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バックアップおよびデータ保護プラットフォームのマジック・クアドラント

2025年6月24日 - ID G00824107 - 通読時間47分
執筆者:Michael Hoeck、Jason Donham、Rene Rodriguez、Rizvan Hussain、Sankalp Rastogi
バックアップおよびデータ保護プラットフォームのベンダー各社は、バックアップ用の製品・サービスを継続的に機能拡張し、マルチクラウド、SaaS、データセンター環境に広がるエンタープライズデータ保護の改善に努めています。I&O担当のリーダーは、本リサーチを利用して、エンタープライズデータ保護に関する自社のニーズに適したベンダーを特定・選択する必要があります。

戦略計画の前提条件


  • 2029年までに、企業の75%がオンプレミスとクラウドインフラのデータバックアップとリカバリに共通のソリューションを使用する見込みです。これは、2025年の25%からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、企業の80%がSaaSアプリケーションのバックアップを重要な要件として優先する見込みです。これは2025年の20%からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、バックアップおよびデータ保護プラットフォーム製品の95%に、サイバー脅威を検出・識別する埋め込み技術が搭載される見込みです。これは、2025年の55%未満からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、大規模企業の85%が、クラウドとオンプレミスのワークロードをバックアップする目的で、顧客管理型のデプロイメントとともに、BaaS (backup as a service) を採用する見込みです。これは、2025年の25%からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、バックアップおよびデータ保護プラットフォーム製品の90%が、管理およびサポートを改善するために生成AI (GenAI) を統合する見込みです。これは、2025年の25%未満からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、企業の35%がエージェンティックAI機能を実装して自律型バックアップを実行する見込みです。これは、2025年の2%未満からの大幅な増加を示しています。
  • 2029年までに、企業の30%が分析や推論のデータソースとして、バックアップコピーを統合する見込みです。これは、2025年の5%未満からの大幅な増加を示しています。

市場定義/説明


Gartnerが定義するバックアップおよびデータ保護プラットフォームとは、複数のデータ損失シナリオからの復旧を目的として、企業データのポイントインタイムコピーを取得し、データ保護の取り組みを強化するとともに、データへのインサイトとアクセス能力を拡張する技術を指します。これらの技術は、ハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境における企業データ、アプリケーション、インフラを保護します。バックアップおよびデータ保護プラットフォームには、ソフトウェアのみ、統合型アプライアンス、およびベンダーが開発しホスティングするサービスとしてのバックアップ(BaaS)があります。
基盤となるインフラの種類や場所を問わず、企業におけるアプリケーションデータの保護と復旧は、かつてないほど重要になっています。企業を取り巻く環境が複雑化する状況の中で、バックアップおよびデータ保護プラットフォームソリューションは、ハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境のどれに存在するかを問わず、企業データを保護します。
これらのソリューションは、データへのアクセスが不能になるようなイベントが起きた場合、データを復旧する上で不可欠です。このようなイベントが偶発的なものであっても、ハードウェア/ソフトウェア障害、運用エラー、悪意ある攻撃、または自然災害に起因するものであっても、企業はこれらのソリューションを使用して、影響を受けたデータの正確かつ効率的な復旧とアクセスの回復を高い信頼性で実行しています。
これらのソリューションは、複雑化・多様化しつつあるエンタープライズ環境全体でデータ保護を簡素化するための、効果的な機能を提供する必要があります。その中には、従来型の災害とサイバーイベントの両方について、復旧レスポンスをテスト、促進、オーケストレーションする機能が含まれます。
また、従来の復旧ユースケースの範囲を超えて、プラットフォームにコピーされるデータから、より大きいビジネス価値を引き出す必要もあります。データ保護の強化とインフラの統合、データインサイトおよびアクセスの拡張など、データ駆動型のイネーブルメントを焦点とするユースケースも対象となります。
拡張された保護機能としては、アプリケーションディスカバリー、強化されたサイバーリカバリーレディネス機能、災害およびサイバーリカバリーのテストおよびプロセスのオーケストレーション、データディスカバリーおよびアクセス追跡があります。統合は、ネットワーキング、ストレージ、セキュリティなど、他のインフラや運用プラットフォームとの双方向の運用インサイトまで範囲が広がっています。
データインサイトとアクセス機能によって、ベンダーソリューションはバックアップ管理者以外の新しいペルソナにも、データを提示できます。新しいペルソナとしては、セキュリティ、DevOps、データ/アナリティクスなどの追加的なITペルソナのほか、コンプライアンスや法務など他のビジネスユーザーが含まれます。

必須の機能

  • ハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境にわたる、データとシステムのバックアップ:
    • ハイブリッドには、オンプレミスおよびパブリッククラウドインフラのサポートが含まれます。ハイブリッドの要件には、オペレーティングシステム、ハイパーバイザー、ファイル、データベース、仮想マシン、アプリケーションの保護が含まれます。
    • マルチクラウドおよびSaaSの要件には、2つ以上のパブリッククラウドサービスプロバイダー環境におけるサービスとしてのインフラ(IaaS)と、2つ以上の主要なSaaSアプリケーション(Microsoft 365、Salesforce、Google Workspaceなど)の保護が含まれます。
  • 運用エラー、システムやアプリケーションの故障、誤操作、自然災害、サイバー攻撃などの、あらゆる障害やデータ損失のシナリオからデータとシステムを復旧します。これには、回復ポイント目標 (RPOs)、回復時間目標 (RTOs)、レジリエンス、データライフサイクル、およびコンプライアンスに関する、企業のビジネス要件への対応をサポートするための、バックアップおよびデータ管理ポリシーを実施する機能が求められます。
  • 変更不可能なバックアップストレージターゲットとの統合、またはベンダーから提供される変更不可能なストレージが必要です。
  • ベンダー開発またはサードパーティ統合による、バックアップ後の異常/エントロピー検出などのサイバーリカバリーレディネス機能。
  • ハイブリッドおよびマルチクラウド環境全体にわたる、分散型バックアップソリューションインフラを管理するための集中型コンソール。

一般的な機能

  • Amazon Relational Database Service(RDS)、Google Bigtable、Microsoft Azure SQLなど、クラウドプロバイダーのサービスとしてのプラットフォーム(PaaS)アプリケーションにおけるミッションクリティカルなデータのネイティブクラウドまたはエージェントレス統合による保護
  • Atlassian Jira、Microsoft Entra ID、ServiceNow、Slack、WorkdayなどのSaaSアプリケーションにおけるミッションクリティカルなデータの保護
  • 追加ワークロードの保護、ならびにユースケース(エッジ/リモート支店サイト、エンドポイントおよび大規模言語モデル (LLM) インフラおよびデータなど)のサポート
  • アプリケーションコンポーネント、依存関係、データ保護ステータスを特定し、アプリケーションのバックアップおよび復旧を実行するための、オンプレミスおよびクラウドアプリケーションのアプリケーションディスカバリー機能
  • 複雑な分散型環境の管理とオーケストレーションのための、ベンダーホスト型のSaaSベースのコントロールプレーン
  • ベンダーホスト型のBaaSを使用して、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境向けのバックアップと復旧サービスを提供
  • 生成AI機能を使用して、管理を簡素化し、サポートサービスを向上させ、バックアップと復旧の手順を迅速化
  • 多要素認証、ロールベースのアクセス制御、複数人による変更の検証、特権アクセス管理ソリューションとの統合、セキュリティ情報およびイベント管理 (SIEM)、セキュリティオーケストレーション、自動化と応答 (SOAR) 統合、高度なセキュリティレポートおよびログ記録などの強化されたセキュリティ機能
  • ソリューション設計全体へのゼロトラスト原則の適用、最高レベルのセキュリティとデータ完全性を確保するためのアーキテクチャおよび導入プラクティス
  • ベンダー開発またはサードパーティ統合によるリアルタイムの異常/エントロピーの検出、バックアップ後またはオンデマンドのマルウェアおよびシグネチャベースの検出、変更不可能なデータ保管庫および隔離された復旧環境の提供など、サイバーリカバリーに対応する強化された機能
  • 災害およびサイバーリカバリーのテストやプロセスのオーケストレーション
  • データ保護、コンプライアンス、コピーデータ管理、テストおよび開発要件に対応する、拡張されたプラットフォームユースケースのサポート
  • データの分類、機密データのスキャン、検索、調査、ビジネスインテリジェンス、検索拡張生成(RAG)、その他のAPI検索など、拡張されたバックアップデータインサイトおよびアクセス機能のサポート
  • セキュリティ、法務、コンプライアンス、データ、分析など、バックアップ管理チーム以外のペルソナにバックアップデータのアクセスを提供する、ロールベースのアクセス制御

マジック クアドラント


図1:バックアップおよびデータ保護プラットフォームのマジック・クアドラント

The Magic Quadrant for Backup and Data Protection Platforms shows 12 providers positioned in a scatterplot with the x-axis rating their Completeness of Vision and the y-axis rating Ability to Execute. This chart is split into quadrants with the top right labeled as Leaders, top left as Challengers, bottom left as Niche Players and bottom right as Visionaries. As of April 2025, the Leaders are Cohesity, Commvault, Dell Technologies, Druva, Rubrik and Veeam; the Challenger is Huawei; the Visionaries are HYCU and IBM; and the Niche Players are Arcserve, OpenText and Unitrends.
ベンダーの強みと注意点
Arcserve

