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マジック クアドラント エンドポイント保護部門

2026年5月26日 - ID G00838669 - 読了時間41分
執筆者: Deepak Mishra、Evgeny Mirolyubov、Nikul Patel
AIの急速な普及と、サプライヤー主権に関する新たな要件によって、エンドポイント保護製品を選択する際の購入者の優先事項が形になりつつあります。購入者はベンダーを選定するにあたり、主権に関する目標に加え、企業のエンドポイントにおけるAIの検出と利用の制御に関する要件も考慮に入れなければならなくなっています。

戦略計画の前提条件


2028年までに、エンドポイント保護ベンダーの90%が、AIの検出機能と利用制御機能を提供するようになると予測されています。
2029年までには、中規模企業の30%がエンドポイント、データ セキュリティ、アイデンティティ セキュリティの機能を単一のワークスペース セキュリティ プラットフォームに集約して、包括的な保護とポリシーの一元管理を可能にするとも予測されています。
さらに、エンドポイント セキュリティ ツール、管理プロセス、運用チームを統合した企業は、2029年までにインシデント対応時間を少なくとも40%短縮することになると予測されています。

市場の定義/説明


Gartnerが定義するエンドポイント保護とは、デスクトップPC、ノートパソコン、仮想デスクトップ、モバイル デバイス、さらに場合によってはサーバーも含むマネージド エンドポイントを、悪意のある既知および未知の攻撃から保護するためのセキュリティ ソフトウェアを指します。エンドポイント保護により、予防制御をすり抜けた脅威のインシデントを調査して修復するために必要なツールが、セキュリティ チームに提供されます。エンドポイント保護製品はソフトウェア エージェントとしてエンドポイントにデプロイされて、一元化されたセキュリティ分析・管理コンソールに接続されます。
エンドポイント保護では、静的解析や挙動解析などのセキュリティ手法を組み合わせた防御的セキュリティ管理によって、未知のマルウェアやファイルレス攻撃からエンドユーザーのエンドポイントを保護します。また、脅威へのエクスポージャを制限するために、デバイス制御、ホスト ファイアウォール管理、アプリケーション制御といった、攻撃対象領域を縮小するための機能を活用します。企業は、エンドポイントの攻撃対象領域を縮小し、侵害のリスクを最小限に抑えるための多層防御戦略の一環として、エンドポイント保護を導入しています。予防制御をすり抜けた脅威の発見、調査、対処を支援する、エンドポイント保護による検知・対応機能は、通常はより包括的な脅威検出・調査・対応(TDIR)製品に統合されています。

必須の機能

  • リアルタイム スキャンとマルウェア対策手法により、エンドポイントをマルウェアから保護します。
  • 各種オペレーティング システムに対応するデバイス制御、ホストベースのファイアウォール管理、エクスプロイト保護、アプリケーション制御などの機能により、エンドポイントの攻撃対象領域を縮小します。
  • エンドポイント、アプリケーション、およびエンドユーザー アクティビティに関する挙動分析を使用して、エンドポイントの脅威を検知し、ブロックします。

オプション機能

  • リアルタイムのテレメトリ収集、カスタマイズ可能な検知、インシデント発生後の調査と対応を可能にする、エンドポイント検知・対応(EDR)機能を統合します。
  • エンドポイントにおけるソフトウェアやオペレーティング システムの脆弱性および設定ミスを評価し、各種OS向けの組み込み型または統合型のパッチ管理および仮想パッチ適用をサポートします。
  • リムーバブル メディア、印刷、Bluetooth、ブラウザを介した機密データの引き出しを特定、防止するための統合型エンドポイント データ損失防止機能を提供します。
  • 構成に関するベスト プラクティスや新たな脅威を踏まえた、エンドポイント保護ポリシーと設定の継続的な評価と最適化を実現します。
  • ワークスペース セキュリティ プラットフォームと、メール セキュリティ、セキュリティ サービス エッジ、アイデンティティ保護、データ セキュリティ制御、エンドポイント管理ツール、セキュア エンタープライズ ブラウザと統合します。
  • 複数のセキュリティ対策にわたるテレメトリの収集、相関付け、調査、修復を可能にする、ネイティブおよびサードパーティTDIR製品と統合します。
  • サポートが終了したOS、一般的ではないOS、または従来のサーバー ワークロードへの保護の拡張をサポートします。
  • アラートの要約、コンテンツ作成、および対応のガイダンスに対応するための組み込みサイバーセキュリティAIアシスタントを搭載しています。

