市場定義/説明
Gartnerが定義するカスタマーデータプラットフォーム(CDP)とは、企業がマーケティングその他のチャネルから入手した顧客データを統合することにより、マーケティングや顧客エクスペリエンスのユースケースに対応するためのソフトウェアアプリケーションです。CDPは、メッセージ、オファー、顧客エンゲージメント活動のタイミングやターゲティングを最適化し、個人レベルの顧客行動の経時的な分析を可能にします。
カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の目的は、データ収集を一元化し、様々に異なるソースからの顧客データをプロファイルに統合することです。アナリストやデータエンジニアはCDPを使用して、上位のビジネスプロセス(主としてマーケティング)をサポートするデータ管理タスクを実行することができます。ただし、クロスCRM機能や、財務および製品管理の目的で用いられるケースも増えています。CDPは本来、マーケティングのユースケースに対応するために生まれましたが、データ管理やITなど、顧客対応に携わるその他のビジネスユーザー(例:セールスやサービス、サポート)からの関心も高まりつつあります。このテクノロジーの購買を担当するグループは、IT役職者が圧倒的多数を占めています。
CDPは、多様なビジネスアプリケーションおよびCRMシステムをオーケストレーションし、企業による市場投入(GTM)の実施を強化し、より適切に調整できるようにします(例:B2Bにおける一貫した商業活動、B2Cビジネスにおけるカスタマージャーニーのオーケストレーションなど)。これらのシステムの多くは、ターゲティングのために顧客レベルのデータやオーディエンスの管理も行います。しかし、その過程で様々なチャネル間(および競合するベンダーソリューション間)におけるデータガバナンスとオーケストレーションの課題が生じます。CDPは、様々に異なる顧客データを集中管理された1つの場所に集め、顧客ライフサイクル全体にわたってエンゲージメントを行う顧客対応チームがアクセスできるようにすることで、この課題に対処します。
CDPは現時点では、企業のマスターデータ管理を代替するものではありません。しかし、マーケティングなどの顧客対応機能でインタラクションを調整するために顧客プロファイルデータ、トランザクションイベント、分析属性が必要になった時点で、これらを確実に利用可能にします。CDPは、フロントオフィスとバックオフィス(例:GTMとR&D/業務部門)の間における双方向のデータフローを統制します。
必須の機能
CDPは最低限、以下のことを実行する必要があります。
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データの収集
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プロファイルの統合
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アクティベーション
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分析レポートreporting
一般的な機能
一般的な機能には、以下が含まれます。
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セグメンテーション
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統合
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他のツール、プログラム、アプリ、チャネルに接続し、データや命令のやり取りが可能であること。
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クラウドデータウェアハウスとのデータの相互運用性は、CDPの差別化要因となる新しい機能です。これには、クラウドのデータウェアハウスから直接データを取得またはクエリを実行し、ポイントソリューションにデータをオーケストレーションする機能が含まれます。
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一部のCDPは、構造化、半構造化、非構造化データの永続性や統合された形での取得に対応する、レイクハウス設計アプローチを採用しています。このアプローチでは、バッチ、ストリーミング、インタラクティブモードのデータ処理もサポートされます。
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データモデルの管理
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プライバシー
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パーソナライゼーションとオーケストレーション
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同意と選好性の管理
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データサイエンスワークベンチ
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アカウントレベルの集約
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CXチャネルおよびシステムとの接続
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IDグラフおよびデータクリーンルーム
マジック・クアドラント
図1:カスタマーデータプラットフォームのマジック・クアドラント
ベンダーの追加と除外
マジック・クアドラントの採用基準については、市場の変化に応じて見直しと調整を行っています。これらの調整によって、マジック・クアドラントで評価されるベンダーは、時間の経過とともに変化する場合があります。ある年のマジック・クアドラントに含まれていたベンダーが翌年には含まれていなかったとしても、それは必ずしもGartnerがそのベンダーに対する意見を変更したということを意味しません。市場の変化やそれに伴う評価基準の変化を反映した可能性もあれば、そのベンダーが重視する対象が変化した可能性もあります。
追加されたベンダー
今回、マジック・クアドラントに追加されたベンダーはありません。
除外されたベンダー
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Blueshiftは、本リサーチの今年の採用基準で更新されたCDP収益の最小値に達しなかったため、除外されました。
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Dun & Bradstreetは、同社のCDPが今年の採用基準で定められている最小ベースソフトウェア要件または収益しきい値を満たさなかったため、除外されました。
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Leadspaceは、本リサーチの今年の採用基準で更新されたCDP収益の最小値に達しなかったため、除外されました。
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SAPは、本リサーチの今年の採用基準で更新されたCDP収益の最小値に達しなかったため、除外されました。