Arcserveは、このマジック・クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。Arcserveのバックアップおよびデータ保護ポートフォリオには、Arcserve Unified Data Protection(UDP)、Arcserve Backup、Arcserve 10000シリーズアプライアンス、Arcserve UDP Cloud Hybrid、Arcserve SaaS Backupが含まれます。Arcserveの事業展開は地理的に多様化しており、顧客のほとんどはミッドマーケット(中堅企業向け市場)のセグメントに属しています。Arcserveは今回の評価期間中、UDP 10および10.1をリリースし、災害復旧テスト、オンデマンドのクラウドへのバーチャルスタンバイ、同時レプリケーションに対応するAssured Securityを追加しました。また、改善されたRTOとRPO、マルウェア検出、インライン暗号化、自動災害復旧テストを提供する10Kアプライアンスにより、ハードウェアアプライアンスを刷新しました。さらにArcserveは、マネージドクラウドストレージであるArcserve Cloud Storageと、バックアップ用のソフトウェア定義ストレージターゲットであるArcserve Cyber Resilient Storageも発表しています。
強み
  • 柔軟な価格設定オプション:Arcserveは、永久ライセンスと期間ベースのサブスクリプションライセンスのどちらかを顧客が選択できるようにしています。また、価格モデルに対するバイヤーの多様なニーズを満たすため、フロントエンドテラバイト、ソケット、仮想マシンなど、複数のメトリックを用意しています。
  • 製品投資のリニューアル:Arcserveは今回の調査期間中、UDPソフトウェアの更新バージョン、刷新されたUDPアプライアンスシリーズ、災害復旧テストプラットフォームなど、新製品および新機能の発表サイクルを改善しています。
  • ソフトウェア定義のイミュータブル(変更不可能)ストレージ:Arcserveは、オンプレミスとクラウドのストレージオプションを選択できる、UDPオファリング用のソフトウェア定義バックアップストレージターゲット、Cyber Resilient Storageを発表しました。これは、ベアメタルインストール用のISOとして、仮想マシンとして、Arcserveが管理するクラウド内で導入可能な統合型のイミュータブルストレージ機能を提供します。
注意点
  • 大企業向けの調整が不十分:Arcserveは中規模企業市場に重点を置いており、マネージドサービスプロバイダー経由でのソリューション提供が増えていることから、同社の成長イニシアティブおよび製品戦略は、大企業アカウントへの適合性に欠ける傾向があります。
  • クラウドバックアップへの注力が限定的:Arcserveの製品ポートフォリオは、SaaSアプリケーションの保護以外では、マルチクラウドのサポートやネイティブクラウドの統合が限定的であり、エージェントの使用が必須です。同社のソフトウェア、ソフトウェア定義バックアップストレージおよびアプライアンスは、オンプレミスのユースケースが主なターゲットであり、クラウドストレージの統合はバックアップターゲットとして提供されています。
  • AIの活用なし:Arcserveの現在のポートフォリオおよび短期の製品ロードマップでは、ランサムウェア異常検出、高度なサイバーリカバリー、GenAIを活用した管理とサポートなどの分野で、AIが実装されていません。
Cohesity

Cohesityは、このマジック・クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社のDataProtectおよびNetBackupポートフォリオは、オンプレミスとクラウドの両方で顧客管理型の導入が可能なほか、as-a-serviceとしても利用可能です。Cohesityは、様々な地域で事業を展開しています。同社の顧客は、上位の中規模企業から超大企業まで幅広く存在します。今回の評価期間中、Cohesityは、ポスト量子暗号、Sheltered Harbor認定、ハッシュベースの脅威ハンティング、不審なポリシーおよびログイン変更に関するリスクエンジン監視などの機能を含むNetBackup 11を発表しました。さらに同社はNetBackup復旧オーケストレーションを拡張し、スケジュール設定されたリハーサル、クラウド/リージョン間の復旧、自動的な復旧ポイントの提案を提供しています。同社はDataProtectを拡張し、変更不可能なクラウドバックアップ、改善された脅威検出、コネクターエージェントとCohesity Gaiaを使用したCouchbase NoSQLのサポートを追加するとともに、新しいデータソースとファイルタイプ、トピックビジュアライザー、応答時間の短縮を追加しています。また、CohesityはDataProtect as a Serviceを更新し、Microsoft Entra IDのサポート、Microsoft 365グループの復旧、Microsoft 365 Backup Storageの統合を導入するとともに、Heliosコントロールプレーンのセルフマネージド型の導入オプションを追加しました。
2024年12月、CohesityはVeritasのエンタープライズデータ保護ポートフォリオを自社の事業に統合するための取引を完了しました。Cohesityは現在、NetBackupおよびAlta Data Protection製品ラインを包含しています。
強み
  • 包括的な製品ポートフォリオ:VeritasのNetBackupおよびAlta Data Protectionの追加により、Cohesityは複雑な企業エコシステムに対応する幅広い技術的専門性および製品機能を備えると同時に、オンプレミス、マルチクラウド、SaaSを含む包括的なワークロード対象範囲を提供するようになりました。
  • 広い対象地域:Veritasのデータ保護ポートフォリオおよび広範な世界規模のインフラとサポートチームの買収により、Cohesityは現在、Veritasが開拓したグローバル市場にリーチ可能です。
  • 強化されたサイバーインシデント対応サービス:CohesityのCyber Event Response Team(CERT)サービスは、サイバーイベント発生時の対応と復旧を支援するインシデント対応(IR)サービスを提供します。CERTは、MandiantやPalo Alto Networksなど、業界をリードするサードパーティプロバイダーとの提携によりインシデント対応能力を補強しています。
注意点
  • 合併後の製品の重複:CohesityによるNetBackupの買収は、製品ラインの統合のためリソース不足を引き起こす可能性があり、ポートフォリオ全体で製品開発に遅れが生じるかもしれません。NetBackupおよびAlta Data ProtectionのポートフォリオとCohesity製品が統合される結果、製品や機能が重複します。
  • 価格設定と値引きの非一貫性:一部の顧客が、Cohesityの価格基準と値引きについて疑問を呈しています。Cohesityのソリューションは、直接的な競合他社と比べて、交渉の初期段階で割高な場合が多いからです。
  • クラウドアプリケーションインフラの復旧が限定的:Cohesityは、コードとしてのインフラ(IaC)導入およびクラウド構成のためのフルスタックのアプリケーション/インフラ復旧機能が限定的です。そのため、大規模な復旧シナリオでは、復旧がより複雑になります。
Commvault

Commvaultは、このマジック・クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。Commvault Cloudプラットフォームは、オンプレミスやクラウド/SaaSベースのワークロードに対して、データ保護、リスク分析、サイバーリカバリのソリューションを提供しています。Commvaultの事業展開は地理的に多様であり、顧客は大企業の傾向があります。Commvaultは今回の評価期間中、Microsoft Active Directoryフォレストレベルの復旧サポート、Cloud Rewind、Clumio Backtrack、改善されたCleanroom Recoveryサイバーレジリエンス動作、Air Gap ProtectオファリングへのAmazon Web Services(AWS)ストレージのサポート追加を発表しました。Commvaultはさらに、Commvault Cloud Threat ScanおよびCommand Center for Oracle and SAP HANAの機能拡張のほか、CrowdStrike Falcon Insight XDRおよびSplunk SOARとの新しい双方向統合も発表しています。Commvaultは2024年4月にAppranixを買収し、2024年10月にClumioを買収しました。これらの買収によって、Commvaultによるクラウドアプリケーションインフラの復旧およびAWSのサポートがそれぞれ拡張されました。
強み
  • 包括的なクラウドワークロード対象範囲:CommvaultのクラウドIaaSおよびPaaSは対象範囲が広く、Oracle、Microsoft Azure DevOpsのネイティブサポートと、AWS、Azure、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)のガバメントクラウドが含まれます。
  • クラウドリワインド戦略:CommvaultによるAppranixの買収は、クラウドアプリケーションインフラのディスカバリー、保護、復旧における機能の向上につながります。具体的には、アプリケーションスタック保護の完全なオーケストレーションと、復旧スピードの向上があります。
  • Active Directory復旧のオーケストレーション:CommvaultのフォレストレベルでオーケストレーションされたActive Directory復旧は、Microsoftのベストプラクティスと一致しており、Active Directoryの迅速な復旧が可能です。フォレスト復旧は、Microsoft Active Directoryのきめ細かい復旧機能およびEntra IDのバックアップと統合されています。
注意点
  • 複雑な初期構成:一部のGartner顧客からは、初期的な製品設計の原則で顧客管理型またはBaaSアーキテクチャのどちらかを選ぶのが難しいことと、構成を自力でトラブルシューティングする際、適切なドキュメントを探すのが難しいことが指摘されています。
  • カスタマーサポートの遅さ:顧客からは、Commvaultサポートチームとの連携について懸念の声が上がっており、第1ティアのサポート担当者に続いて、対象分野の専門家(SME)にすぐ相談できるわけではないと報告されています。
  • 統一された管理コンソールの欠如:CommvaultによるCommvault Command CenterからJavaコンソールの機能同等なオファリングへの移行は不完全であり、完全な管理のためには2つの異なる管理ツールが必要です。ドキュメントでは、ユーザーを排他的にWebコンソールに方向付けるのではなく、両方の管理方式を記述しています。
Dell Technologies