マジック クアドラント


図1: マジック クアドラント エンドポイント保護部門
The Magic Quadrant for Endpoint Protection shows 13 providers positioned in a scatterplot with the x-axis rating their Completeness of Vision and the y-axis rating Ability to Execute. This chart is split into quadrants with the top right labeled as Leaders, top left as Challengers, bottom left as Niche Players, and bottom right as Visionaries. As of 21 May 2026, the Leaders are CrowdStrike, Microsoft, Palo Alto Networks, SentinelOne, Sophos, TrendAI; the Challenger is ESET; the Visionaries are Bitdefender, Check Point Software Technologies; and the Niche Players are Broadcom, Fortinet, Trellix, WithSecure.
ベンダーの強みと注意点
Bitdefender

Bitdefenderは、このマジック クアドラントでは「概念先行型」に位置付けられています。同社はルーマニアのブカレストに本社を置くベンダーです。同社の主力エンドポイント保護製品はBitdefender GravityZoneです。同社はクラウド提供型の管理とハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。Bitdefender GravityZoneは、使いやすさと強力なTDIR機能を兼ね備えた成熟度の高いエンドポイント保護ソリューションを求めている中小企業に最適な製品です。
この1年間におけるBitdefenderの主な製品開発は以下の通りです。
  • ネットワーク脆弱性スキャナー: ネットワークベースのスキャンによってエンドポイントの脆弱性評価を拡張し、外部に公開されているサービス、オープン ポート、および共通脆弱性識別子(CVE)を特定します。
  • コンプライアンス マネージャー: NIST、CIS Controls、NIS2、GDPRなどの規格に基づく、継続的なコンプライアンス監視、是正措置、コントロール マッピング、レポートを支援します。
さらに同社は、OVHcloud(フランス)およびsecunet(ドイツ)との新たなソブリン クラウド パートナーシップを開始し、EU域内のホステッド環境向けにGravityZoneを提供しています。同社はMesh Security (メール セキュリティ)も買収しています。Bitdefenderの2026年のロードマップには、エクスポージャ管理を強化するための侵害経路予測機能に加え、企業が社内におけるAI利用状況を把握し制御できるよう支援するAIセキュリティが含まれています。
強み
  • 製品戦略: Bitdefenderは、エンドポイント保護市場における新たな顧客ニーズに応じ、継続的な投資を行っています。これには、Proactive Hardening and Attack Surface Reduction (PHASR)という直感的で緊密に統合された製品コンソールへの投資と、組織がAIを検出して利用を管理できるよう支援することを目的とした製品ロードマップへの投資が含まれます。
  • 地理的戦略: この製品コンソールは多言語に対応しており、Bitdefenderでは欧州、北米、アジア太平洋地域でSaaSクラウド ホスティングPoPを利用可能にしています。最近ではフランスおよびドイツにおいてソブリン ホスティングを選択できるようになったことから、欧州企業はより多くの選択肢から導入方法を選べます。
  • 価格設定: 提供される機能の幅広さと深さを踏まえると、Bitdefenderのエンドポイント保護製品の価格設定には本マジック クアドラントの他のベンダーよりも競争力があります。
注意点
  • 運用: 本マジック クアドラントにおいて、Bitdefenderは依然として小規模プロバイダーの一つであり、事業の多角化の度合い、リソースの充実度、企業としての認知度は「リーダー」には及びません。
  • 販売戦略: Gartnerクライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、「リーダー」と比べ、Bitdefenderがエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙げられる頻度は低くなっています。
  • 市場対応力と実績: エンドポイント保護市場におけるBitdefenderのシェアは、依然として本マジック クアドラントの「チャレンジャー」や「リーダー」を下回っています。
Broadcom