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Zeotapは、公開情報によると、本リサーチの今年の採用基準で更新されたCDP収益の最小値に達していないため、除外されました。
採用および除外基準
採用対象となるには、プロバイダーは以下の基準を満たす必要があります。
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CDP製品は一般提供されている必要があります。一般提供(General Availability)とは、ベンダーの顧客によるテストまたは評価ではなく、実働環境で使用されるものを指します。
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CDP製品は、ベンダーから別のモジュールや製品を購入することなく、独立型ソフトウェアとして購入可能でなければなりません。
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CDP製品は、CDP機能を提供可能であることが実証されている必要があります。CDPは、企業がマーケティングおよびその他のチャネルから入手した顧客データを統合することにより、マーケティングや顧客エクスペリエンスのユースケースに対応するソフトウェアアプリケーションとして定義されます。CDPは、メッセージ、オファー、顧客エンゲージメント活動のタイミングやターゲティングを最適化し、個人レベルの顧客行動の経時的な分析を可能にします。
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最低でも、ベースCDPソフトウェア(製品構成またはバンドル)は以下を実行する必要があります。
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データの収集:ファーストパーティの個人レベルの顧客データを、複数のソースおよびフォーマットから、オンラインとオフラインで、リアルタイムに、ストレージの制限なく取り込む(抽出する)こと。データは処理のために必要である限り、一般に元のソースと同じフォーマットのまま残されます。この中には、匿名および既知のファーストパーティID、行動、属性が含まれます。
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プロファイルの統一:個人レベルのプロファイルを統合し、属性をアイデンティティに結び付けること。これには、顧客を1つの世帯または購買グループレベルに集約することが含まれる場合があります。
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アクティベーション:特に、Eメールキャンペーン、モバイルメッセージ、広告などの目的で、セグメントをアクティベーションの指示とともにエンゲージメントツールに送信。
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分析レポート:属性レベル、プロファイルレベル、セグメントレベルなど、顧客データの様々なレベルに対応するパフォーマンス分析。
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定義:
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ソフトウェアライセンス収益: データライセンスの収益を除く。
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新規クライアント:カスタマーデータプラットフォームソリューションを実働環境で正常に導入している顧客。
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実働クライアント:CDPを正常に導入しているクライアント。最低でもデータを取り込み、統一し、少なくとも1つのアクティベーションチャネルに送信されるオーディエンスを作成していること。
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2022年のCDP収益の少なくとも75%が、SaaS/サブスクリプション収益または新規ライセンス販売(オンプレミス)のいずれかのソフトウェア収益であること。
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企業のCDP収益の60%超が、北米およびEMEAに拠点を置くクライアントからの収益であること。
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本マジック・クアドラントのためにGartnerが定義した、強い顧客関心度の獲得において上位25社にランクインしていること。顧客関心度の計算に用いられるデータ入力には、以下のような公平な基準が含まれます。
特筆すべき選外のベンダー
Blueshift CDPは、パーソナライズドキャンペーンの自動化とメディア管理を目的とするデータの統一に特化しています。同社は北米と欧州を中心に事業を展開しており、クライアントは主として中堅のB2C企業(小売、メディア、金融サービス、保険)です。
Dun & Bradstreetは、アカウントベースのマーケティングプラットフォーム、D&B Rev.Up ABXを提供しています。このプラットフォームは、B2B顧客企業における階層型アカウントおよび連絡先データの統合、強化、スコアリングに加え、マルチチャネルのマーケティングキャンペーン用にオーディエンスのアクティベーションを可能にすることに特化しています。同社の顧客は、北米の中~大規模なB2B企業が中心であり、その大部分がハイテク、ビジネス、金融サービスセクターに属しています。
LeadspaceのDrive B2B CDPは、傾向モデリングと購買シグナルを通じて有望な見込み客および市場機会を特定することにより、B2Bターゲットアカウント/担当者およびセグメントの優先度付けとプランニングに特化しています。同社は北米を中心に事業を展開しており、クライアントは、テクノロジーおよび製造部門の大企業が中心です。
SAPのCDPは、ブランドが顧客に関する360度のビューを構築することを支援し、マーケティングを超えて業務にまで及ぶアクティベーションを可能にすることに重点を置いています。この市場ではSAPは比較的新規参入者ですが、すでにSAPアプリケーションを使用しているバイヤーにとっては良い選択肢になります。同社は様々な地域で事業を行っており、クライアントは大企業が中心で、ほとんどが小売と消費財の企業です。
ZeotapはモジュラーCDPを提供しています。Unify(データの取り込みと統合)、Audiences(ネイティブのサードパーティデータ強化機能を含むオーディエンスビルダー)、Journeys(リアルタイムなジャーニーオーケストレーション)、Destination(オーディエンスアクティベーション)です。同社は経済的利益を焦点とするユースケース主導のアプローチによって、価値創出までの期間短縮を目指しています。主に欧州と中東で事業を展開し、クライアントは通信、メディア、小売、金融サービスの中堅~大企業です。
評価基準
実行能力
Gartnerのアナリストは、プロセス、システム、方法または手順の質および有効性という要素でベンダーを評価します。評価の際には、それらの要素が、マーケティングチームのパフォーマンスを競争力のある効率的かつ効果的なものにしているか、さらに、収益、顧客維持および評判に好影響を及ぼしているかどうかを、Gartnerの市場に対する視点で考慮します。機能、サポート、サービスに関する幅広い要件がありますが、ベンダーの実行能力の重要な側面に留意することが重要です。