Dell Technologiesは、このマジック・クアドラントで「リーダー」に位置付けられています。同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、PowerProtect Data Manager、PowerProtect Cyber Recovery、CyberSense、NetWorker、PowerProtect Backup Services、PowerProtectアプライアンスで構成されています。Dellは様々な地域で事業を展開しており、顧客は主に大企業ですが、中規模企業市場にも進出しています。今回の評価期間中、PowerProtect Data Managerに対して行われた注目すべき機能拡張としては、Storage Direct Protection for PowerMax and PowerStoreの追加、仮想マシンとファイルシステムの異常検出、Red Hat OpenShift Virtualizationの保護があります。さらにDellは、新しいData Domainアプライアンス(オールフラッシュの基準アーキテクチャを含む)に加え、Microsoft 365、Google Workspace、エンドポイント保護を1つのライセンスにバンドルした新しいPowerProtect Backup Servicesパッケージ、およびスタンドアロン製品としてのSalesforce Data Archiverを導入しました。
強み
  • Dellストレージの保護:PowerProtect Data Managerは、Storage Direct ProtectionおよびDD Boostを使用してDell PowerStoreおよびPowerMaxストレージアレイと統合します。これにより、大規模なワークロード用の効率的なデータ保護が提供され、特にパフォーマンスに敏感なアプリケーション要件に恩恵をもたらします。
  • Dell AI Factoryの統合:オンプレミスAIインフラ用のDellのAI Factoryオファリングには、PowerProtect Data Managerとの統合が含まれています。この統合によって、Kubernetesメタデータ、トレーニングデータモデル、ベクトルDB、構成およびパラメータが保護されます。
  • マネージド型の検出と応答の拡張:Dellは、CrowdStrike Falcon XDR Platformライセンス、PowerProtect Data Managerとの拡張された統合、およびPowerProtect Data Domainアクティビティログを含むマネージド型の検出と応答サービスを導入しました。このDellサービスは、検出されたアクティビティに基づいて侵害のインディケータ(IOC)を分析し、顧客にアラートを発行します。
注意点
  • 市場差別化機能の立ち遅れ:Dellは、フルスタックのクラウドアプリケーションディスカバリーおよび復旧機能と、追加的なユースケース(機密データのスキャン、RAGおよびその他のAPIデータ取得方法など)へのバックアップデータの拡張において、他の市場リーダーよりも立ち遅れています。
  • 複雑なソリューション管理:一部のDell顧客が、バックアップおよびデータ保護デプロイメントをオーケストレーション/管理するには、Dellのマルチクラウド管理は複雑すぎると報告しています。
  • 複数の製品を必要とするサイバー検出:Dell PowerProtect Data Managerは、メタデータに基づく異常検出を提供しますが、その場合、Dell PowerProtect Cyber RecoveryおよびCyberSenseオファリングを実装して、ファイル全体の完全性検査、YARAルールスキャン、およびマルウェアフォレンジックを実行する必要があります。
Druva

Druvaは、このマジック・クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社の主要なバックアップおよびデータ保護オファリングは、Druva Data Security Cloudです。Druvaは様々な地域で事業を展開しており、ほとんどの顧客が大企業および中規模企業の市場セグメントに属しています。Druvaは今回の評価期間中、Azure Storageとのクラウド間バックアップ、Microsoft SentinelおよびMicrosoft Security Copilotとの統合、Managed Data Detection and Response(MDDR)サービスを追加しました。さらにDruvaは、脅威の分析と対応を加速するAI駆動のツールDru Investigateと、Microsoft 365およびVMware用のAI駆動の異常検出、およびMicrosoft 365 Backup Storageを活用するDruva Microsoft 365 Backup Expressも導入しました。
強み
  • 強力な製品戦略の実施:AWS上でホスティングされる強化されたSaaSベースのプラットフォームアーキテクチャを基盤とするDruvaは、重要なオファリングや統合の提供を加速しています。この中には、AWS EC2およびAzure VMのバックアップ用のAzure Cloudストレージテナントオプションの導入、Microsoft Entra ID、Microsoft Dynamics 365のサポート、Microsoft Azure SQLのエージェントレスバックアップなどが含まれます。加えて、同社はAmazon S3、Amazon RDS、ネットワーク接続ストレージ(NAS)用の最適化された保護機能も導入しています。
  • AI駆動の運用支援とセキュリティ知見:Dru Assistは、対話型レポート、ガイド付きワークフロー、スマートトラブルシューティングにより、ユーザーエクスペリエンスを改善します。セキュリティ用のDru Investigateを搭載し、インサイダー脅威の検出、異常分析、インシデント対応の迅速化を実現します。
  • 先行的なランサムウェア防御:Druvaは、データ保護プラットフォームの内部でネイティブ機能として無料のマネージドサービスを提供し、顧客バックアップの先行的なサイバーレジリエンスを提供します。このサービスは、調整されたプレイブックを利用した24/7体制のモニタリングと高度な脅威検出およびインシデント対応を提供し、早期の脅威無効化に重点を置くとともに、信頼性の高いデータ復旧を可能にします。
注意点
  • AWS中心の依存関係:Druvaのプラットフォーム管理およびオーケストレーション層はAWSインフラ上に構築されているため、他のクラウドインフラパートナーを使用したい企業や、単一クラウドを回避するポリシーのある企業にとっては課題が投げかけられます。
  • Google Cloud Platform(GCP)のサポートが限定的:Google Cloud Compute Engineの保護はエージェントベースの手法に依存しており、GCP PaaSサービスのネイティブサポートは、他の有力クラウドプロバイダーのサポートと比べると遅れています。そのため、個々のGCPワークロードの保護ニーズを慎重に評価する必要があります。
  • MongoDBおよびCassandraのサポートが限定的:Druvaは、MongoDBおよびApache Cassandraデータベース用のネイティブアプリケーション対応のバックアップ機能が欠けています。これらを使用する企業は、他のサードパーティ製ツールまたはネイティブのバックアップ機能に依存せざるを得ないため、運用の複雑化や、バックアップ用の複雑なスクリプトへの依存を招く結果になります。
Huawei

Huaweiは、本マジック・クアドラントでは「チャレンジャー」に位置付けられます。Huaweiのバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、OceanProtect DataBackupソフトウェアおよびアプライアンス、OceanProtect Backup Storage、OceanCyber Data Security Appliance、OceanStor BCManager、Cloud Backup and Recoveryで構成されています。Huaweiは主にアジア太平洋地域、EMEA、南米で事業を展開しており、顧客の大半がアジア太平洋地域に集中しています。同社の顧客はミッドマーケットやエンタープライズのセグメントに属する傾向があります。Huaweiは今回の評価期間中、OceanProtect DataBackup 1.6.xをリリースしました。これにはNutanix and Microsoft Hyper-Vハイパーバイザー、Alibaba Cloud上のApsara Stack、Microsoft 365およびEntra IDのサポートが含まれています。さらに同社は、OceanProtect Eシリーズのスケールアウトアーキテクチャアプライアンスと、オールフラッシュのバックアップストレージアプライアンスX3000およびX9000も導入しました。
強み
  • フラッシュベースのスケールアウトアプライアンスアーキテクチャ:Huaweiは、オールフラッシュに基づくバックアップアプライアンスの完全なポートフォリオを提供しています。同社のポートフォリオの幅広さは、中小企業(SMB)から大企業まで、あらゆる顧客の価格/パフォーマンスに関する期待を満たし、電力使用量の削減、エネルギー効率、最適化されたバックアップと復旧パフォーマンスといった利点をもたらします。
  • 多層的なランサムウェア検出:Huaweiは、サイバー攻撃を先行的に検出して阻止するため、ネットワークとストレージソリューションを統合しています。同社のOceanCyberアプライアンスはOceanProtect Backup Storageと統合し、ランサムウェアから保護します。
  • コピーデータの再利用時におけるデータの匿名化:OceanProtect Data Backupには、機密性の高いデータを識別する機能があり、コピーデータ管理バックアップコピーに対して匿名化を実行します。
注意点
  • マルチクラウドの保護が限定的:Huawei OceanProtectのエージェントレスクラウド統合は、Huawei Cloud上のIaaSおよびPaaSワークロードのサポートに限定されており、その他の広く普及しているクラウド環境(AWS、GCP、Azureなど)では、データ保護とコスト効率が損なわれます。
  • Huaweiポートフォリオ外でのイノベーションの範囲:HuaweiのBaaSオファリングは、Huawei Cloudへの導入のみに限定され、同社のMultilayer Ransomware Protection機能は、Huaweiネットワークおよびストレージコンポーネントの統合のみに限定されています。
  • ランサムウェア復旧に関する保証なし:Huaweiは、ランサムウェアからの復旧に関する保証の提供では、市場リーダーに後れを取っています。
HYCU

