しています。
  • Broadcomは複数のコンソールを提供しており、市場で一般的な製品よりも、SSEとの統合性が低くなっています。
Cloudflare

Cloudflareは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社はCloudflare Oneという統合SSE製品を提供しており、この評価において最大規模のPOP(ポイント オブ プレゼンス)ネットワークによってサポートされています。Cloudflare Oneでは、50ユーザーを上限とする無料プランが用意されています。
Cloudflareは幅広い地域に事業を展開しており、同社のSSEは、小規模企業での導入や、大規模企業内で部分的に導入されるケースが多くなっています。過去12ヶ月間で、Cloudflareは、開発者やインフラストラクチャ向けのZTNA用途をサポートするためにBastionZeroを買収し、また、APIを通じたハイパースケーラー構成変更を制御するためにKiveraを買収しました。同社はまた、データ セキュリティ製品も強化しており、正規表現を用いた分類機能に対応するデータタイプの拡充を続けています。
強み
  • Cloudflareは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)およびWebアプリケーション・API保護(WAAP)の既存ユーザーを多く抱えています。また、クロスセルの促進に活用できる資金プール型契約モデルも用意しており、これが同社の成長を後押しし、エンドユーザーとのつながりの維持に寄与すると見込まれます。
  • 本評価において、Cloudflareはクラウドへのトラフィック取り込み用に最大規模のPOPネットワークを備えており、その拡大と成長を続けています。これにより、より遠隔の地域に拠点を持つ顧客のニーズに対応できます。
  • Cloudflareは大規模な公開企業であり、SSEへの積極的な投資が同社の長期的な発展を支える要因となっています。
注意点
  • Cloudflareは、データ セキュリティ、SaaS検出、リスク スコアリング、適応型アクセスなどの分野において、市場では競合他社と比べて技術力で後れを取っている状況です。
  • Cloudflareのレジリエンス戦略はネットワーク アーキテクチャの強さのみに依存しており、他のデータ プレーンを求める一部の顧客にとっては十分とは言えません。
  • 本調査における評価時点でのCloudflareの価格設定は、提供される機能のレベルに対して高いと評価されました。また、Gartnerのクライアントからは、SSEが他のサービスとバンドルされる際に、サービスごとの価格設定が不明確であると指摘されています。
Fortinet

Fortinetは、本マジック クアドラントでは「チャレンジャー」に位置付けられます。同社が提供するFortiSASEには、統合型のSSE機能や、個別のAPI CASB(FortiCASB)が含まれます。すべての機能はFortinet独自のOS「FortiOS」上で動作します。Fortinetは、Google CloudとFortinet独自のハードウェアの両方でPOPを提供しており、クライアントが使用可能なPOP数にデフォルトで制限を設けています。顧客は両方のインフラストラクチャを合わせて導入することができ、さらに上位ライセンスを購入することで、アクセス可能なPOP数を増やすことが可能です。
Fortinetは幅広い地域に事業を展開しており、同社のSSE製品は、主にFortinetのファイアウォールやソフトウェア定義型WAN(SD-WAN)の既存顧客によって利用されています。この既存顧客の業界と企業規模は多岐にわたります。過去12ヶ月間で、Fortinetは、主要なSSE機能を2つのコンソールに統合しました(API CASBは個別の構成が必要)。また、エージェントレス型のZTNAをポートフォリオに追加しました。同社はさらに、エンドポイント保護およびSSE機能向けの統合エージェントも導入しています。
強み
  • Fortinetは資金力のある大規模ベンダーで、強固な顧客基盤を築いており、SSE製品の強化と市場シェアのさらなる拡大に向けた取り組みを公式に表明しています。
  • Fortinetには既存の大規模な顧客基盤があることから、これを活用してSSE市場での存在感を高め、顧客志向の強みを活かして市場での成長を図ることができます。
  • Google Cloudプラットフォーム(GCP)を経由しないFortinet独自のPOPを使用できるという技術的な特徴を考慮すると、Fortinetの価格設定は市場において非常に競争力があると言えます。
注意点
  • FortinetのZTNAは、各終端においてFortiOSアプライアンスの外部公開が必要なうえ、FortiOS-Everywhere設計に依存しているため、非Fortinetユーザーや、このような公開システムの保守・更新を望まない顧客に対する訴求力は限定的です。
  • Fortinetは、2つの独立したPOPネットワークを運用しており、より大規模なGCPホスト環境または両方の環境からPOPを使用するには、特定の上位ライセンスが必要となり、コストも増加します。Fortinetはまた、エンドユーザーが接続先として選択できるPOPの数と、ユーザーごとに使用できるデバイスの数の両方に制限を設けています。
  • Fortinetのインフラストラクチャ中心のアプローチでは、一部のSSEサービスの導入に仮想またはハードウェア アプライアンスの使用が必要であり、結果的に消費者をFortiSASEに誘導することになります。そのため、SSE市場での効果的な発展は難しいと考えられます。
iboss