製品/サービス:定義された市場で競合したり、サービスを提供したりするコア製品およびサービスのことです。これには、現在の製品およびサービス能力、質、機能群、スキル等が含まれます。市場定義で定義し、小項目で説明したように、これは、ネイティブで提供されるか、OEM契約およびパートナーシップによって提供されます。具体的には、機能性の実行を評価します。
企業としての全体的な存続性:企業としての全体的な財政状態の評価、ならびに事業部の財務的および実際的な成功度の評価です。また、企業が当該製品の提供および当該製品への投資を継続する可能性、および現在のポートフォリオの中での当該製品の位置付けも評価に含まれます。具体的には、収益性と成長、顧客増加率および定着率、R&D投資のほか、現在および計画上の組織リソースの整合性やレベルについて、エビデンスを検証します。
販売実行能力/価格設定:販売前の活動における企業の能力および活動を支える体制。これには、取引管理、価格設定および交渉、プレセール・サポート、ならびに販売チャネルの全体的な有効性が含まれる。具体的には、販売前プロセスのサポート、一般的なバイヤーおよびユーザーペルソナに関する理解、一般的な実装アプローチに関する理解、アセスメントおよびPOCの利用可能性、価格モデルおよび価格の柔軟性に関する情報について、エビデンスを検証します。
市場対応力と実績:ビジネス機会の出現、競合他社の動き、顧客のニーズ変化、および市場ダイナミクスの変化に対して反応し、方向性を変え、柔軟に対応し、優位な成果を獲得する能力。この基準は、市場の要求の変化に対するプロバイダーの過去の反応能力についても考慮します。具体的には、製品アップデートの開発において顧客ニーズをどのように考慮しているか、カスタマーサクセスプロセスに関する情報、顧客のテクノロジー投資に対して測定可能なROIを提供する能力について評価します。
マーケティングの実行能力:企業メッセージを伝えるために立案されたプログラムの明瞭さ、質の高さ、創造性および有効性。これらは、市場に影響を与え、ブランドを推進し、製品の知名度を向上させると共に、それらに対するポジティブな印象を購入者の脳内に植え付けることにつながります。この「マインドシェア」は、知名度、販売促進活動、ソートリーダーシップ、ソーシャルメディア、リファーラル、および販売活動が総合的に影響して促進されます。具体的には、対象とする地域市場における市場認知度、ターゲットバイヤーの課題や望まれる業務上/戦略上の成果に即したメッセージについて、エビデンスを検証します。
カスタマーエクスペリエンス:評価対象の製品から顧客が期待する結果を得ることを可能にする製品、サービスおよびプログラム。これには、サプライヤー/購入者インタラクションの品質、技術サポートおよびアカウントサポートの体制が含まれます。また、補助的なツール、顧客サポートプログラム、ユーザーグループの有無、サービス品質保証等が含まれる場合もあります。具体的には、クライアントの満足度、技術サポートおよび実装に関する情報、ターゲットユーザーの役割に対応するユーザーインターフェイス、内部カスタマーサービス/サポート機能(カスタマーサクセスプログラム、カスタマーコミュニティ、ユーザーフォーラム、サポート用のリソース、システム、ポリシーを含む)の可用性および実行可能性について評価します。
運用:目標や約束の達成に向けた企業の能力。この要素としては、企業が効果的かつ効率的に事業運営を行う上で必要な企業構造の質、スキル、経験、プログラム、システムおよびその他の媒体が含まれます。具体的には、直接的またはパートナー(専門サービスを含む)を通じて、一貫した形で効率的に顧客に対応できる経営状態および能力を評価します。
| 評価基準 |
重要度 |
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製品/サービス
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高
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企業としての全体的な存続性
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中
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販売実行能力/価格設定
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高
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市場対応力/実績
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中
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マーケティングの実行能力
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低
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カスタマーエクスペリエンス
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高
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運用
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中
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出典:Gartner(2025年3月)
ビジョンの完全性
Gartnerのアナリストは、明確かつ論理的に説得力をもって説明するプロバイダーの能力を評価します。これには、現在および今後の市場方向性、イノベーション、顧客ニーズ、競争力が含まれます。さらに、Gartnerの市場に対する視点にどれほど合致しているかも含まれます。
市場の理解:顧客のニーズを理解し、その理解を製品やサービスに反映させる能力。市場に対する明確なビジョンを示しているベンダーは、顧客の声に耳を傾け、顧客の要求を理解し、自社のビジョンを加えて市場の変化を形成したり、強化したりできます。具体的には、CDPの費用対価値についての理解(CDP投資の戦略的価値の増大)、コンポーザブルアーキテクチャに対するアプローチ(より大規模なクライアントのデータアーキテクチャにおける効果的な運用のためにCDPを強化)、AIイネーブルメントの計画(マーケティングにおける新しいAI/MLユースケースの実現に向けてCDPが果たす役割を強化する計画)を評価します。
マーケティング戦略:明確かつ差別化が図られた企業メッセージを、企業内で継続的に共有し、また、ソーシャルメディア、広告、顧客プログラムおよびポジショニングステートメントを通して外部に対して発信していること。具体的には、カスタマージャーニーの様々な段階における市場認知度の現状と、これを高める/確固たるものにする計画、および市場ポジショニングを明確に差別化するメッセージを評価します。
販売戦略:直接および間接販売、マーケティング、サービス、コミュニケーションなど、適切なネットワークを活用した健全な販売戦略のことです。事業展開範囲、専門知識、テクノロジー、サービス、顧客基盤をより強固で幅広いものとするためのパートナーも対象です。具体的には、規模、成熟度、ニーズが異なる顧客向けに販売戦略をどのように適応させているかに加え、専用の販売リソースおよびパートナーネットワークを評価します。