HYCUは、このマジック・クアドラントでは「概念先行型」に位置付けられます。HYCU R-Cloudは、IaaS、DBaaS (database as a service)、PaaS、SaaS、オンプレミスのワークロードをサポートする、Azure、AWS、GCPに広がるハイブリッドおよびマルチクラウドBaaSベースのバックアップおよびデータ保護プラットフォームです。HYCU R-Graphは、SaaS環境におけるアプリケーションとそのデータ保護ステータスに関するインサイトを提供します。HYCUの事業展開は主に北米とEMEAに集中しており、顧客の大多数は北米地域に所在しています。同社の顧客は、上位ミッドマーケットに属する傾向があります。今回の評価期間中、HYCUがR-Cloudに導入した新機能としては、ランサムウェアの検出と復旧のためのR-Shield、Microsoft Azure Localへの対象範囲の拡大、DD Boost統合を利用したDellのPowerProtect Data Domainの統合機能があります。同社はさらに、Box、Nutanix Database Service、Atlassian Bitbucket and Confluence、Microsoft Entra ID、Amazon Virtual Private Cloud、AWS Web Application Firewall、GitLabなどのSaaSおよびPaaSオファリングのサポートも追加し、R-Cloudを拡張しています。
強み
  • 包括的なSaaS保護戦略:HYCUのSaaSアプリケーション保護アプローチは、AIベースのローコード開発手法を使用するものです。その結果、複数のベンダーのアプリケーション環境にわたる幅広いサポート対象SaaSアプリケーションのリストが成立しています。
  • 強力なGCP保護:HYCUは、一般的なGCP IaaSおよびPaaSオファリングの大部分を対象とする包括的な保護と、Google BigQuery、Firestore、Artifact Registry、Cloud Functions、Cloud Runのサポートを提供しています。
  • 顧客が選択したストレージを使用するBaaS:HYCUのR-Cloud、同社のBaaSオファリングには、顧客がオンプレミスやクラウドターゲットを含む独自のバックアップストレージを選択できる柔軟性があります。
注意点
  • 大企業市場セグメントが限定的:HYCUの顧客基盤は中規模企業を主体としており、多様化した複雑な環境を保護する大企業での実装は限定的です。
  • ランサムウェア戦略に立ち遅れ:HYCUは、ランサムウェアの検出と対応機能では大手ベンダーに後れを取っています。現在のR-Shieldによるソースベースのスナップショットスキャン機能は、Nutanix上の仮想マシンに限定されています。バックアップ処理中の異常検出と、統合型スキャンハンティングによる既存のバックアップデータのスキャン機能がなく、最もクリーンな復旧ポイントを特定するための復元およびサードパーティ製マルウェアスキャナがありません。
  • ネイティブなクラウド統合の制限:R-CloudでAzure Blob Storageを保護するにはサードパーティ製ツールの使用が必須であり、複数のAzureおよびAWSコンテナとPaaSワークロードのサポートが欠けています。これには、Azure Cosmos DB、Azure SQL Database、Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)、Red Hat OpenShift on AWS、Amazon Elastic Container Service(ECS)が含まれます。
IBM

IBMは、本マジック・クアドラントでは「概念先行型」に位置付けられます。同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、IBM Storage Defender、IBM Storage Defender Data Protect、IBM Storage Protect for Cloudで構成されています。IBMは様々な地域で事業を展開しており、顧客は大企業セグメントに属する傾向があります。IBMは今回の評価期間中、IBM Storage FlashSystemおよびDellのPowerMaxストレージを保護するための統合を追加することにより、Storage Defenderプラットフォームを拡張しました。同社はさらに、Oracle、SAP HANA、VMwareなどのエンタープライズアプリケーション向けの復旧ポリシー抽象化も導入しました。IBMは継続的にwatsonxでAI機能を拡張しており、バックアップと復旧、障害解決、効率性といった分野で改良された機能を提供しています。
強み
  • AIの統合:IBMは、エージェントベースのセンサーを使用してサイバー脅威を特定するため、IBM watsonx AIモデルおよびツールを利用して、行動分析、リアルタイムの異常検出、アプリケーション認識型のインサイトを強化しています。これにより業務効率が向上し、自律型の機能(インシデントの軽減、キャパシティプランニング、リソース割り当てなど)が提供されます。
  • 早期脅威検出の統合:Storage Defenderは、顧客の仮想マシン、ファイルシステム、ストレージ、および選択したアプリケーションに分散された複数のセンサーからの推論により、ほぼリアルタイムのランサムウェア検出を提供します。
  • 自動的な復旧グループ生成:Storage Defenderは、複数のストレージスナップショットおよびバックアップコピーからの保護対象の資産に関するインサイトを活用し、復旧をオーケストレーションするとともに、関連するワークロードに一貫性のあるポリシーを適用します。
注意点
  • サードパーティ製品への依存:IBMのStorage Defender Data ProtectおよびStorage Protect for Cloudソリューションは、製品やコントロールプレーンに関して他のベンダーに依存する必要があります。そのため、製品開発にIBMの主導権が及びません。
  • マルチクラウドの保護が限定的:IBMのStorage Protect for Cloudは、AWS、GCP、OCIを含む複数のクラウドにおけるIaaSおよびPaaSサービスの保護が限られています。クラウドアプリケーションディスカバリー機能とインフラ復旧機能が欠けているほか、顧客がクラウドストレージを選択できません。
  • 製品のブランド変更による混乱:IBMの顧客によると、同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオでは、ハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境における機能の一貫性について明確さが欠けており、混乱が生じています。
OpenText

OpenTextは、このマジック・クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、主に次の2つの製品で構成されています。オンプレミスのワークロードを対象とするData Protector ExpressおよびPremiumエディションと、クラウドIaaSおよびSaaSのワークロードを対象とするData Protector for Cloud Workloadsです。同社は様々な地域で事業を展開しており、顧客は中規模企業セグメントに属する傾向があります。OpenTextは今回の評価期間中、OpenText Webrootマルウェア検出を統合するとともに、SafeZone Recoveryセキュアバックアップ分析を導入することにより、Data Protectorを拡張しています。同社はさらに、レポートサーバーソリューションとしてOpenText Magellan BI & Reportingを導入し、Impossible Cloudのサポートを追加し、Webユーザーインターフェースを更新しています。
強み
  • 幅広いOpenText製品の統合:OpenTextは同社のWebrootオファリングとの強力な統合によるマルウェア検出、OpenText Documentumデータの保護、OpenText Magellan BI & Reportingにより強化されたレポート機能を提供しています。
  • SaaSアプリケーションの保護:OpenTextはMicrosoft 365のバックアップに関して、顧客管理型およびベンダーホスト型の両方のオプションを提供しています。Data Protector for Cloud Workloadsは、Microsoft 365の顧客管理型の導入をサポートします。一方、ホステッドソリューションであるCloudAllyは、Microsoft 365のほか、Salesforce、Google Workspace、Box、Dropboxをサポートします。
  • 幅広いハイパーバイザーのサポート:OpenText Data Protector Premiumと、Data Protector for Cloud Workloadsの組み合わせは、大部分の主要なハイパーバイザーに統合可能です。この中には、VMware VM、Microsoft Hyper-V、Proxmox Virtual Environment、Red Hat Virtualization、Nutanix AHV、OpenStack、Huawei FusionCompute、Scale Computing HyperCoreが含まれますが、これらに限定されません。
注意点
  • ベンダーホスト型BaaSソリューションの欠如:OpenTextは、エンタープライズ顧客を焦点とするクラウドワークロードおよびオンプレミス用のBaaSソリューションを提供していません。
  • 内部統合に重点を置き、イノベーションに影響:OpenTextは、Data Protectorをより大きいOpenTextソリューションスタックに統合するための投資に重点を置いています。その結果、バックアップおよびデータ保護プラットフォーム市場で注目を集めている分野でのイノベーションが限定的です。
  • SaaSベースのコントロールプレーンなし:OpenTextには、有力ベンダーのソリューションでしばしば見られる、ソリューションの全コンポーネントを管理するためのSaaSベースのコントロールプレーンおよび共通の管理インターフェースがありません。
OpenTextは、補足的な情報提供の依頼に応じませんでした。したがって、Gartnerの分析は他の信頼できる情報源に基づいています。
Rubrik