ibossは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社はiboss Zero Trust SASEを提供しており、米国標準技術研究所(NIST)800-207に基づくゼロトラスト アプローチに重点を置いています。同社のSSEセキュリティスタックは、プライベート クラウドなど複数の環境への導入が可能であり、中央の管理プレーンで一元管理することができます。また、同社のPOPは多くのインターネットエクスチェンジにホスティングされています。
ibossは主に北米と欧州で事業を展開しており、SSE製品の販売先は非常に大規模な企業に集中しています。過去12ヶ月間で、ibossは、SD-WANを自社プラットフォームにネイティブに統合し、Azure Marketplaceを経由してAzure上で直接サービスを提供できるようになりました。
強み
  • ibossは、強力なWebセキュリティ機能と、カスタマイズ可能なユーザー リスク スコアリング機能を提供しています。
  • ibossは、市場での存在感を高め、成長を加速させるため、販売とマーケティング活動の拡大を進めています。
  • ibossは世界各地にPOPを展開しており、地理的に分散した顧客にも対応可能な体制を整えています。
注意点
  • ibossに関する財務情報が限られており、Gartnerの調査で名前が挙がったり、競合ベンダーとして検討されたりすることはほとんどありません。購入を検討する際は、ibossに対する追加検証を実施すべきです。
  • 機能が同等であると評価された市場の他のベンダーと比較して、ibossの製品コストは高めです。
  • ibossは、競合他社よりも、API統合の数やSaaS型セキュリティ体制管理(SSPM)などのSaaS型セキュリティ機能が少なく、また、デジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)の成熟度が見劣りします。さらに、データやフィールドの暗号化や、企業向けDLP統合機能を欠いているなど、先進的なデータ保護機能も不十分です。
Netskope

Netskopeは、このマジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられています。Netskopeの提供するNetskope One SSEは、物理POPに対応した同社独自のNewEdgeネットワークを基盤としています。
Netskopeは幅広い地域に事業を展開しており、SSE製品の顧客の中心層は、さまざまな業界にわたる非常に大規模な企業です。過去12ヶ月間で、Netskopeは、2023年に買収したKadiskaの統合をさらに進めてDEM機能を強化するとともに、顧客支援機能におけるAI活用も拡充しました。
強み
  • Netskopeは、SSEの全分野で優れた技術力を有しており、大半の顧客ユースケースに対応可能です。
  • Netskopeは市場とその動向を深く理解しており、多くのエンドユーザーのSSE活用を広くサポートしています。
  • 同社のブランド認知度の高さを示す一端として、Netskopeは顧客のベンダー候補として挙げられることが多く、それがこの市場における成長と継続的なサービス提供の後押しとなっています。
注意点
  • Netskopeは中規模市場を主要なターゲットにはしておらず、大規模企業への販売活動に重点を置いています。
  • Netskopeのコンソールは英語のみに対応しており、多くの市場で訴求力が限られる可能性があります。
  • Netskopeは、市場の他のベンダーと比較して、包括的なDEMなどの先進的な新機能の導入が遅い傾向にあります。
Palo Alto Networks

パロアルトネットワークスは、本マジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社が提供するPrisma Accessは、オンプレミスのファイアウォール プラットフォームとの統合管理を実現します。Prisma AccessのPOPは、主要なハイパースケール クラウド プロバイダー上に展開されています。
パロアルトネットワークスは幅広い地域に事業を展開しており、SSE製品の顧客は既存顧客が中心でしたが、現在では、業種や企業規模を問わず、さまざまな分野の企業にもサービスを提供しています。2024年以降、パロアルトネットワークスは、Talon Cyber Securityの買収によって得たセキュア ブラウザ技術をPrisma Access Browserとして製品に統合するとともに、製品におけるAI機能への投資も続けています。
強み
  • パロアルトネットワークスは、SSE分野に重点を置いて注力している実績ある公開企業であり、同社の機能には今後も期待が持てます。
  • パロアルトネットワークスは、プラットフォームにAI技術を活用するというイノベーションの実現に向け、企業の新たなニーズに即した明確なビジョンを掲げています。
  • パロアルトネットワークスは(Strata Cloud Managerを介して)構成を既存のファイアウォールに統合しており、既存顧客は単一のインターフェースから利用できます。
注意点
  • パロアルトネットワークスのビジョンと企業向けセキュア ブラウザへの注力は、効果的に対応できるユースケースが限定的であることから、SSE市場全体に影響を与える可能性は低いと考えられます。
  • Gartnerのクライアントは、パロアルトによるPrisma Accessの価格設定が複雑かつ高額なうえ、分かりにくいこともあると指摘しています。
  • パロアルトは技術サポート、ユーザー インターフェース、技術ドキュメントを主に英語で提供しているため、多くの市場で訴求力が限られる可能性があります。
Skyhigh Security

Skyhigh Securityは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社が提供するSkyhigh SSEは、データ セキュリティに特化した製品です。Skyhigh Securityは、地域ごとの需要に応じて、物理POPとクラウド ホスティング型POPの両方を運用しています。十分な需要や顧客からの要望が確認できなければ、すべてのPOPで全サービスを提供できないこともあります。
Skyhigh Securityは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社が提供するSkyhigh SSEは、データ セキュリティに特化した製品です。Skyhigh Securityは、地域ごとの需要に応じて、物理POPとクラウド ホスティング型POPの両方を運用しています。十分な需要や顧客からの要望が確認できなければ、すべてのPOPで全サービスを提供できないこともあります。
強み
  • Skyhighは、自社のSSEプラットフォームを介して、強力なデータ セキュリティおよびSaaSセキュリティ機能を提供しています。
  • 本評価においては、Skyhighは比較的安価に技術的機能を提供しています。
  • Skyhighには、市場の技術的要求とニーズに効果的に応えてきた実績があります。
注意点
  • Skyhigh Securityに関する財務情報は限られています。同社の市場シェアは低く、Gartnerのクライアントからベンダー候補として挙げられたり、競合ベンダーとして検討されたりすることはほとんどありません。
  • Skyhighのデータ セキュリティに関する今後の製品ロードマップは、SSE市場に影響を与えたり、変化を引き起こしたりする可能性は低いと見込まれます。
  • Gartnerのクライアントは、上層部の変更によりSkyhigh Securityの今後の方向性に影響が及ぶかどうかは不透明であると述べています。購入を検討する際は、同社の方向性を詳しく検証する必要があります。
Versa Networks