サービス(製品)戦略:市場の差別化、機能性、方法論および機能が現在と将来の要件に合致することを重視する製品開発および製品販売アプローチ。具体的には、製品ロードマップ、実装の成功度、固有の問題/クライアント需要に対応する新しいアプローチについての認識とその開発状況、サードパーティとの統合/エコシステムパートナーシップを評価します。
ビジネスモデル:継続的な成功を達成するための企業のビジネス提案の設計、論理および実行 具体的には、ビジネス全体に対するCDP製品の重要性や、主要なパートナーシップまたはダイベスチャーを評価します。特定の業界、地域、販売モデルに関して、市場化戦略と販売戦略が合致しているかを検証します。また、製品戦略がどのようにビジネスモデルを支えているか、製品ライセンスモデル(例:SaaSとワンタイムライセンス料金など)がターゲット市場にどれほど効果的に対応しているかについても注目します。
業種/業界戦略:様々な業種における垂直市場を含む、個別の市場セグメントに特有なニーズを満たすための資源(販売、製品、開発)、スキルおよび製品を割り当てる戦略。具体的には、垂直市場および業界固有の製品ロードマップ/パートナーシップに関する情報を収集します。
イノベーション:投資、統合、守備的もしくは先制的な行動を目的とした、資源、専門性もしくは資本の直接的、間接的、補完的、および相乗的な配置。具体的には、差別化のためのイノベーションに関する展望、適切なM&Aの調査および実行に加え、特許/商標/独自知財に関する情報、開発計画、および市場に出現しつつある新しいテクノロジーとそれらの計画との整合性を評価します。
地理的戦略:いわゆる「ホーム」である自国・地域以外の場所に特有のニーズを満たすことを目的として、直接的か、あるいはパートナー、チャネルおよび関連会社を通し、その地域および市場に合わせた方法で、資源、スキルおよびサービスを割り当てるプロバイダーの戦略。具体的には、地域固有のパートナーシップによる現地サポートの有無や、様々な地域に特有の顧客ニーズに対応する製品機能に注目します。
| 評価基準 |
重要度 |
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市場の理解
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高
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マーケティング戦略
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低
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販売戦略
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低
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サービス(製品)戦略
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高
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ビジネスモデル
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中
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業種/業界戦略
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中
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イノベーション
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高
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地理的戦略
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低
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出典:Gartner(2025年3月)
クアドラントの説明
リーダー
本マジック・クアドラントの「リーダー」は、大企業の中核的なユースケースに対応可能です。CDPを他から切り離されたものとしてではなく、戦略的な企業投資として検討している、これらのバイヤーのニーズをリーダーはよく理解しています。さらにリーダーは、市場に対する中長期的な視点も明確に持っています。バイヤーはCDPを自社のデータおよび分析ワークベンチの重要なコンポーネントとして、あるいは、より広範な全社規模のデータエコシステムとして捉えています。リーダーには、このようなバイヤーのニーズに適合する製品ビジョンがあります。AIイネーブルメントや、オープンかつコンポーザブルなアーキテクチャに対応する機能を提供することで、費用対価値に関するバイヤーの疑問に応えます。
チャレンジャー
本マジック・クアドラントの「チャレンジャー」は、顧客プロファイル統合のためのデータ管理の調整に優れ、強力な製品機能を有しています。ただし、様々なビジネス部門を横断するユースケースの範囲は限られており、AIイネーブルメント機能はそれほど強力ではありません。AI機能の価値をさらに実証し、CDPにとって重要なエンドユーザーのテクノロジースタックの統合について、より革新的なビジョンを開発する必要があります。データ共有とモジュール性に関してはイノベーションを提供していますが、アプリケーション統合に関しては、さらに強化する余地があります。
概念先行型
本マジック・クアドラントの「概念先行型」は、強力かつ有望なビジョンがあるにも関わらず、実行力に課題があり、クライアントのあらゆるユースケースおよび業種に対し一貫したインパクトを与えることができていません。クラウドデータウェアハウスの統合とデータの活用など、新しい高度な機能によって業界をリードすることを目指しています。
しかし、パッケージングと消費の複雑さに起因して、総所有コストが不明確な場合があり、そのためカスタマーエクスペリエンスの一貫性に影響する可能性があります。ますます複雑化する製品ポートフォリオを活用するクライアント向けに、一貫性のあるデリバリーを十分に実証する必要があります。ロードマップは有望ですが、一部の項目は競合他社とは異なるペースで前進する可能性があります。
特定市場指向型
本マジック・クアドラントの「特定市場指向型」は、大企業のニーズを満たすのに苦戦しています。競争が激しくなるにつれ、不明確な長期計画や、資金調達の難しさなどの課題に直面しています。自社にとって理想的なバイヤー像を把握していない場合が多く、それに応じた製品の調整が困難です。購買担当グループが部門横断的になりつつあるにも関わらず、これらのベンダーは依然としてマーケティングバイヤーに重点を置きすぎていて、販売アプローチの拡大が困難です。他のアプリケーションと統合可能なプラットフォームアプローチを使わずに、付加価値の提供に苦戦しているベンダーが多く、しばしば他のエンタープライズテクノロジーとの重複が見られます。
市場状況
2025年、CDPテクノロジーは企業のデータ戦略上の決定事項となっています。ベンダー各社は、このプラットフォームが提供する戦略的価値に焦点を合わせつつあります。その結果、企業のIT部門は、CDPへの投資をアップストリームの技術系ユーザーにも、ダウンストリームのビジネスユーザーにも必要不可欠なものとみなしています。