Rubrikは、このマジック・クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、データセキュリティや高度な復旧に関連する複数のバックアップ製品を含むRubrik Security Cloudで構成されています。Rubrikは、アプライアンスベースのオンプレミスおよびクラウドベースのBaaSデータ保護ソリューションを提供しています。Rubrikは北米とEMEAを中心に事業を展開し、顧客は一般に中規模企業から大企業です。Rubrikは今回の評価期間中、Salesforce、Microsoft Dynamics 365、Azure DevOps、GitHub、Microsoft 365 Backup Storage、およびOCI上の仮想マシンとデータベース向けのデータ保護およびサポートを追加しました。同社はさらに、AzureおよびAWS環境向けの異常検出と脅威スキャン、Mandiant脅威インテリジェンスを統合した新しいTurbo Threat Hunting機能、サイバーレジリエンスを強化するためのM365の優先的な復旧を追加しています。これらの改良と並行して、RubrikはIdentity Recovery for Active Directory and EntraIDと、GenAIアプリケーション開発のためのAnnapurna by Rubrikをリリースしています。
強み
  • 強力なサイバーリカバリーと検出:Rubrik Security Cloudは、データとアイデンティティに関する包括的なサイバーリカバリーおよび検出機能を提供しています。AIベースのインライン異常検出、クリーンな復旧ポイントを特定する高度な脅威モニタリング/ハンティング機能、ハイブリッドなアイデンティティ環境におけるオーケストレーションされた復旧などが含まれます。
  • 価格戦略のイノベーション:RubrikのUniversal SaaS Application Licenseは、ユーザー1人あたりのストレージ容量が無制限です。このライセンスは、Rubrikがサポートする全てのSaaSアプリケーション間で移動可能です。
  • Annapurna GenAI RAGソリューション:Rubrik Annapurnaにより、Rubrik Security Cloud内のエンタープライズバックアップデータに基づくGenAIアプリケーションを、顧客が安全に構築できます。アクセス制御および機密データ管理が組み込まれています。
注意点
  • 限定的な地理的な対応範囲:北米およびEMEA以外の地域では、Rubrikとの顧客エンゲージメントが限定的です。これは上記以外の地域におけるパートナー数が、他の有力ベンダーと比べて少ないことが原因です。
  • ハイパーバイザー間の復旧なし:Rubrik Security Cloudでは、データセンターにおけるハイパーバイザー間の復旧がサポートされません。そのため、マルチハイパーバイザーの顧客環境で災害復旧、移行、データモビリティなどのユースケースをサポートする能力が限られています。
  • レポート機能が限定的:一部の顧客が、標準装備のレポート機能について懸念を表明しています。機能が限定的で、カスタマイズが複雑であり、Rubrikサポートに依存せざるを得ない点が指摘されています。
Unitrends

Kaseya関連会社であるUnitrendsは、このマジック・クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社のバックアップおよびデータ保護ポートフォリオは、Unitrends Backup Software、Recovery Seriesバックアップアプライアンス、SaaSアプリケーションのバックアップ用のSpanning Backupで構成されています。同社は様々な地域で事業を展開しており、顧客は中規模企業セグメントに属する傾向があります。Unitrendsは今回の評価期間中、Backup SoftwareとVMwareとの統合を最適化してバックアップサイズを削減するとともに、一般的なタスクについて順を追って説明するよう製品ツアーを更新しています。同社はさらに、新しいAlma 9オペレーティングシステムと、バックアップアプライアンスの二要素認証を導入しています。Spanning Backupは現在、Kaseya 365ユーザーサブスクリプションの一部として利用可能であり、南アフリカにおけるストレージオプションが含まれています。その他に更新された機能としては、Microsoft Exchange OnlineおよびOneDrive復旧ビューの改良と、無制限の共有メールボックスの保護や、メールのPSTファイル形式へのエクスポートなどの新機能があります。
強み
  • UnitrendsとDattoの統合:Kaseyaは、Unitrendsを同社のDatto事業と統合する意向であると発表しました。この行動により、顧客が利用可能なポートフォリオが拡充される見込みです。
  • コスト効率に優れたクラウドストレージ:Unitrendsは、長期保管およびオフサイトストレージ用に、エグレス無料のクラウドストレージを提供しています。これはDRaaSオファリングとの統合により、顧客定義のRTOおよびRPOに対するコンプライアンスをテストする能力を提供します。
  • Kaseyaオファリングとの強力な統合:Unitrends UniViewは、バックアップおよび復旧オファリングの一元管理とともに、Kaseyaセキュリティおよびサービスデスクソリューションとの統合を提供します。Kaseya 365ユーザーサブスクリプションには、Spanning Backup for Microsoft 365の権利も含まれています。
注意点
  • 限定的な企業適合性:主にSMB市場とマネージドサービスプロバイダー経由でのソリューション提供に重点を置いているUnitrendsは、その成長イニシアティブと、アプライアンスのスケーラビリティが限られている点が、大企業アカウントへの適合性が低い要因となっています。
  • SaaSアプリケーションの拡大なし:今回の調査期間中、Unitrends Spanning Backupへの新しいSaaSワークロードの追加が行われていません。Microsoft Entra ID、Microsoft Dynamics 365、Slack、Box、GitHubなどのSaaSアプリケーションに対するサポートが欠落しています。
  • GenAIを利用したバックアップ機能なし:Unitrendsのポートフォリオには、GenAIを利用してバックアップ管理タスクを改善・簡素化するための機能がありません。
Unitrendsは補足情報の要求に応じませんでした。したがって、Gartnerの分析は他の信頼できる情報源に基づいています。
Veeam

Veeamは、このマジック・クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社の主要なバックアップおよびデータ保護オファリングは、Veeam Data Platform(VDP)、Veeam Backup for M365、Veeam Backup for Salesforce、Veeam Kasten、Veeam Data Cloud(VDC)、Veeam Data Cloud Vaultです。Veeamは様々な地域で事業を展開しており、大企業、中規模企業、SMBセグメントの顧客が存在します。Veeamは今回の評価期間中、Microsoft Entra IDのサポート、IOCの検出、Recon ScannerやVeeam Threat Hunterなどのツールによる先行的な脅威分析といった新機能を含むVDP v12.3など、複数の更新された製品をリリースしています。主な機能拡張としては、Proxmox Virtual Environmentのサポート、Veeam IntelligenceによるAI駆動のインサイト、Microsoft Hyper-V災害復旧プランのサポートがあります。
強み
  • 確立された市場プレゼンス:Veeamは、広範なパートナーネットワークに支えられた強力な市場プレゼンスと、幅広い導入実績があります。そのため、一貫性のあるサービス提供と迅速なサポート、現地での専門知識の利用が可能です。これはグローバルで事業を展開する企業にとって重要です。
  • 強力なランサムウェア保護とサイバーレジリエンス:Veeamの包括的なランサムウェア保護には、AIベースのインラインスキャン、Veeam Threat Hunter、IOC検出が含まれます。インシデント前、中、後にサポートを提供するプログラムVeeam Cyber Secureには、ランサムウェア復旧保証があり、アクティブな侵害の発生中にリアルタイムなファーストパーティのインシデント対応を提供します。
  • 多機能なデータ復元とモビリティ:Veeamは、VMware vSphere、Microsoft Hyper-V、Nutanix AHVなどの主要なハイパーバイザーにおけるハイパーバイザー間の復元をサポートしています。また、オンプレミスワークロードからAWS、Azure、GCPへの直接的な復元機能も提供します。
注意点
  • 市場イノベーションへの反応的なアプローチ:Veeamのオファリングおよび機能拡張は、新しい差別化された機能で市場をリードするというよりもむしろ、競合対策や顧客需要への対応を目的として導入されるのが一般的です。
  • Microsoftインフラへの依存性:Veeam Data CloudはAzure上で展開されていますが、これは他のクラウドプロバイダーに主に依存している企業にとって懸念事項となる可能性があります。またVDCは、AWSやGCPなど、他のクラウドプロバイダーによって管理される場所にバックアップデータを保存する柔軟性にも欠けています。
  • SaaS保護の範囲が限定的:Veeamのポートフォリオの対象範囲には、Microsoft 365、Microsoft Entra ID、Salesforce以外の、絶えず進化する一連のSaaSアプリケーションが欠けています。これは、より幅広いSaaSデータ保護を必要とする企業にとって懸念事項となり、競合上の弱点となる可能性があります。

追加および削除されたベンダー

マジック クアドラントの採用基準については、市場の変化に応じて見直しと調整を行っています。これらの調整によって、マジック クアドラントで評価されるベンダーは、時間の経過とともに変化する場合があります。ある年のマジック クアドラントに含まれていたベンダーが翌年には含まれていなかったとしても、それは必ずしもGartnerがそのベンダーに対する意見を変更したというわけではありません。市場の変化やそれに伴う評価基準の変化を反映した可能性もあれば、そのベンダーが重視する対象を変えたことを反映した可能性もあります。

追加されたベンダー

Huawei

除外されたベンダー

  • Microsoftは、必須の機能の要件を全部は満たしていなかったため、今年の調査から除外されています。同社のAzure Backup製品には、マルチクラウド環境を保護するためのサポートがありません。
  • Veritasは、Veritasのエンタープライズ向けデータ保護ビジネスをCohesityと合併する取引が2024年12月に完了した結果、該当する同社製品がCohesityと統合されたので、今年の調査から除外されています。