Versa Networksは、本マジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社のVersa SSEは、SD-WAN製品などを含む、より広範なSASE製品の一部として提供されています。Versaは自社の物理ハードウェアを基盤とした独自のプライベート バックボーンとPOPを運用しています。
Versa Networksは、本マジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社のVersa SSEは、SD-WAN製品などを含む、より広範なSASE製品の一部として提供されています。Versaは自社の物理ハードウェアを基盤とした独自のプライベート バックボーンとPOPを運用しています。
強み
  • VersaはSSEポートフォリオ全体で幅広い機能群を提供しています。
  • Versaは人口集中地域の近くにPOPを展開しており、地理的に分散した顧客にもサービスを提供できます。
  • Versaは技術的機能を競争力の高い価格で提供しています。
注意点
  • 本調査における他のベンダーと比較すると入手可能な財務情報が限られており、購入を検討する際は、同社の長期的な財務の健全性について詳しく検証する必要があります。
  • Versaは、データ主権に対応したSASEおよびエンドポイント セキュリティに重点を置いたビジョンを掲げています。そのため、SSE市場のリーダーらと比べるとビジョンの完全性という点で見劣りします。
  • VersaのSSE関連ドキュメントは、SSE市場の他ベンダーと比べると不十分であり、導入や運用において追加サポートが必要となる可能性があります。
Zscaler

Zscalerは、このマジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられています。同社は、Zscaler Internet AccessやZscaler Private Accessを含む、Zscaler Zero Trust Exchangeを提供しています。
Zscalerは幅広い地域に事業を展開しており、SSE製品の顧客は非常に大規模な企業が中心となっています。2024年以降、Zscalerは、複数あったコンソールを1つに統合するとともに、料金体系モデルを簡素化しました。同社は、マイクロ セグメンテーションのためにAirgap Networksを、また、複数のセキュリティ ツールから得られた結果の集約・相関のためにAvalorを買収し、SSE以外の市場へと事業を多角化しています。
強み
  • Zscalerの市場での存在感は高く、顧客からベンダー候補として頻繁に挙げられており、それが同社の成長とエンド ユーザーへの継続的なサービス提供の後押しとなっています。
  • Zscalerは、新規顧客の購入プロセスを大幅に簡素化する新しい料金体系モデルを導入しました。
  • Zscalerは市場とその動向を深く理解しており、さらには、多くの機能をいち早く市場に投入してきた実績があります。
注意点
  • Zscalerは市場の中でも提供機能に対する価格が高めに設定されていることが多く、この点はGartnerのクライアントに共通する懸念事項となっています。
  • Zscalerはセキュリティ オペレーション分野に機能を多角化しており、SSEへの注力が分散する可能性があります。
  • Gartnerのクライアントによると、Zscalerでは市場の他のベンダーと比べて接続パフォーマンスに関する問題が起こりやすいという指摘があります。

追加および削除されたベンダー

マジック クアドラントの採用基準については、市場の変化に応じて見直しと調整を行っています。これらの調整によって、マジック クアドラントで評価されるベンダーは、時間の経過とともに変化する場合があります。ある年のマジック クアドラントに含まれていたベンダーが翌年には含まれていなかったとしても、それは必ずしもGartnerがそのベンダーに対する意見を変更したというわけではありません。市場の変化やそれに伴う評価基準の変化を反映した可能性もあれば、そのベンダーが重視する対象を変えたことを反映した可能性もあります。