これは異常事態です。テクノロジーの購入には常に大規模な購買グループが必要ですが、CDPの場合は、その購買決定が単なるガバナンス上の意思決定ではなく、企業戦略となっています。CDPの購買決定には、経営幹部のほぼ全員の利害が関わっています。2025 Gartner Business Buyer Surveyでは、一般に3部門のうち2部門が、CDP購入の要件や目的に寄与していることが判明しました。これらの部門には、CIO、CTO、CDAO、CMO、CPOの指揮下にある役職と、その他の顧客中心型のグループが含まれます。1
部門横断的な購買グループによる複雑な購買決定という環境の中で、CDPの費用対価値の最適化が、バイヤーにとって最大の関心事となっています。CDPプロバイダーが説得力のある費用対価値の命題を提示できるかどうかが極めて重要です。CDPと類似した機能が企業のCRMエコシステムに広く浸透している現状で、ベンダー各社は、隣接するマーテックソリューション(例:マルチチャネルマーケティングハブ[MMH]、B2Bマーケティング自動化プラットフォーム、パーソナライゼーションエンジン)にも、その他のエンタープライズデータソリューション(例:クラウドデータウェアハウス、マスターデータ管理、アイデンティティおよびアクセス管理)にも、ほぼ間違いなく複数のCDPが存在する環境の中で、価格設定を明確化・合理化する必要に迫られています。
部門横断的な購買グループは、費用対価値に関するナラティブの転換により、CDP投資を正当化しなければなりません。データの自動化と管理についてのストーリーを語る代わりに、顧客データ管理とプロファイル統合の自動化が、どのように収益増に結び付くかを語る必要があります。
そのためには、CDPの2つの新しい特性が役立ちます。コンポーザブルアーキテクチャと、AIイネーブルメントです。クライアントのビジネスケースに対する価値創出を実証するには、プロバイダーはこれらのうち少なくとも1つを満たしている必要があります。
コンポーザブルアーキテクチャ
コンポーザブルアーキテクチャは、モジュール性とデータエコシステムへの接続を提供することにより、ストレージコストと運用コストを削減します。コンポーザブルアーキテクチャへの転換により、企業のテクノロジー戦略が再形成されつつあります。
この状況で、CDPは大規模なクラウドデータプラットフォームとシームレスに統合し、より広範なエコシステムにおける重要なコンポーネントとして機能する必要があります。コンポーザブルアーキテクチャにおけるCDPの役割は、顧客データを統合してインサイトを発見し、様々な企業アプリケーション間の相互作用を促進することです。企業がテクノロジーへのモジュール式アプローチを採用するにつれ、強力な相互運用性や柔軟性を提供するCDPは、購買グループにとってより魅力あるものとなります。
バイヤーはこのようなオープンアーキテクチャ(データエコシステムとも呼ばれる)を求める傾向を強めると予測されます。これらのアーキテクチャは、あらゆるデータおよび分析ワークロードに対応する、1つにまとまったデータ管理環境を企業に提供します。これらは共通のガバナンスおよびメタデータ管理フレームワークと、統一されたアクセス管理を備えています。これらは拡張されたデータ管理機能を、ビジネスユーザーがアクセス可能な一連のサービスと統合します。サードパーティの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)も、データエコシステムに参加します。
バイヤーは、オープンかつコンポーザブルなアーキテクチャにおけるプロバイダーの統合能力を評価する必要があります。これには、既存のクラウドデータプラットフォームおよびその他の企業アプリケーションに対するCDPの統合能力の評価が含まれます。バイヤーは、進化するビジネスニーズに適応できる柔軟かつモジュール式のソリューションを提供するプロバイダーを探す必要があります。また、バイヤーは効率的なデータ利用によるビジネス成果の達成を要求するとともに、経済的価値やROIの計算に役立つレポートをソフトウェア内部で提供できるプロバイダーを探す必要もあります。
AIイネーブルメント
AIイネーブルメントは、データ自動化の規模を拡大し、ビジネスプロセスの自動化を実現します。AIおよび機械学習機能をCDPに組み込むことが、重要な差別化要因になりつつあります。エンタープライズアプリケーションプロバイダーは、製品スタックにCDPを組み込んだ場合、データ自動化によってビジネスの迅速化と成長が実現されると主張することができます。
予測アナリティクスや、様々な顧客タッチポイントに広がる形でパーソナライズされた顧客ジャーニーなど、高度なマーケティングユースケースに対応するAIモデルを運用化できるプロバイダーが、非常な人気を集めるでしょう。この中には、単なるデータアクティベーションを超えた、モデルの微調整やラストマイルのパーソナライゼーションなど、洗練されたAI駆動型プロセスの実現が含まれます。さらに、エージェンティックAIは、かつては顧客対応部門のフロントオフィスユーザー向けの技術的な機能だったものを提供し、自律的な意思決定やカスタマーエクスペリエンスへの措置を提供する可能性があります。
バイヤーは、AIおよびML機能によって自社のユースケースをどのように実現できるかに注目する必要があります。データ管理の改善を望むバイヤーにとって、CDPのAI機能は役立つ可能性があります。ただし、市場進出の成果を望むバイヤーは、CDPに組み込まれたAIにサポートされるダウンストリームのビジネスプロセスの文脈で、CDPの選択を評価する必要があります。
今回の評価では、主に北米と西欧のビジネスユーザー向けに、各ベンダーがマーケティングおよび顧客エクスペリエンスのユースケースに、どのように対応しているかに焦点を当てています。
市場概要
市場の変容が継続
EAPはポートフォリオアプローチを引き続き強調
特にCRMおよびERPの分野で大手のエンタープライズアプリケーションプロバイダー(EAP)各社は、様々なビジネス部門を横断する顧客データの統合におけるCDPの戦略的価値を認識しています。これらのメガベンダーはCDP機能の統合により、ポートフォリオ全体でデータ管理を合理化し、マーケティングだけでなく、販売、カスタマーエクスペリエンス、財務、カスタマーサポート、製品管理においてもデータアクティベーションを促進しています。
この統合によって統合型ソリューションの採用が急速に進み、結果的に市場が統合され、マルチCDPバイヤーの数が減少しています。より広範なCRMマーケティングソフトウェア市場では、上位5社のベンダー(Salesforce、Adobe、Epsilon、HubSpot、Constant Contact)が44.4%のシェアを獲得しています。(Market Share Analysis: CRM Marketing and Cross-CRM Software, Worldwide, 2023を参照。) その結果、よく知られた生存能力の高いプロバイダーのミックスで市場が統合されつつあり、各ベンダーの商業的な成功度は、本マジック・クアドラントにおける位置とは無関係になっています。
顧客データストレージの一元化が誘発するデータ共有とフェデレーションにおけるイノベーション
2028年には、データファブリックとGenAIによって実現されるデータエコシステムという1つの市場に収束するとGartnerでは予測しています。その結果、テクノロジーの複雑性が低下します。企業はすでにデータストレージと管理を一元化しつつあります。このトレンドは、EAPだけでなく、Snowflake、AWS、Googleなどのデータインフラプロバイダーにとっても有利なものです。その背景には、ファーストパーティのマーケティングデータのみならず、様々な顧客タッチポイントで入手するインテリジェンス駆動のインサイトも含めて、あらゆる顧客データを統合したいという企業の要望があります。