採用および除外基準


以下の基準は、本調査に含めるために、分析担当者が必要であると考える特定の属性を表しています。
  • ベンダーの適格なバックアップおよびデータ保護プラットフォームは、「市場定義」で定義されている「必須」の機能をすべて備えている必要があります。
  • ベンダーの適格なバックアップおよびデータプラットフォームマルチクラウド要件は、「2024年・戦略的クラウドプラットフォームサービスのマジック・クアドラント」で採り上げられている2つのパブリッククラウド環境で、サービスとしてのインフラ(IaaS)の保護をサポートする必要があります。これはのベンダーは、Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Google、Huawei Cloud、IBM、Microsoft、Oracle、Tencent Cloudです。
  • ベンダーは、企業向けの適格なバックアップとリカバリのソリューションを少なくとも1つ、2025年4月1日より前の3暦年間にわたって市販している必要があります(すなわち、遅くとも2022年4月1日より早い時期から市販されていなければなりません)。
  • ベンダーは、以下の収益基準のうち、少なくとも1つを満たす必要があります。収益は、バックアップとリカバリ製品ポートフォリオのみから導き出す必要があります。この収益には、実装サービスまたはマネージドサービスプロバイダー(MSP)による販売から生じた収益を含めるべきではありません。
    • ベンダーは、2025年2月28日時点で報告された年間経常収益 (ARR) が7,500万ドル以上であること、または
    • 2025年2月28日時点で報告されたARRが3,000万ドル以上であり、なおかつ対前年比(2024年2月28日 対 2025年2月28日)のARR成長率が20%以上であることが必要です。
  • ベンダーは、セクション2で定義されているように、市場において少なくとも1,000社の顧客からなるインストールベースにサービスを提供している必要があります。さらに、1,000社の顧客のうち少なくとも250社が、1つの展開サイトまたはクラウドリージョンに、少なくとも100台の物理サーバーまたは300台の仮想サーバーにバックアップソリューションを展開している必要があります。エンドポイントのバックアップはこれに含まれません。
  • ベンダーは、以下の主要地域のうち少なくとも3つで、バックアップおよびデータ保護プラットフォーム製品を自社ブランド名で積極的に販売・サポートしている必要があります。北米、EMEA、アジア太平洋、中南米。総ARRのうち、少なくとも25%がそのベンダーの主要地域外で得たものであることが必要です。
  • ベンダーは、主要地域(北米、EMEA、アジア太平洋、中南米)の少なくとも3つで、それぞれ少なくとも50社の収益顧客が、そのベンダーの適格なバックアップおよびデータ保護プラットフォーム製品またはソリューションを本番環境で導入・使用している必要があります。地域ごとに50社の顧客のうち20社が、少なくとも100台の物理サーバーまたは300台の仮想サーバーでバックアップソリューションを展開している必要があります。エンドポイントのバックアップはこれに含まれません。
  • ベンダーの適格なバックアップ・リカバリソリューションは、主に上位中堅企業および大企業に対して販売およびマーケティングを行う必要があります。Gartnerは、従業員が500~999人の企業を最上位ミッドマーケット、1,000人以上の企業を大企業と定義しています。
  • 過去12か月間にリリースされた新製品、または既存製品のアップデートは、評価対象として検討されるためには、2025年4月1日以前に一般向けに販売開始されている必要があります。すべてのコンポーネントは一般的に入手可能かつ出荷されていて、この日の時点でベンダーが公開している価格リストに含まれている必要があります。この日以降に出荷される製品は、「ビジョンの完成性」軸にのみ影響する。
  • ベンダーは、2025年2月28日時点で、エンジニアリング、営業、マーケティングの各部門を合わせて、バックアップおよびデータ保護プラットフォームを専門とする少なくとも100名の正社員を雇用している必要があります。
以下の除外基準が適用されます。
  • サードパーティのISVから主に調達したソフトウェアとともに製品またはソリューションを提供するベンダー。
  • バックアップ対象またはバックアップ先としてのみ機能するが、バックアップ・リストア管理機能を実際に実行しない製品。例えば、専用重複排除アプライアンス、SAN、NAS、オブジェクトストレージなどです。
  • 主な製品収益源(総収益の75%以上)がホスティングデータセンターやマネージドサービスプロバイダーから発生するベンダー。
  • Amazon S3、Amazon EC2、Azure Blob、Azure Virtual Machines、Microsoft Hyper-V、VMware、Red Hat、またはコンテナのみをバックアップするように設計されたツールなど、主に同種環境向けソリューションとして設計され、位置付けられる製品またはソリューション。
  • 主にSaaSアプリケーションのバックアップ専用のソリューションとして設計され、位置付けられる製品やソリューション。
  • 主にラップトップ、デスクトップ、モバイルデバイスなどのエンドポイントのバックアップするためのソリューションとして設計され、位置付けられる製品またはソリューション。
  • 主にリモートオフィス、エッジロケーション、および下位上位ミッドマーケットや中小企業の環境をバックアップするソリューションとして設計され、位置付けられる製品またはソリューション。
  • 主に特定のストレージまたはハイパーコンバージドシステムベンダーをバックアップするように設計され、位置付けられる製品またはソリューション。
  • レプリケーションおよびディザスタリカバリツールとしてのみ機能する製品。
  • 主にストレージアレイのスナップショットとレプリケーション機能を管理するための製品。
  • 主にコピーデータ管理またはDevOpsテスト向けと位置付けられる製品。
  • 主に継続的なデータ保護として位置付けられる製品。

特筆すべき選外のベンダー

Gartnerは、この市場の30超のベンダーを追跡しています。そのうち、12社がこのマジック・クアドラントの採用基準を満たしました。ただし、プロバイダーが除外されたからといって、そのベンダーおよびその製品の存続可能性に不足があるというわけではありません。すべての採用基準を満たしているわけではないが、クライアントにとっては要件次第で適切である可能性があり、注目に値するベンダーは以下の通りです。
  • Bacula Systems:このバックアップおよびデータ保護ソリューションベンダーは、本社がスイスにあります。Bacula Systemsは、オープンソースとしてのソフトウェアベースの製品と商業的に使用許諾され、サポートされる製品を提供しています。Bacula Systemsは収益基準を満たさなかったため、マジック・クアドラントから除外されました。

評価基準


実行能力

マジック・クアドラントの実行能力の基準は以下のとおりです。
製品またはサービス:この基準では、バックアップおよびデータ保護ベンダーが市場のユースケースをサポートするための機能や特長を提供・差別化する能力、ベンダーポートフォリオ全体における顧客による利用の多様化、および顧客エクスペリエンスに影響を与える製品の問題の範囲を評価します。BDPPユースケースには、オンプレミス、ハイブリッド/マルチクラウド、SaaS環境の保護、データサービス、災害復旧、ランサムウェアの防止、検出、復旧が含まれます。
企業としての全体的な存続性:この基準では、ベンダーの財務状況、人員数、BDPPオファリングに関連する顧客ベースの成長に関する主要な指標を評価します。
販売実行能力/価格設定:この基準では、BDPP市場におけるベンダーの成功度を評価します。検討事項としては、新規ビジネスとリピートビジネスの成果、バックアップおよびデータ保護の新規顧客の成長率、オファリングに対する顧客投資レベルの変化が含まれます。販売活動や販売前の取り組みへの対応や価格の透明性のレベルも評価の対象となります。
市場対応力/実績:この基準では、ベンダーが競合他社と比較して革新的かつ差別化されたBDPP製品や機能を提供しながら、市場の需要や自社のポートフォリオの不足部分を埋め続ける能力について評価します。
マーケティングの実行能力:この基準では、BDPP市場においてベンダーが認知度を高め、新たな市場に進出し、販売パイプラインを構築する能力を評価します。
カスタマーエクスペリエンス:この基準では、ベンダーが自社のBDPPソリューションの使用において望ましいカスタマーエクスペリエンスを提供する能力を評価します。顧客満足度を維持して向上させる能力と、比類のない顧客サポートを提供する能力に注目します。
運用:この基準は、ベンダー間の差別化に制限があり、その結果として顧客への影響が少ないため、今回の調査から除外されました。

表1:実行能力の評価基準

評価基準 重要度
製品/サービス
企業としての全体的な存続性
販売実行能力/価格設定
市場対応力/実績
マーケティングの実行能力
カスタマー エクスペリエンス
運用
評価なし
出典:Gartner(2025年6月)

ビジョンの完全性

このマジック・クアドラントにおけるビジョンの完全性の基準は次のとおりです。
市場の理解:この基準では、エンタープライズ環境のバックアップと保護に関する顧客の要件をベンダーが理解する能力を評価します。市場の動向に対するベンダー独自の視点に基づいて、これらの要件に自社の製品やサービスを合致させ、製品ビジョンを進化させる能力に注目します。
マーケティング戦略:この基準では、競合との差別化と、バックアップおよびデータ保護ソリューション選定に関与するペルソナについての理解を強調する、ベンダーのBDPPマーケティングビジョンの明確性を評価します。
販売戦略:この基準では、ベンダーが自社の目標や顧客の関心に合致するBDPP販売戦略を確立し、アップデートする能力を評価します。評価の要素には、ベンダーが顧客に直接リーチしたり、パートナーのネットワークを通じてサービスエリアを拡大する能力も含まれます。
サービス(製品)戦略:この基準では、BDPPオファリングに関するベンダーの製品計画を評価し、現在の製品に欠けている点への対応、差別化への取り組み、既存の機能の改善、BDPP製品にOEMまたはISVのオファリングをどの程度採用しているかに焦点を当てます。
ビジネスモデル:この基準では、ベンダーがBDPP市場でビジネスを維持するための戦略について評価します。
バーティカル/業界戦略:この基準では、ベンダーが自社の製品提供をどのように戦略的に方向付けているか、業界特有の技術提供者との連携、さらに特定の市場ニーズに応えるためのリソースの活用方法について評価します。
イノベーション:この基準では、BDPP製品設計、マーケティング、販売および販売前の取り組み、カスタマーサポートにおけるベンダーの再投資戦略や、差別化された独自のイノベーションを評価します。ベンダーによる最新のイノベーションまたは計画中のイノベーションが、企業顧客に価値をもたらすかどうか、独自性があって差別化されているかどうか、BDPP市場に破壊的な変化を起こすものであるかどうかを評価します。
地理的戦略:この基準では、ベンダーが北米、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、アジア太平洋地域、南米の4つの主要地域でのニーズに応えるために、リソースやスキル、製品をどのように活用しているかを評価します。