追加されたベンダー

  • 追加されたベンダーはありません

除外されたベンダー

  • Lookoutはこの市場の顧客に関する要件を満たしていませんでした。

採用および除外基準


採用されるには、プロバイダーのSSE製品が以下の条件を満たす必要があります。
  • サービスとして運営されていること。製品は、許可されたエンドポイント上の正規ユーザーをパブリック クラウド、プライベート クラウドおよびオンプレミス環境で稼働する適切なサービスに対して保護するクラウド型サービスとして提供されている必要があります。
  • ベンダーのSSE製品について、同一ベンダーのSD-WANやファイアウォールなどのネットワーク機能とは別に、単独で広く採用されていることを裏付ける十分な証拠が得られること。ベンダーのコアSSE製品には、許可されたエンドポイントで適切なサービスに認証されたユーザーを保護できる機能がいくつか組み込まれている必要があります。これらの機能は、2024年10月31日までに一般に提供されていることが必要です。該当する機能は次のとおりです。
    • 一般的なエンドポイント(少なくともWindows、macOS、iOS、Android)から、プロキシを介してインターネットに安全にアクセスする機能。URLフィルタリングおよび脅威への高度な防御を提供し、ユーザーを保護して適正使用ポリシーを施行します。
    • インラインおよびAPI経由におけるSaaSサービスの利用を保護する機能。SaaSアプリケーションの使用に関する可視性、規則遵守の強制、データ セキュリティ、脅威対策を提供するとともに、プロキシ製品(インライン)およびAPI統合を介して問題を監視・是正します。CASB機能のAPI統合には、少なくとも5個の主要エンタープライズスイート(Microsoft Office 365、Google Workspace、Salesforce、Workday、Github、Atlassian、ServiceNowなど)を組み込む必要があります。これらの統合のうち少なくとも1つには、ファイル共有またはファイル保存アプリケーション以外のものを含める必要があります。ソーシャル メディアまたは無料のSaaSプラットフォーム(Twitter、Reddit、YouTube、Facebook)などとのAPI統合は、この数には含まれません。セキュリティ機能には、脅威対策、データ保護、検出・防止機能が含まれている必要があります。管理対象デバイス(少なくとも、Windows、macOS、iOS、Androidを含む)からすべてのSaaSアプリケーションにインライン セキュリティを提供し、管理対象外デバイスから周知の明示的に認可されたSaaSアプリケーションに施行可能にする必要があります。
    • プライベート アプリケーションへのセキュアなリモートアクセスの提供。社内でホスティングするアプリケーションまたは一連のアプリケーションから分離された企業ユーザーと関連デバイスを包含する、アイデンティティとコンテキストに基づく論理アクセス境界を作成します。アプリケーションは検出されないように隠蔽され、アクセスはトラスト ブローカーを介して特定のエンティティ群に制限されている必要があり、また、一般的なエンドポイント(少なくともWindows、macOS、iOS、Android)からのエージェント(またはネイティブOS機能との完全統合)およびエージェントレスの両方の接続方式に対応している必要があります。エージェント ベースまたはネイティブOS機能との完全統合の場合は、一般的なエンドポイント(少なくともWindows、macOS、iOS、Android)から、トランスミッションコントロール プロトコル(TCP)およびユーザーデータグラム プロトコル(UDP)の両方を用いてプライベート アプリケーションにアクセスできる必要があります。
    • 一般的なエンドポイント(少なくともWindows、macOS、iOS、Android)の状態を可視化のうえ把握し、そのコンテキストをもとにアクセスを判断できること。
SSEベンダーはエンタープライズ クラスの組織にふさわしい規模を実証する必要もあります。次の3つの基準のうち、2つ以上を満たす必要があります。
  • 2023年11月1日から2024年10月31日までの間に、評価対象のSSE製品から得た収益が4,000万ドルに達していること。
  • 2024年10月31日時点で、以下の3つのうち2つを使用している企業顧客が少なくとも500社(それぞれ1,000シート以上)いること。
    • 2024年10月31日時点で、有料サポート下にある評価対象SSE製品のシート数が400万以上であること。評価対象は、プライベートアプリケーション、SaaSアプリケーション(インラインおよびAPI方式の両方)、wwwサイトへの一般的なアクセス機能(ID統合を除く)。
SSEベンダーは以下によって、グローバル企業にふさわしいことを実証する必要もあります。
  • 自社のSSEサービスが世界全体で20以上のPOPを提供し、かつ世界の主要な地域(北米、EMEA、アジア太平洋(APAC))ごとに5つ以上のPOPを提供していることを立証すること。そのPOPがそれぞれ、安全で管理されている施設でホストされ、現地でサポートされており、SSE製品の必須機能すべてが有効になっていること。
  • 顧客ベースの10%以上が自社の拠点地域(北米、EMEA、またはAPAC)以外だということを示す確かな証拠をGartnerに提供していること。
最後に、SSEベンダーは、本マジック クアドラントのGartner顧客関心指標で上位20社に入っている必要があります。SSEの顧客関心指標の計算に用いられるデータ入力には、以下のような公平な基準が含まれます。
  • ベンダーごとの、Gartnerのエンドユーザーからの問い合わせ件数
  • gartner.comの検索データ
  • Gartner Peer Insightsにおける競争相手の言及
  • Googleのトレンドデータ
  • ソーシャル メディア分析
以下に該当するSSEベンダーは、本マジック クアドラントの対象外です。
  • ベンダーのSSE機能が、シングル ベンダーSASE製品の一部として、主にSD-WANプラットフォームで提供されている場合、または、ベンダーが自社のSD-WANを組み込んだシングル ベンダーSASEソリューションを主な方向性としている場合。
  • ベンダーが基本的にマネージド サービスプロバイダーであり、ほとんどのケースでSSE製品がより広範囲なマネージド サービス プロバイダー契約に付随している場合、またはベンダーがサードパーティのSSEサービスを利用するサービス プロバイダーである場合。
  • ベンダーが、2024年10月31日以前において、SSE市場の定義に該当する必須機能のうち1つ以上をネイティブに提供していなかった場合。ベンダーは、OEM提携に依存して必須機能を提供できません。