CDPベンダー各社は、ゼロコピーやゼロETLアプローチなど、データ共有におけるイノベーションを新たな焦点としています。ユーザーはこれらの手法によってデータの複製を回避できます。データが元の場所に残され、データの移動コストが最小化または排除されます。データウェアハウスとアプリケーション(この場合はCDP)との間におけるデータ管理の複雑性を減らすことをユーザーは望んでいます。ベンダーはこのような運用アプローチに適した代替の価格モデルを追求していますが、バイヤーとしては、プロファイルベースの価格設定とは対照的に、思いやりのあるコンピュート費用で安心感を得る必要があります。
バイヤーはCDPが、すべての主要ベンダー(AWS、Microsoft、Databricks、Google、Snowflake)へのデータウェアハウスアクセスに対応することを当然のように期待しています。バイヤーは複数のプラットフォームを利用している場合が多いため、これらのウェアハウス全部との統合をサポートできるベンダーであることが、急速にこの市場で最低限必要な条件になりつつあります。
コンポーザブルCDPの価値命題が定着
柔軟性と費用効果に対するニーズに応えて、一部の独立系CDPが、個別のデータウェアハウス投資を補完するモジュール式の導入オプションを発表しています(例:ActionIQ、Redpoint)。これらのコンポーザブルCDPは、クラウドデータウェアハウスのストレージとコンピュート機能に、従来型CDPのプロファイル管理とアクティベーション機能を組み合わせたソリューションを提供します。このアプローチは、冗長なデータサイロを削減し、ビジネスユーザーと技術系ユーザーの両方に役立つことから、成熟したデータエンジニアリングおよびデータサイエンス部門のある企業にとっては特に魅力的です。
ビジネスユーザーによるCDPの利用は引き続き限定的
CDPの戦略的な重要性にも関わらず、ビジネスユーザーによるCDPの利用率は依然として低く、よく利用していると回答したマーケターはわずか22%です。マーケターはパーソナライゼーションエンジン、アカウントベースのマーケティングプラットフォーム、マーケティング自動化プラットフォーム、マルチチャネルマーケティングハブなど、CDP以外のソリューションに頼ってタスクを実行しています。CDPは、マーケティング業務における主要なツールというより、イネーブリングテクノロジーの役割を担っています。そのため、ジャーニーオーケストレーションやデマンドジェネレーションなど、既存のマーケティングワークフローにCDPの機能が埋め込まれ、フロントオフィス用ワークフローにおけるCDPの有用性が強化されています。
変容による市場統合の促進
まとめると、こうした変容によってエンタープライズアプリケーションベンダーを除いては、市場統合の勢いが増す結果となりました。2024年の後半、UniphoreがActionIQの買収を発表しました。それに続いて、2025年の初頭にはContentstack(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)がLyticsとRokt(デジタルコマース技術)の買収、およびmParticleとの合併を発表しました。
さらに、既存のベンダー各社は製品やサービスの多様化に努めています。BlueConicによるJebbit(ファーストパーティデータの収集を目的とするインタラクティブコンテンツの作成用プラットフォーム)の買収は、その例です。このような株式の移転が急速に進めば、未公開株式が今後の市場統合に多大な影響を及ぼし、競合状況が大きく変わると予測されます。
カスタマーデータプラットフォームの遍在性
CDPは、スタンドアロンのパッケージ型ソリューションからなる独立した技術カテゴリーです。しかしCDPは、すべての顧客対応部門における(取り込み、プロファイル統合、アクティベーションなどの機能を通じた)顧客データの管理方法の基準を設定します。
ただし、隣接するマーテック(およびエンタープライズテック)で顧客データを処理するための機能が必要だったことから、これらの隣接カテゴリーのほとんどのベンダーが、CDPと類似した機能を製品に組み込んでいます。この傾向は、マルチチャネルマーケティングハブ(MMH)、マーケティング自動化プラットフォーム(MAP)、パーソナライゼーションエンジン(PE)、顧客関係管理(CRM)ツールの進化から見て取れます。これらのツールは、付属ライセンスとして、あるいは組み込みの機能として、CDP機能を統合するケースが増えています。顧客対応エクスペリエンスを作成する企業向けテクノロジーにおいて、CDPはほとんどユビキタスになっています。
このトレンドは、バッチおよびストリーミング分析と連続的なプロファイル統合プロセスを組み合わせた、データ管理における統一されたアプローチへの広範囲の転換を反映しています。この場合、CDP機能は、製品のコア部分を根本的に変えることなく、既存のテクノロジーを強化するためのより新しい、総合的な機能を提供します。マーテックの文脈では、CDPに類似したアーキテクチャの採用が、競争力のあるマーテック製品を構築するうえでの事実上の標準となっています。
それと同時に、エンタープライズデータ管理のリーダー各社は、断片化したデータ管理ソリューションの市場に自社の戦略を適応させる必要性に気づき始めています。このようなソリューションには、スタンドアロン製品(例:データ統合、メタデータ管理、マスターデータ管理)、ポイントソリューション(例:データウェアハウス、データ仮想化、リバースETL)、および隣接市場(例:アナリティクスおよびBIプラットフォーム、アプリ統合、データサイエンスおよびMLプラットフォーム)があります。データファブリック機能のイノベーション、マルチモーダルな持続性における統合(例:レイクハウス、グラフストア、ウェアハウスなど)、データ管理プラットフォームを統一するデータエコシステムの出現により、収束したデータ管理市場でデータの再利用性が向上すると予測されます。
データエコシステムの構成要素間における成熟レベルの不均等性により、エンドユーザー向けに完全に実現されるのは、10年以上先の話かもしれません。バイヤーはCDPを顧客データ管理エコシステムの不可欠な構成要素とみなす必要がありますが、これらの今後の需要について長期的な視野から計画するのは困難です。2024 Gartner Technical Architect Surveyによると、テクニカルアーキテクトの意思決定を難しくする最大の要因は、変化のペースが速まっていることです。2 この理由から、顧客データエコシステムの強みや統合力を高める能力と可用性を備えたベンダーを選択することの重要性が明らかになります。
複数のプラットフォームに広がるCDP機能の拡散は、コストや冗長性に関する懸念を引き起こします。ベンダー各社はこの問題に対処するため、プラットフォーム利用(例:セグメントのアクティベーション、リアルタイムのデータ処理、計算された属性生産)に基づく課金に焦点を合わせた消費量ベースの価格モデルを探査しつつ、コンポーザブルアーキテクチャを追求しています。これらは両方とも、エンドユーザーがデータ管理を能率化しながらリソース配分を最適化するのに役立つ可能性のあるソリューションです。
データストレージの複製から、コンピュート駆動の価値創出に焦点をシフトすることにより、ベンダー各社はクライアントの戦略目標に製品をより正しく合致させることができます。このアプローチは不要なコストを削減するだけでなく、マルチチャネルでマーケティング成果を促進する機能に投資を集中させることにより、MMHなどの隣接するソリューションの競争力も高めます。