表2:ビジョンの完全性の評価基準

評価基準 重要度
市場の理解
マーケティング戦略
販売戦略
オファリング(製品)戦略
ビジネスモデル
垂直/業界戦略
イノベーション
地理的戦略
出典:Gartner(2025年6月)

クアドラントの説明

リーダー

実行能力とビジョンの完全性の総合指標において最高の評価を得るのが、リーダーです。ハイブリッド、マルチクラウド、およびSaaSのIT環境のバックアップとリカバリの要件に対応できる、最も包括的でスケーラブルな製品ポートフォリオを持っています。市場でのリーダーとしてのプレゼンスは確立しており、財務実績は実証されています。リーダーは、そのビジョンに関してソートリーダーであり、知的財産 (IP) の創造者として業界で認識されています。彼らは、一般的なリカバリおよびサイバーリカバリ機能の拡充、ワークロードのカバレッジ拡大、導入や管理の容易さの向上、生成AI (GenAI) の活用、スケーラビリティと製品の幅の向上に向けた明確な計画を持っています。リーダーの基盤は、リカバリ管理の自分たちのビジョンの一環として、新しい要件に対処する方法を明確に示す能力です。
ひとまとめとして、リーダー各社は大半の新規購入提案の一部とみなされ、新規ビジネスの獲得において高い成功率を示すことが期待できます。ただし、大きな市場シェアだけがリーダーの主な指標ではありません。リーダーは戦略的ベンダーであり、将来的に安定しており、上位中堅および大規模エンタープライズデータセンターのハイブリッドなIT環境のニーズに応えて成功を収めています。

チャレンジャー

チャレンジャーは、現時点の実行能力はありますが、リーダーよりもビジョンが限定的であるか、またはビジョンのプロデュースやヴィジョンマーケティングが十分ではありません。チャレンジャーには高機能な製品があり、多くの企業で適切に機能できます。これらのベンダーには、財務的および市場のリソースがあり、潜在的にリーダーになる能力があります。しかし、重要な問題は、市場動向と市場要件を理解して今後成功できるかどうか、また長期にわたって高いレベルで行動して勢いを維持できるかどうかです。
チャレンジャーは、充実したバックアップポートフォリオを抱えている可能性があります。ただし、その機会をまだ十分に活用できていないか、リーダーと同じ能力がないため、エンドユーザーの期待に応えられていない、および/または展開が大幅に拡大しているとみなされていません。チャレンジャーは、既存の顧客ベースの外で積極的に競争することはできず、主に現状維持に重点を置く場合があります。これらのベンダーは、業界全体に広く受け入れられる製品や、他と差別化された特徴を持つ製品を迅速に開発するために、リソースを十分に割いていない可能性があります。彼らは自社の能力を効果的にマーケティングすることや、現場のリソースを十分に活用して、市場でのプレゼンスを高めることができていない可能性があります。

ビジョナリー(概念先行型)

概念先行型は先見性があり、ポートフォリオ能力を市場に先駆けて、あるいは先を見据えて前進させていますが、チャレンジャーやリーダーになるほどの全体的な実行能力が備わっていません。多くの場合、販売とマーケティングが十分でないことによるものですが、スケーラビリティ、保護されたワークロードの範囲、機能の幅、プラットフォームのサポートが原因である場合もあります。これらのベンダーは、大部分が、製品イノベーションおよび認識された顧客利益によって差別化されています。ただし、彼らはまだ完全なソリューションを提供できず、持続的で広範囲にわたる販売とマーケティングを行っていません。彼らは認知度の向上に成功しておらず、大企業への導入における継続的な成功も収めていないため、リーダーとしての高い認知を得るには至っていません。
一部のベンダーは、技術が概念先行型でなくなったため(つまり、競合他社に追いつかれたため)、概念先行型のクアドラントから特定市場指向型のクアドラントへと移行します。場合によっては、市場でのプレゼンスを確立できず、チャレンジャーまたはリーダーのクアドラントへ進めないどころか、概念先行型に留まることもできません。

ニッチプレイヤー(特定市場指向型)

重要なことは、Gartnerが、特定市場指向型を顧客評価から除外することを推奨していないことに注意していただくことです。特定市場指向型は、市場全体のサブセグメントに特に意識的に焦点を当てているか、または比較的幅広い機能を提供しているが、企業規模がそれほど大きくはなく、他のクアドラントの競合他社のように全体的に成功していません。いくつかのケースでは、特定市場指向型は、上位中堅企業セグメントで非常に強い場合があります。また、大企業に販売することもありますが、その製品と全体的なサービスは、現在、大企業市場に焦点を当てた他のベンダーほど完成度が高くないということもあります。
特定市場指向型は、特定の地域、垂直市場、または集中的なバックアップ展開やユースケースサービスに焦点を当てる場合があります。あるいは、単に、競合他社と比較して視野があまり広くないか、全体的な能力が低い場合があります。その他の特定市場指向型は、市場に対し非常に新参であるか遅れを取っており、注目に値するものの、まだ完全な機能を開発していないか、広大なビジョンや実行能力を一貫して示していません。

コンテキスト


バックアップ業務を担当するI&O責任者は、自社に適した技術、運用、消費の側面を含めるよう、バックアップ戦略を評価・再設計する必要があります。この戦略では、重要なワークロードの継続的な範囲変更、クラウドの使用、より高度なデータ保護とサイバーレジリエンスの必要性を考慮して、以下を行う必要があります。
  • ハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境におけるデータ保護要件に対応するバックアップ ソリューションへの投資。分散環境を一つの画面から管理できるソリューションを選択することを推奨します。
  • バックアップデータをサイバー攻撃から保護し、異常性やマルウェアの検出を実行し、侵害のインシデント(IoC)に関するアラートを生成し、サイバー攻撃からの復旧を促進するための、組み込みまたは統合型のオファリングを組み合わせたバックアップソリューションの選択。
  • ゼロトラストアーキテクチャの原則を提供するバックアップおよび復旧ソリューションの実装。
  • 復旧のオーケストレーションも含めて、バックアップ管理活動を簡素化・迅速化するために、バックアップ機能に関するGenAIなどのAIを実装したバックアップソリューションを優先的に選択。
  • クラウドアプリケーションのインフラコンポーネントを発見し、アプリケーションやデータの復旧を定期的にテストおよびオーケストレーションする機能を備えたソリューションを重視。
  • バックアッププロセスでは可能な限り早く複数のイミュータブルコピーを確保する必要性に照らし合わせ、バックアップコピーの回復力レベルを評価。
  • バックアップアーキテクチャと組織の業務復旧要件との合致。業務復旧における使用、長期的な保管、サイバーセキュリティの目的に合わせ、バックアップストレージターゲットを区別。
  • VMベース、ソケットベース、ノードベース、ユニバーサルベース、フロントエンドTB、バックエンドTB、エージェントベースなど、ベンダーが提供するさまざまな価格設定モデルの長期的なコストへの影響を比較検討します。自社組織のアプリケーションとインフラストラクチャのロードマップに基づいて、適切なモデルに投資します。
  • 復旧以外でも、バックアップデータの価値を上げることができるベンダーを選びます。バックアップデータの追加的なユースケースを提供するソリューションを優先的に選択します。この中には、機密データのスキャン、分類、調査、補助的な分析、およびその他のデータエンリッチメントと、検索拡張生成およびAPIベースのデータアクセスが含まれます。