特筆すべき選外のベンダー

  • Check Point Software Technologiesは、Webやプライベート アプリケーションへのアクセスを保護するセキュリティ機能に加え、補助的なサービスを提供するクラウド型ソリューションを提供しています。ただし、2024年10月31日時点では、SaaSアプリケーションに対するマルチモード保護機能が一般に提供されていなかったため、本マジック クアドラントの対象外となりました。
  • Cisco Systemsは、Cisco Secure Accessを通じ、Web、クラウド サービス、プライベート アプリケーションを保護するセキュリティ機能に加え、補助的なサービスを提供するクラウド型ソリューションを提供しています。ただし、2024年10月31日時点では、同社の主要SSE製品の顧客およびシートが必要数に達していなかったため、本マジック クアドラントの対象外となりました。
  • HPE (Aruba Networking)は、Webやプライベート アプリケーションへのアクセスを保護するセキュリティ機能に加え、補助的なサービスを提供するクラウド型ソリューションを提供しています。ただし、2024年10月31日時点では、SaaSアプリケーションに対するアウト オブ バンド保護機能がなかったため、本マジック クアドラントの対象外となりました。
  • Lookoutは、Webやプライベート アプリケーションへのアクセスを保護するセキュリティ機能に加え、補助的なサービスを備えたクラウド型ソリューションを提供しています。ただし、2024年10月31日時点では、大企業顧客の数が不足していたため、本マジック クアドラントの対象外となりました。
  • Microsoftは、同社製品のMicrosoft Defender for Cloud Apps、Entra for Internet Access、Entra for Private Accessを通じてSSE機能を部分的にサポートしています。同社は非常に大規模な顧客基盤を築いています。ただし、2024年10月31日時点では、一般的なエンドポイント プラットフォームへの対応と、セキュアWebゲートウェイ向けの高度な脅威防御機能が欠けていたため、本マジック クアドラントの対象外となりました。

評価基準


実行能力

製品/サービス:主な評価項目は次のとおりです。管理のしやすさ、プライベート アプリケーションの保護、Webトラフィックの保護、SaaSの制御・可視性、統合プラットフォーム、データ セキュリティ、脅威対策、適応型アクセス、エンタープライズ統合。
企業としての全体的な存続性:ベンダーの健全性、事業部門、SSE製品の拡大を目的とする各分野(製品、マーケティング、サポートなど)への継続的な投資の有無を評価します。
販売実行能力/価格設定:主な評価項目は次のとおりです:事業の成長、顧客に対する価格設定とライセンスの提供方法およびそれに応じた導入のしやすさ、最終顧客との強固な関係を構築・維持できる能力を裏付ける証拠、製品のコストに対する価値。
市場対応力/実績:製品だけでなく、他の主要なSSE分野においても、効果的で顧客のニーズに合致する機能を提供しているかについて、競合他社と比較してベンダーの実績を評価します。ベンダーのこれまでの実績に基づき、市場の変化や顧客の需要の変化に対応しつつ自社の限界を押し広げられるかどうかに注目したうえで評価します。
マーケティングの実行能力:メッセージが明確かつ効率的であるかどうか、さらには、他社と明確に差別化されており、かつ製品の機能に沿っているかどうかを評価します。また、マーケティングへの投資状況のほか、その投資によってベンダーが顧客からどの程度重視されているかという観点からも評価します。
カスタマー エクスペリエンス:販売前および販売後のエクスペリエンス、ドキュメントの提供状況や品質、技術サポート、エンドユーザーの製品満足度など、カスタマー エクスペリエンスのあらゆる側面を評価・検討します。

表1:実行能力の評価基準

評価 重要度
製品/サービス
製品/サービス
販売実行能力/価格設定
市場対応力/実績
マーケティングの実行能力
カスタマー エクスペリエンス
運用
評価なし
出典:Gartner(2025年5月)

ビジョンの完全性

市場の理解:顧客のニーズを把握し、そのニーズに対応する能力、自社製品の現在および将来の競合相手を見きわめる能力、市場における自社の強みと弱みを明確に把握する能力などが挙げられます。
マーケティング戦略:情報伝達と差別化に関する斬新で効果的なアプローチを採用しているかどうか、マーケティング プログラムやメッセージングへの将来を見据えた投資を行っているかどうか。
販売戦略:ベンダーがチャネル、取引戦略、価格設定、販売組織をどのように策定・構築しようとしており、これらが顧客の需要やニーズとどの程度合致しているかを評価します。
オファリング(製品)戦略:市場に関連する新機能の提供、エンドユーザーの既存ニーズや新たなニーズへの対応、適切な時期での提供などを評価します。
イノベーション:テクノロジー、販売、パートナーシップ、機能に関する今後の主なイノベーション計画や、ベンダーがエンドユーザーの課題に最も効果的に対処するために、どのように独自の価値を提供していくのかを評価します。ベンダーのイノベーションについて、それが顧客に価値をもたらすかどうか、市場に大きな変革をもたらすかどうかを評価します。
地理的戦略:各地域における提供、販売、マーケティング戦略、市場シェア拡大に向けた主要な取り組み、地域ごとのコンプライアンス ローカライゼーション機能、言語サポートを評価します。また、対応面について地理的なギャップを埋めるために、プレゼンス、スタッフ数、顧客、チャネル パートナーの拡充を図る計画も評価対象となります。

表2:ビジョンの完全性の評価基準

評価基準 重要度
市場の理解
販売戦略
オファリング(製品)戦略
ビジネスモデル
評価なし
垂直/業界戦略
評価なし
イノベーション
地理的戦略
出典:Gartner(2025年5月)