このようにコンポーズされたマーテックスタックの概念は今後、モジュール式のマーテックライセンスを強調することにより、予算配分も最適化できることを示唆しています。そのパラダイムで、企業はデータレイクから導き出す価値を最大化し、より効率的かつ効果的な顧客エンゲージメント戦略を実現できます。市場が進化を続けるにつれ、これらの原則を受け入れるベンダーは、相互接続の度合いが高まりつつあるデータエコシステムで有利な地位を築くと予測されます。
アップストリームのビジネス価値向上に向けてAIが担う役割を優先
2024年、AIはCDP市場を含むすべての技術カテゴリーで著しく勢いを増しました。本リサーチの対象となったベンダーの半数以上が、自社の最も重要なイノベーションはAI機能の開発に関連していると主張しています。最近の展開としては、UniphoreによるActionIQの買収(会話AIプラットフォーム)、BlueConicのLLM セグメンテーション、SalesforceによるAgentforceの発表があります。
CDPにおけるAI機能の開発という必須課題を支える3つの重要なトレンドは、以下の通りです。
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多様な購買グループ:現在、CDPの購入プロセスに複数のステークホルダーが関与するようになっています。2025 Gartner Business Buyer Surveyによると、CDP購入資金を拠出するグループの数は平均5であり、そのうち一般に2~3グループが要件や目標について意見を出しています1
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部門横断的なCDPユーザー:CDPのユーザー基盤は、様々なビジネス部門に広がっています。ベンダーによると、主要なユーザーの内訳はマーケティング部門が平均で30%(例:マーケティングテクノロジー責任者、デジタルマーケター、キャンペーン管理者)、IT部門が30%(例:データアーキテクト、エンジニア、IT責任者)です。その他に約20%のユーザーが、カスタマーサービス、販売、ガバナンス、リスクマネジメント等のカスタマーエクスペリエンス役職者です。
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エンタープライズハブとしてのCDP:購買グループとユーザー構成におけるこのような多様化は、極めて重要な時期に発生しています。CDPは、顧客データを管理してカスタマーエクスペリエンスを向上させるための中央ハブになろうとしています。その目的は、AIの統合により、データの実用性を高め、技術系ユーザーと非技術系ユーザーの両方にとってインサイトをアクセスしやすくすることです。
ベンダー各社は、これらのAIイノベーションがどのように業績向上につながるかをクライアントが示せるよう支援することに注力しなければなりません。これは難しいことです。パーソナライゼーション、ターゲティング、意思決定における改善は、市場進出活動やマーケティングキャンペーンのROIを高める可能性がありますが、そのインパクトは相対的に小さく、部門横断的なグループのステークホルダー向けに変換するのは困難でしょう。
また、ワークフローの最適化や非技術系ユーザー向けのアクセシビリティの改善は有望ですが、これらはリソース調達に影響し、最上位のビジネスインパクト指標に容易に変換できるものではありません。企業は手持ちのデータがAIレディかどうか、特定のAIユースケースに対するデータの適合性を証明できるかどうかを判断する必要があります。その上さらに、AIレディなデータがなければ、AIの効果を最大化するのに苦労することになります。ベンダーのAIイノベーションは、インパクトが限定的になるリスクがあります。
AIによってどれほど業績が向上するかを示すには、CDPバイヤーは、その成果をCDPの上位にあるビジネスアプリケーションとペアにする必要があります。それによって、より広範なデータエコシステムの構成要素としてのCDPの役割が明らかになります。たとえば、AI駆動の顧客データ管理によって、データのクレンジングやエンリッチメントなどの定型的なタスクが自動化され、データ品質が向上し、データの準備が迅速化するとともに、データエンジニアリングチームの負担が減る可能性があります。
しかし、ビジネス部門がインパクトを示すには、データ自動化の価値を利益、収益性、マーケットシェアなどの指標に変換する必要があります。このことは、AIイネーブルメントという必須課題をさらに前進させることにもなります。バイヤーはベンダーに対し、エージェンティックAI機能を進化させ、最低限の監督下でシステムが自律的に行動し、コンテンツに適応して目標を実行しながら、これらのイノベーションが企業の価値創出に結び付くようにすることを、さらに要求する可能性があります。
すでに時代遅れのRFPを刷新
市場の力学が急速に進化する状況の中で、RFPの多くは、最新の機能や価格に関する検討事項を反映したものではなくなっています。ベンダーの大部分が、CDPに関して消費量ベースの価格モデルに移行しつつあります。消費量ベースの価格モデルとは、従量制、使用料金制、トランザクションベース、クレジットベースなど、柔軟性の度合いが異なる様々なモデルを意味します。この用語について業界標準はありません。これらのモデルは柔軟性を売り物としているにも関わらず、前払いの複数年コミットメントを必要とする場合が少なくありません。
消費量ベース価格モデルのCDPを購入するバイヤーは、社内のIT部門と協力し、こうした価格モデルに対する企業の欲求やニーズを評価するとともに、ビジネスステークホルダーの現在および今後の優先事項を事前に把握する必要があります。
CFOが予算の予測性を重視する場合が多いことを考慮して、バイヤーは消費量ベース価格によってもたらされる柔軟性を正当化する強力なビジネスケースを作成し、消費量とコストに関する一連の予測値を示す必要があります。提出に先立って、ソフトウェア資産管理(SAM)またはクラウド/SaaS財務管理ツールを利用してCDP使用量を測定または追跡するか、そうでなければCDPベンダー自身の測定ツールを要求します。
このようなツールを提供しているCDPベンダーは、今のところごく少数ですが、POCの段階における重要なコンポーネントです。
ベンダー候補から情報を入手する際は、
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季節などによる需要の変動がある企業は特に、消費量ベースの価格設定オプションを求めます。
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スケールメリットを活用するため、大量に消費するほど有利な階層型の価格設定が契約に含まれていることを確認し、超過額については妥当な割引を交渉して過剰請求を回避します。
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複数年契約の全体的なクレジット量を集計し、年ごとに「使わなければ無駄になる」シナリオを回避します。
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クレジット単位のコストとクレジット消費期間を明記した価格契約を確保し、CDPベンダー製品の変化から防御します。
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1年または3年の詳細な需要予測を作成し、コストモデリングおよびCDPプロバイダーとの交渉における指針とします。