Broadcomは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられています。同社は米国カリフォルニア州パロアルトに本社を置くベンダーです。Broadcomが提供しているエンドポイント保護製品には Symantec Endpoint Security (SES) CompleteとCarbon Black Cloudの2種類があります。Broadcomはクラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。同社のエンドポイント保護製品は、大規模なグローバル企業や、すでにBroadcomのポートフォリオに投資している企業に適しています。
この1年間におけるBroadcomの主な製品開発は以下の通りです。
  • SES Completeでのインシデント要約ビュー: 各インシデントの優先度、重要度、影響を受けたエンティティ、推奨される修復措置などを要約したタイムラインを提示します。
  • Symantec Endpoint Securityエージェントの統合: Broadcomのエンドポイント保護、Webセキュリティおよびセキュア アクセス エージェントの統合により、エージェント管理のオーバーヘッドを削減することを目指しています。
同社はさらに、Symantecの防御、保護、データ セキュリティ、セキュアWebゲートウェイ機能とCarbon Blackの検知・対応技術を統合した、Symantec CBX (Carbon Black XDR)を発表しました。Symantec CBXの目的は、Broadcomのサイバーセキュリティ ポートフォリオ全体にわたる可視性、脅威検知・対応能力を強化することです。
Broadcomは、2026年のロードマップについての情報を開示していません。
強み
  • 業種戦略: Broadcomは、厳しく規制されている組織が必要とするエアギャップ環境への導入を含め、オンプレミスでのエンドポイント保護管理機能をサポートしています。
  • 企業としての全体的な存続性:Broadcomは、サイバーセキュリティおよびインフラ製品の幅広いポートフォリオを有する、資金力のある大手ベンダーです。同社はエンドポイント保護製品に関して、段階的な機能強化とバグ修正を継続的に行っています。
  • 地理的戦略: SES Completeの管理ダッシュボードは、英語のほか、複数の欧州言語とアジア言語に対応しているため、国際的な運用チームに役立ちます。
注意点
  • 顧客エクスペリエンス: Broadcomが主に対象としているのは極めて大規模な組織であるため、小規模企業に対して直接効果的な販売やサポートを行い、信頼関係を築く能力は限られています。Broadcomは同社のCatalystパートナー プログラムを通じて、中小企業をサポートしています。
  • イノベーション: BroadcomのR&D活動は、エンドポイント保護製品の段階的な機能強化と統合に重点を置いており、シャドーAIやエンタープライズAIの導入といった新たなリスクへの注力は限られています。
  • 市場対応力と実績: Broadcomのエンドポイント保護製品は主に、同社のより包括的なサイバーセキュリティ ポートフォリオを積極的に採用している既存の顧客にとって魅力的です。
Check Point Software Technologies