クアドラントの説明

リーダー

リーダーは、販売およびマインドシェアに関してモメンタムの強いベンダーです。高度な機能を備えたSSEコンポーネントを適切に統合しつつ提供してきた実績があり、市場を明確に理解していることが実証されています。さらに、先進的な使いやすい機能を提供し、将来に向けた企業投資を行うため、市場の動向に沿った製品戦略を設けています。リーダーには、製品ポートフォリオ全体に対応する有効な販売/流通チャネル、多様性に富んだ業種/地域別戦略、さらに企業のより広範なSASE変革のコンテキストに基づいたSSE製品の位置付けに関するビジョンがあります。

チャレンジャー

チャレンジャーが提供するSSEコンポーネントは、密接に統合されていない可能性があり、または高度な機能を欠いているために市場の方向性に沿っていない可能性があります。チャレンジャーはこれを埋め合わせるため、強固な販売チャネル(可能な限り隣接するセキュリティ分野)、戦略的関係、市場における広範な可視性を使用する場合があります。新機能の導入が遅れることが多く、完全で統一的な製品戦略が欠けています。チャレンジャーには、自分との戦略的関係が確立されているクライアントに対して大きな訴求力があります。

ビジョナリー(概念先行型)

概念先行型は、技術や製品の戦略で認められていますが、実行実績とリーダーの知名度の高さ、または強力な販売チャネルや戦略的関係のような企業リソースのいずれかが欠落しています。バイヤーは概念先行型に先進的な統合型のSSE製品を期待するでしょうが、概念先行型に戦略的に依存するには注意が必要で、存続性を注意深く見守る必要があります。概念先行型は、しばしば、他のベンダーによる買収の格好の対象となります。したがって、概念先行型の顧客には、事業が混乱するリスクが多少高くなります。

ニッチプレイヤー(特定市場指向型)

特定市場指向型の製品は一般的に、1つ以上の個別のSSEコンポーネントにおいて堅実な機能を提供しますが、技術的能力、地域的サポート、業種など、注力する領域は限られています。また、特定市場指向型には、チャレンジャーのような市場での存在感とリソース、概念先行型のような未来を見据えたビジョンと市場連携がありません。注力しているバイヤーの種類という観点から注目に値します。

コンテキスト


SSEは、ユーザーの場所、ユーザーが利用しているデバイス、アプリケーションのホスティング先に関係なく、Web、クラウド サービス、プライベート アプリケーションへのアクセスを保護します。そのため、SSE製品は、組織の多くのデータ、特にプライベート アプリケーション経由でアクセスされるデータへのアクセス経路において、極めて重要な役割を担うことになります。
セキュリティのバイヤーが購入して利用できるように、セキュリティに特化したさまざまなベンダーがSASEアーキテクチャのSSE要素を提供しています。同時に、ネットワーキングのバイヤーが検討している、SASEフレームワークのネットワーキング部分は、WANエッジ インフラストラクチャ市場のベンダーが扱っています。
Gartnerによる調査とクライアントからの問い合わせから収集したデータによると、多くのバイヤーはSASEに2ベンダー戦略を練っています。ただし、シングル ベンダーSASEアプローチを採用する企業が増えており(シングル ベンダーSASEに関するマジック クアドラントを参照)、SSEベンダーとSASEプラットフォーム ベンダーとの機能差が急速に縮まりつつあります。このように技術面の差が縮まってきたことで、特に中小企業の間では、クライアントがシングル ベンダー製品を検討するケースが増えています。また、オフィスへの通勤再開の義務化や完全なリモートワークの減少も、特に地理的な展開が限定的な企業において、SSEへの需要に影響を与えています。
SSEの顧客は基本的に、パブリックなインターネット、クラウド サービス、プライベート アプリケーションにアクセスしているリモートワーカーやハイブリッドワーカーの保護を期待しています。ユーザーの大部分がオンプレミス環境にいる場合、SSE製品は柔軟性をもたらす一方で、オンプレミスでの制御よりもコストが増加する可能性があります。SSEの顧客は、企業がバーチャルやクラウドのヘビーコンシューマーの場合、またはサテライトの位置に関して複雑なネットワーキング要件の適用を受けない場合に、リモートユーザーを保護することも望んでいます。