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需要管理と使用量制御のための強力な対策を実施し、消費量ベースの価格設定を効果的に管理します。本リサーチでもmParticleなどのベンダーは、CDPを過剰購入するリスクを軽減するため、バイヤーがクレジットを期間ごとに、さらには更新時に繰り越すことのできる柔軟な消費量モデルを採用しています。
バイヤーは従来のRFPに捉われない思考により、ベンダー候補から重要な情報を入手する方法を変更する必要があります。RFPを利用したベンダー選定は、完了までに4~6ヵ月かかる場合があります。企業が競争力を保つために最新のテクノロジーや消費者トレンドに適応するスピードに、もはや従来のRFPでは追い付くことはできません。バイヤーはPOCプロセスを採用する必要があります。このプロセスを通じて、CDPベンダーのソリューションが企業のニーズや目標に最適であること、ユースケースの特定と優先度付け、消費量および関連コストの予測に役立つことを実証するようベンダーに要求します。
ベンダーの主張を検証するとともに、潜在的な問題を発見するため、POCプロセス用のユースケースを明確に定義することが重要です。POCを要求する時点で、目標、システム要件、サポートレベル、スケジュール、機密保持に関する合意、料金、解除条項、期待される成果を詳細に記した依頼書を提出します。これにより、急速に変化する市場の中で、CDPソリューションの候補を総合的に評価することができます。
1 2025 Gartner Business Buyer Survey. 本調査は、企業の部門別ビジネスユニット(顧客サービス、財務、人事、マーケティング、販売、サプライチェーン管理)が、それぞれのビジネス機能に対応する大規模なソフトウェア購買に対し、どのようにアプローチしているか理解することを目的とします。2024年10月から12月にかけて、年間収益5,000万ドル以上の北米(36%)、西欧(32%)、アジア太平洋(19%)、南欧(13%)の企業に所属する3,068人の回答者を対象に調査を実施しました。調査の対象となった業種は、教育機関、エネルギー、金融サービス、官公庁、医療、医療保険、テクノロジー、通信、保険、製造、天然資源、小売、運輸、公共事業です。対象となった回答者は、2023年または2024年に、それぞれの部門別ビジネスユニットにおいて最もインパクトの大きいソフトウェア機能の購買プロセスに積極的に関与したマネージャーレベル以上の役職者です。ソフトウェアの購買は、新規、買い替え、買い増しのいずれかです。免責条項:本調査の結果は、グローバルな知見や市場全体を表現したものではなく、回答者と調査対象企業のセンチメントを反映したものです。
2 2024 Gartner Technical Architect Survey. 本調査では、アーキテクチャに関する意思決定を行う企業の能力に対するテクニカルアーキテクトの懸念事項と、これらの意思決定に用いられるリソースについて調査しました。また、企業の内部に存在するアーキテクチャ関連の役職、一定のテクノロジーの実装に用いられるスキル、および情報収集に用いられるリソースについても調査しました。さらに、企業の内部における民主化およびガバナンスについても調査しました。本調査は、2024年6月5~30日、Gartnerクライアントである技術専門家1,118人を対象にオンラインで実施しました。回答者の国別内訳は、北米(n = 613)、EMEA(n = 396)、アジア太平洋地域(n = 78)、中南米(n = 31)です。回答者が所属する企業の業種および収益規模は様々です。回答者は企業のITスタッフまたはIT部門に所属する人で、一定の役職基準を満たしていることを条件としました。免責条項:本調査の結果は、グローバルな知見や市場全体を表現したものではなく、回答者と調査対象企業のセンチメントを反映したものです。
実行能力
製品/サービス:ベンダーが特定の市場に向けて提供する主要な製品およびサービス。ネイティブで提供されるか、OEM契約およびパートナーシップによって提供されるかにかかわらず、前述の市場定義で定義し、小項目で説明したように、現在の製品およびサービスの能力、品質、機能群、スキル等が含まれます。
企業としての全体的な存続性:存続性には、総合的な企業の財務状況、事業部門の財務上および実務上の成功、そして、個々の事業部門が製品に対して継続的に投資していく可能性、継続的に製品を提供していく可能性、ならびに、組織の製品ポートフォリオを最先端のものに改善していく可能性に対する評価が含まれます。
販売実行能力/価格設定:販売前の活動におけるベンダーの能力および活動をサポートする体制。これには、取引管理、価格設定および交渉、販売に関する事前サポート、ならびに販売チャネルの全体的な有効性が含まれます。
市場対応力/実績:ビジネス機会の出現、競合他社の動き、顧客のニーズ変化、および市場ダイナミクスの変化に対して反応し、方向性を変え、柔軟に対応し、優位な成果を獲得する能力。この基準では、ベンダーの過去の対応実績についても考慮します。
マーケティングの実行能力:企業のメッセージを伝えるために立案されたプログラムの明瞭さ、質の高さ、創造性および有効性。これらは、市場に影響を与え、ブランドや事業を推進し、製品の知名度を向上させるとともに、製品/ブランドおよび企業に対するポジティブな印象を購入者に植え付けることを目的としています。この「マインドシェア」は、知名度、販売促進活動、ソート・リーダーシップ、口コミ、および販売活動が一体となって促進されます。
カスタマーエクスペリエンス:評価対象の製品に対する満足をもたらすための顧客との信頼関係、製品、サービスおよびプログラム。具体的には、これには顧客が受ける技術サポートやアカウントサポートの体制が含まれます。また、補助的なツール、顧客サポート・プログラム(およびその品質)、ユーザー・グループの有無、サービス品質保証なども含まれます。
運用:目標やコミットメントの達成に向けた企業の能力。この要素としては、企業構造の特性が挙げられます。企業が効果的かつ効率的に事業運営を継続するために必要なスキル、経験、プログラム、システムおよびその他の手段が含まれます。
ビジョンの完全性
市場の理解:購入者の要望やニーズを理解し、その理解を製品やサービスに反映させるベンダーの能力。高水準のビジョンを示すベンダーは、購入者の要望やニーズに耳を傾けて理解し、その要望やニーズを形にし、また、新たなビジョンを加えて、さらに発展させることができます。
マーケティング戦略:明確かつ差別化された企業メッセージを組織全体で一貫して共有し、またWebサイト、広告、顧客プログラムおよびポジショニングステートメントを介して外部に向けて発信すること。
販売戦略:市場へのリーチの範囲と深さ、スキル、専門性、技術、サービスおよび顧客基盤をより幅広く、強固にするため、直接販売および間接販売、マーケティング、サービスおよびコミュニケーションアフィリエイトなどのネットワークを効果的に利用する製品販売戦略。
サービス(製品)戦略:現在と将来の課題を明確にすると同時に、他社との違い、機能性、方法論および機能群に重点を置いた、ベンダーによる製品開発および製品販売のアプローチ。
ビジネスモデル:ベンダーの基本的なビジネス提案における健全性および論理性。
業種/業界戦略:垂直市場など、個別の市場区分が抱える特定のニーズを満たすことを目的として、資源、スキルおよびサービスを割り当てるベンダーの戦略。
イノベーション:投資、統合、守備的もしくは先制的な行動を目的とした、リソース、専門性または技能もしくは資本の直接的、間接的、補完的、および相乗的な配置。
地理的戦略:「本拠地」である自国・地域以外の場所に特有のニーズを満たすことを目的として、直接的に、またはパートナー、チャネル、関連会社を通し、その地域および市場に合わせた方法で、資源、スキルおよびサービスを割り当てるベンダーの戦略。