市場概要


バックアップおよびデータ保護プラットフォーム(BDPP)市場は、以前のエンタープライズ向けバックアップおよび復旧ソフトウェアソリューション市場が進化したものです。この進化は、無秩序に広がる複雑なデータ資産の保護という問題に対処する、企業の変化しつつある新たなニーズを反映しています。マジック・クアドラントおよび重要機能に関する今年の調査で、市場の定義と評価基準が変更された背景には、複数の要因が影響しています。主な属性は以下の通りです。
プラットフォーム
  • データ保護プラットフォームの集中的な管理とオーケストレーションを優先。
  • サービスとしてのバックアップ(BaaS)で対応する要件の範囲が拡大。
  • 自律型のバックアップ運用。
  • データ保護、コンプライアンス、コピーデータ管理、テストおよび開発要件に対応する、プラットフォームユースケースの拡大。
  • データの分類、機密データのスキャン、検索、調査、ビジネスインテリジェンス、検索拡張生成(RAG)、その他のAPI検索など、バックアップデータインサイトおよびアクセス機能の拡大。
データ保護
  • 保護を必要とするハイブリッド、マルチクラウド、SaaS環境の絶え間ない拡大。
  • サイバーセキュリティレディネスおよび堅牢な異常検出機能の必要性を強調。
  • バックアップデータのマルウェアスキャンを実行・迅速化し、侵害のインシデント(IoC)に関するアラートを生成する新しい機能。
  • アプリケーションを焦点とするディスカバリー、バックアップ、復旧、災害復旧。
  • ゼロトラスト原則などの一般的な機能の拡張と、復旧オーケストレーションの拡張。
このマジック・クアドラントで評価対象となったバックアップおよびデータ保護プラットフォームのベンダー各社は、以下の各分野でイノベーションを行い、市場に変化をもたらしています。
サイバーリカバリーおよび検出機能
  • ランサムウェアの検出と復旧:ほとんどのベンダーが、保護対象データの挙動的異常を監視することにより、ランサムウェアを検出する機能を開発しています。これらのベンダーは、最適かつクリーンな復旧ポイントの迅速な特定、複数の復旧ポイントを組み合わせ厳選された復旧ポイントの作成、そして隔離されたテストおよび復旧環境の構築によって、ランサムウェアからの復旧プロセスを簡素化することも目指しています。
  • マルウェア検出:ベンダー各社は、バックアップコピーにおけるマルウェア検出を追加するため、セキュリティベンダーと提携するか、この機能を社内開発しています。これらのベンダーは、既知のランサムウェア亜種やゼロデイ攻撃を特定する能力によって差別化を図っています。最近のイノベーションとしては、YARAルールスキャンを利用したマルウェア検出、セキュリティベンダーフィードの統合、ハッシュベースの追跡を利用してIoCのフラグ付けを行う高度な脅威ハンティングがあります。
  • ベンダーホスト型ストレージ:現在、複数のベンダーが、自社でホストするクラウドストレージを提供しています。これらは、しばしば変更不可能なデータ保管庫 (IDV) やクラウド保管庫と呼ばれます。先行するベンダーは、定期的なテスト、クリーニングと検証、復旧の実行を容易にするためのオーケストレーションサービスを導入し、as-a-serviceオファリングを拡張しています。
管理と導入のオプション
  • SaaSベースのコントロールプレーン:ベンダーは、顧客が自社のパブリック クラウドやデータセンターで管理および展開していたプラットフォームに置き換わる、ベンダーがホストする中央管理プラットフォームを提供するケースが増えています。
  • BaaS製品:大手バックアップベンダーは、オンプレミス、IaaS、PaaS、SaaS環境を取り込むようBaaS機能を拡張しています。Gartnerの顧客は、BaaS製品に投資して、オンプロミスのバックアップ展開を補完し、一部のオンプレミスのワークロードだけでなく、エッジやパブリック クラウドを含む、環境の保護を簡素化しています。
  • マルチクラウドストレージオプション:ベンダーはホステッドデータプレーンアーキテクチャを拡張し、顧客が複数のクラウドストレージターゲットオプションの中から選択できるようにしています。
クラウド環境の保護
  • クラウドネイティブのアプリケーションとデータ保護:この市場のベンダーは、クラウドネイティブなアプリケーションを保護するために、追加のクラウドサービスの対応範囲を拡大しています。要件の範囲は幅広く、ベンダー各社は、より多くのIaaSおよびPaaSインフラと、複数のクラウドデータ所在地の広がりにペースを合わせる必要があります。
  • マルチクラウドの保護:企業が複数のクラウド環境にアプリケーションやワークロードを展開する中で、マルチクラウド環境と統合して保護するソリューションの重要性が一層高まっています。
  • クラウドアプリケーションとインフラの復旧:先行するベンダー各社は、アプリケーションをバックアップおよび保護し、フェイルオーバーをテストおよび実行し、アプリケーション全体とデータ環境を復旧するため、アプリケーションインフラとクラウドサービスのディスカバリーに加え、自社、サードパーティ、またはパブリックのクラウドサービスとの統合を追加しています。
SaaSアプリケーションの保護
  • SaaSアプリケーション保護のサポート:本調査で評価したほとんどのベンダーは、パートナー経由でのMicrosoft 365やSalesforceバックアップの提供、またはこれらの機能の社内開発を開始しています。ベンダーは、他のSaaSアプリケーションを保護し、新しいアプリケーションとの統合を加速するためのイノベーションを進めています。市場では、Microsoft Dynamics 365、Microsoft Power Apps、Atlassian Jira、ServiceNowなどのアプリケーション向けに、追加のSaaSアプリケーション保護の製品を市場で入手できます。
  • アイデンティティアクセス管理(IAM)のバックアップと復旧:ベンダー各社は、重要なアイデンティティアクセス管理データのバックアップおよび復旧機能を導入しています。これらの機能によって、Microsoft Active Directory、Microsoft Entra ID、OktaなどのIAMオファリングの保護ときめ細かい復旧が容易になります。最近の進歩としては、Microsoftのベストプラクティスに従ったMicrosoft Active Directoryのフォレストレベルの復旧のオーケストレーションがあります。
AI/MLおよびGenAIの実装
  • 人工知能/機械学習 (ML)の利用:ベンダーは、ランサムウェアの異常検知機能やカスタマーサポートの強化のために、AI/MLベースのアルゴリズムを導入しています。
  • 生成AIの機能を拡充:この市場で先行するベンダーは、生成AIベースの機能を急速に導入しています。これらのソリューションは、主にバックアップ管理のタスクやトラブルシューティングを支援することを目的としています。これらの実装には、チャットボットの利用や自然言語による対話チャット、AIベースの応答が含まれます。生成AIの活用は、復旧のスピードアップや管理のさらなる簡素化を目的とする、高度な自動化につながることが期待されています。
  • エージェンティックAIの出現:バックアップエージェントを使用してタスクを自動化するベンダー機能が出現しつつあります。現在の機能は、ガイダンスベースの運用モードで動作します。

評価基準の定義


実行能力

製品/サービス:ベンダーが特定の市場に向けて提供する主要な製品およびサービス。これには、自社から直接提供するか、OEM契約およびパートナーシップによって提供するかにかかわらず、前述の市場定義で定義し、小項目で説明したように、現在の製品およびサービスの能力、品質、機能群、スキルなどが含まれます。
企業としての全体的な存続性:存続性には、総合的な企業の財務健全性、事業単位の財務上および実務上の成功、さらに個々の事業単位が製品に対して引き続き投資し、継続的に製品を提供し、企業の製品ラインを最先端のものに改善していく見込みに対する評価が含まれます。
販売実行能力/価格設定:プリセールスの全活動におけるベンダーの能力およびそれらの活動をサポートする体制。これには、取引管理、価格設定および交渉、プリセールスのサポート、ならびに販売チャネルの全体的な有効性が含まれます。
市場対応力/実績:ビジネスの機会が広がり、競合他社が行動し、顧客のニーズが進化し、市場ダイナミクスが変化する中で、対応し、方針を変更し、柔軟性を持ち、競争に勝つ能力です。この基準では、ベンダーの過去の対応実績についても考慮します。
マーケティングの実行能力:企業メッセージを伝えるために立案されたプログラムの明瞭さ、質の高さ、創造性および有効性。これらは、市場に影響を与え、ブランドや事業を推進し、製品の知名度を向上させるとともに、製品/ブランドおよび企業に対するポジティブな印象を購入者の意識に植え付けることを目的としています。この「マインドシェア」は、宣伝、販売促進活動、ソート リーダーシップ、口コミ、および販売活動が一体となって促進されます。
カスタマー エクスペリエンス:評価対象の製品を使って顧客が成功を収めるために役立つ、顧客との関係、製品、サービスおよびプログラム。これには特に、顧客が受ける技術サポートやアカウント サポートの体制が含まれます。また、補助的なツール、カスタマー サポート プログラム(およびその品質)、ユーザー グループの有無、サービス品質保証なども含まれます。
運用:目標やコミットメントの達成に向けた企業の能力。この要素としては、組織構造の質が挙げられます。これには組織が効果的かつ効率的に事業を継続するために必要なスキル、経験、プログラム、システムおよびその他の手段が含まれます。

ビジョンの完全性

市場の理解:購入者の要望やニーズを理解し、その理解を製品やサービスに反映させるベンダーの能力。最高水準のビジョンを示すベンダーは、購入者の要望やニーズに耳を傾けて理解し、自分たちの新たなビジョンを加えて、その要望やニーズを形にしたり強化したりできます。
マーケティング戦略:明確かつ差別化された企業メッセージを組織全体で一貫して共有し、またWebサイト、広告、顧客プログラムおよびポジショニング ステートメントを介して外部に向けて発信すること。
販売戦略:直接および間接販売、マーケティング、サービスおよびコミュニケーション関連会社などのネットワークを効果的に活用する製品販売戦略。マーケットリーチ、スキル、専門性、テクノロジー、サービスおよび顧客基盤の範囲と深さを拡げます。
オファリング(製品)戦略:現在と将来の課題を明確にすると同時に、他社との違い、機能性、方法論および機能群に重点を置いた、ベンダーによる製品開発および製品販売のアプローチ。
ビジネスモデル:ベンダーの基本的なビジネス提案における健全性および論理性。
垂直/業界戦略:垂直市場など、個別の市場区分が抱える特定のニーズを満たすことを目的として、リソース、スキルおよびサービスを割り当てるベンダー戦略。
イノベーション:投資、統合、守備的もしくは先制的な目的のために、リソース、専門性もしくは資本を直接的、間接的、補完的、および相乗的に配置すること。
地理的戦略:「本拠地」である自社の国や地域外の場所でその特有のニーズを満たすことを目的として、直接、またはパートナー、チャネル、子会社を通じて、その地域および市場に合わせた方法で、リソース、スキルおよびサービスを割り当てるベンダー戦略。
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