市場概要


製品の進化

SSE市場は成熟しつつあり、変化は革命的というよりも漸進的になっています。ベンダーが進めている変化は、その多くが段階的なものか、後発ベンダーによるもので、エンドユーザーが求める「十分な」基準を満たすことを目的としています。多くのベンダーは個別のコンポーネントを単一のSSEプラットフォームに統合し、単一コンソールから設定しています。購入を検討する際は、ベンダーが依然としてAPI SaaS保護機能などの機能を個別に提供し、複数のコンソールを必要としている場合は、そうした機能がSSE製品に紐づけられていたり、シングル サインオン(SSO)で統合されていたりしても、注意が必要です。さらに、ZTNAなどの中核的なSSE機能を実現するために、ネットワーク境界に構成要素を公開することを求めるベンダーにも注意が必要です。Webアクセスや関連脅威の保護、シームレスなリモート ブラウザ分離(RBI)、サービスとしてのファイアウォール(FWaaS)、さらには中核的なDLP機能など、多くの機能の大部分ではコモディティ化が進んでおり、違いは、一般的には関心を持たれることが少ない一方で高度なクライアントが関心があるエッジケースに限られます。
ベンダーは引き続き機能の改善を進めるとともに、そうした機能を少数の個別製品に統合しています。この市場のイノベーターや大手ベンダーは、以下のような使いやすい管理機能の導入を進めています(または、すでに導入しています)。
  • 高度なレポート機能
  • DEM
  • 生成AIベースのAIアシスタント
  • インラインおよびエージェント経由で提供される充実したユーザーコーチング
  • 統合数とSSPM機能の両面で強化されたSaaS対応
現在、ほとんどのベンダーが統合型のSD-WANを提供しているか、近いうちに提供を開始する予定ですが、機能には大きな差があり、大規模企業では依然としてデュアル ベンダー アーキテクチャが好まれる傾向にあります。その一方で、SSEベンダーの製品とSASEベンダーのプラットフォーム製品との統合が加速しています。
最後に、これらの製品は重要なアプリケーションの通信経路上に配置されるため、クラウド型サービスであっても可用性は保証されず、各ベンダーは運用上のレジリエンス強化に注力しています。事業継続を主な目的としてエッジ機能をオンプレミスのゲートウェイに拡張できる、シンプルで透明性の高い製品化された機能を提供するベンダーには、大きな価値があります。.

生成AI保護

生成AI(GenAI)はこの1年間で大きな注目を集めてきましたが、適切に使用すれば、多くの企業がメリットを得られる可能性があります。SSE製品は、公開されている生成AIプラットフォームやツールへのトラフィックをインラインで監視し、そのデータを可視化できるため、不適切な使用に対する強力な制御を実現します。ベンダーによっては、これをSaaS保護(APIまたはインライン)のユースケースとして扱う場合もあれば、同様の扱いをするものの追加コストがかかる新しいライセンスを導入する場合もあります。こうしたツールは生成AIデータ漏洩の脅威を完全に防止できるわけではありませんが、必要な保護手段として有用です。

SSEアーキテクチャ

ベンダー間の相違は、SSE製品のアーキテクチャおよびデリバリーモデルにあります。理論上、ベンダーが自社で所有するPOPは売上原価を抑えられるため、価格も低くなる可能性があります(ただし、実際にそのとおりになることはほとんどありません)。対照的に、クラウド サービスで提供されるPOPは柔軟性に優れており、迅速な導入が可能です。一部のベンダーはハイブリッド モデルを使用し、あるレベルの機能は、災害復旧やユニバーサルZTNAユースケースのためにクライアントのプレミスで提供されることが多くなります。数社のベンダーは自社ネットワークも運営しており、その多くは主要クラウド サービス プロバイダーとSaaSプロバイダーと広範にピアリングして、復号化とトラフィック分析に伴って必然的に発生するレイテンシーを相殺しています。ただし、このようなアーキテクチャ上の違いがエンドユーザーの成果に大きな影響を与えることはほとんどなく、Gartnerのクライアントのほとんどが評価時の優先事項としていません。

ベンダーの差別化

この市場のベンダーは、SaaSセキュリティや先進的なデータ セキュリティ機能、DEMなどにおける深さや幅広さなど、コンポーネントや機能において成熟度にばらつきが見られます。ユーザー デバイスからすべてのポートとプロトコルを保護するといった機能は現在では一般的であるため、Gartnerの多くのクライアントはこれを差別化要因として見ていません。プライベート アプリケーションへのアクセスはますます均質的となり、今年のマジック クアドラントのすべてのベンダーには、エージェントとエージェントレスの両方の機能に対応し、TCPおよびUDPをサポートし、すべての主要プラットフォーム上でエージェントを実行できることが求められています。ZTNAのアーキテクチャにはさまざまな種類があります。ダーク データセンターの運用ができず、何らかの形で公開されたリスニング ポートの使用を求めるベンダーには注意が必要です。

市場の原動力

SSE製品の採用を促進している主な市場動向は以下のとおりです。
  • VPNの置き換え:VPNアプライアンス、ネットワーク ファイアウォール、ゲートウェイなど、企業の境界に配置されたセキュアなインフラストラクチャの脆弱性が攻撃者に悪用され、ネットワークへの侵入の足掛かりにされるケースが増加しています。このような脆弱性の存在はSSE製品にとって追い風となっています。通常、SSE製品のプライベート アクセス機能を利用すると、インバウンド アクセスが不可能な「ダーク」データセンターを運用できるためです。各ベンダーは自社製品の強化により、企業サーバーからのネットワーク アクセスやアウトバウンド通信を可能にしており、多くの組織が従来型システムを置き換えられるようになっています。ただし、通常はその導入に多大なコストが伴います。
  • SaaSの導入と生成AIのセキュリティ:SaaS、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)の導入と成長率は上昇が続いています。Gartnerの見積りによると、SaaSが最大のクラウド収益源であり、2028年まで15%を上回る年間平均成長率で成長します(「Forecast: Public Cloud Services, Worldwide, 2022-2028, 4Q24 Update」を参照)。クラウドの急速な導入により、トラフィックにオンプレミスのネットワークやデータセンターを経由させて安全にアクセスするのではなく、クラウドのためにクラウドから提供するセキュリティを簡素化して統合する必要が生じます。アプリケーションをハイパースケーラーでホストするか、オンプレミスで配信するか、SaaSに移行するかに関係なく、共通のセキュリティとコントロールの必要性も高まります。同様に、SaaSアプリケーションの特殊ケースとして扱われる生成AIアプリケーションも急増しています。そのような生成AIアプリケーションは、承認されたアプリケーションへのアクセスを制限し、そうしたアプリケーションによって入力・処理される可能性があるデータをフィルタリングすることで制御できます。
  • ゼロトラスト ネットワーキング:セキュリティとゼロトラストの連携に対する関心は、それが義務付けられている業界と一般的である業界の両方で強く残っています。部分的にその結果として、ゼロトラストのマーケティングはSSEの領域に多く見られます。ベンダーが提示する定義とは関係なく、「Quick Answer:ゼロトラストネットワーキングとは」の定義によると、SSEではゼロトラスト ネットワーキングの原則を実現することができます。
  • この原則で要求されることは、認証と許可が行われた後にのみネットワークへのアクセスが許可されること、必要なリソースのみにネットワーク アクセスが制限されること、ネットワーク アクセスがリスクに基づいてほぼリアルタイムで継続的に調整されることです。

根拠


Gartnerは年間を通して、SSEとSASE技術に関して多くの問い合わせを受けます。その他、公開されているデータの情報源と同様、このような問い合わせが市場とベンダーに関する見解を形成するうえで役立っています。
可能な場合は、GartnerのPeer Insightsプラットフォームに投稿された顧客のレビューも利用しています。

評価基準の定義


実行能力

製品/サービス:ベンダーが特定の市場に向けて提供する主要な製品およびサービス。これには、自社から直接提供するか、OEM契約およびパートナーシップによって提供するかにかかわらず、前述の市場定義で定義し、小項目で説明したように、現在の製品およびサービスの能力、品質、機能群、スキルなどが含まれます。
企業としての全体的な存続性:存続性には、総合的な企業の財務健全性、事業単位の財務上および実務上の成功、さらに個々の事業単位が製品に対して引き続き投資し、継続的に製品を提供し、企業の製品ラインを最先端のものに改善していく見込みに対する評価が含まれます。
販売実行能力/価格設定:プリセールスの全活動におけるベンダーの能力およびそれらの活動をサポートする体制。これには、取引管理、価格設定および交渉、プリセールスのサポート、ならびに販売チャネルの全体的な有効性が含まれます。
市場対応力/実績:ビジネスの機会が広がり、競合他社が行動し、顧客のニーズが進化し、市場ダイナミクスが変化する中で、対応し、方針を変更し、柔軟性を持ち、競争に勝つ能力です。この基準では、ベンダーの過去の対応実績についても考慮します。
マーケティングの実行能力:企業メッセージを伝えるために立案されたプログラムの明瞭さ、質の高さ、創造性および有効性。これらは、市場に影響を与え、ブランドや事業を推進し、製品の知名度を向上させるとともに、製品/ブランドおよび企業に対するポジティブな印象を購入者の意識に植え付けることを目的としています。この「マインドシェア」は、宣伝、販売促進活動、ソート リーダーシップ、口コミ、および販売活動が一体となって促進されます。
カスタマー エクスペリエンス:評価対象の製品を使って顧客が成功を収めるために役立つ、顧客との関係、製品、サービスおよびプログラム。これには特に、顧客が受ける技術サポートやアカウント サポートの体制が含まれます。また、補助的なツール、カスタマー サポート プログラム(およびその品質)、ユーザー グループの有無、サービス品質保証なども含まれます。
運用:目標やコミットメントの達成に向けた企業の能力。この要素としては、組織構造の質が挙げられます。これには組織が効果的かつ効率的に事業を継続するために必要なスキル、経験、プログラム、システムおよびその他の手段が含まれます。

ビジョンの完全性

市場の理解:購入者の要望やニーズを理解し、その理解を製品やサービスに反映させるベンダーの能力。最高水準のビジョンを示すベンダーは、購入者の要望やニーズに耳を傾けて理解し、自分たちの新たなビジョンを加えて、その要望やニーズを形にしたり強化したりできます。
マーケティング戦略:明確かつ差別化された企業メッセージを組織全体で一貫して共有し、またWebサイト、広告、顧客プログラムおよびポジショニング ステートメントを介して外部に向けて発信すること。
販売戦略:直接および間接販売、マーケティング、サービスおよびコミュニケーション関連会社などのネットワークを効果的に活用する製品販売戦略。マーケットリーチ、スキル、専門性、テクノロジー、サービスおよび顧客基盤の範囲と深さを拡げます。
オファリング(製品)戦略:現在と将来の課題を明確にすると同時に、他社との違い、機能性、方法論および機能群に重点を置いた、ベンダーによる製品開発および製品販売のアプローチ。
ビジネスモデル:ベンダーの基本的なビジネス提案における健全性および論理性。
垂直/業界戦略:垂直市場など、個別の市場区分が抱える特定のニーズを満たすことを目的として、リソース、スキルおよびサービスを割り当てるベンダー戦略。
イノベーション:投資、統合、守備的もしくは先制的な目的のために、リソース、専門性もしくは資本を直接的、間接的、補完的、および相乗的に配置すること。
地理的戦略:「本拠地」である自社の国や地域外の場所でその特有のニーズを満たすことを目的として、直接、またはパートナー、チャネル、子会社を通じて、その地域および市場に合わせた方法で、リソース、スキルおよびサービスを割り当てるベンダー戦略。
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