Check Point Software Technologiesは、このマジック クアドラントでは「概念先行型」に位置付けられています。同社はイスラエルのテルアビブに本社を置くベンダーです。同社の主力エンドポイント保護製品はCheck Point Harmony Endpointです。同社はクラウド提供型の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。Check Point Harmony Endpointは、Check PointのHarmonyワークスペース製品スイートに投資している企業に最適な製品です。
この1年間におけるCheck Pointの主な製品開発は以下の通りです。
  • 検疫管理の統合: エンドポイント製品とメール セキュリティ製品の全体にわたり、隔離されたファイルやコンテンツの管理を一元化します。
  • AIの利用制御: エンドポイント エージェントとブラウザ拡張機能の両方を活用し、従業員によるAI利用の検出、リスクのスコア化、制御を強化します。
Check Pointの2026年のロードマップには、リスクに基づく製品横断的な構成評価および修復機能に加え、エンドポイント、メール、ブラウザ、モバイル、エクスポージャ管理製品の全体にわたる、より統合されたインシデント相関分析と調査エクスペリエンスが含まれています。
Check Pointは過去1年間で、Lakera、Cyata、Cyclops Security、Veritiを買収し、AI利用制御、エクスポージャ管理、セキュリティ対策の自動評価機能を強化しました。
強み
  • 市場の理解: Check Pointは、買収と自社開発を通じてエンドポイントおよびワークスペース セキュリティのポートフォリオを拡充し、ターゲットとする顧客にとっての重要性を高めています。
  • 地理的戦略: 同社は、オンプレミス管理への対応に加え、欧州、北米、アジア太平洋、中東を含むほとんどの主要地域で1つ以上のSaaS PoPに対応しています。
  • 価格設定: 幅広い予防機能、保護機能、データ セキュリティ機能を踏まえると、Check Pointのエンドポイント保護製品の価格には、マジック クアドラントの他のベンダーよりも競争力があります。
注意点
  • 製品: 主にスキャン実行中のシステムリソース消費量の増加により、Harmony Endpointが保護対象エンドポイントの動作速度を低下させる場合があるとの報告が顧客から寄せられています。
  • 市場対応力と実績: エンドポイント保護市場におけるCheck Pointのシェアは、依然として「チャレンジャー」や「リーダー」と比べて低い水準にとどまっています。
  • 販売戦略: Gartnerのクライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、本マジック クアドラントの「リーダー」と比べて、Check Pointがエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙がることは稀です。
CrowdStrike

CrowdStrikeは、このマジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は米国テキサス州オースティンに本社を置くベンダーであり、CrowdStrike Falconを主力エンドポイント保護製品としています。同社は、クラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理にのみ対応しています。CrowdStrike Falconは、より包括的なTDIR対応製品の一部として成熟度の高いエンドポイント保護を求めている組織に最適な製品です。
この1年間におけるCrowdStrikeの主な製品開発は以下の通りです。
  • リードの自動化: セキュリティ調査を支援することを目的に、関連するイベント、インジケーター、検知結果をより忠実度の高いリード(手掛かり)にグループ化する、検知機能の強化。
  • Charlotte AIエージェント: 脅威の調査、影響範囲の特定、調査結果の文書化を実行する、セキュリティ アナリスト向けの自動化機能。
CrowdStrikeの2026年のロードマップには、正規のアプリケーションの悪用を防止する機能(リモート管理ツールなど)や、Anthropic Claude、OpenAI Codex、Microsoft CopilotといったセキュアAIアシスタントを強化する機能が含まれています。 CrowdStrikeは、サウジアラビア、インド、アラブ首長国連邦でのSaaS PoP新設の計画を発表しました。さらに、Schwarz Groupとのソブリン クラウド パートナーシップにより、EU域内でホストされるSTACKIT環境で今後Falconを提供することも発表しています。
CrowdStrikeはこの1年間で、SGNL(アイデンティティセキュリティ)、Seraphic Security (セキュア エンタープライズ ブラウザ)、Onum (テレメトリ パイプライン)、Pangea (AIアプリケーション セキュリティ)を買収しました。
強み
  • 顧客エクスペリエンス: アカウント管理、テクニカル サポート、マネージド サービスの即応性と有益性が顧客から評価されており、その結果、CrowdStrikeの全体的な信頼性が高まっています。
  • 製品戦略: CrowdStrikeは、市場における強固な地位と製品拡大への継続的な投資を活かし、提供するソリューションの幅を急速に拡大してきました。これらのソリューションはすべて、単一の軽量なエンドポイント エージェントおよび管理コンソールを基盤に構築されています。このアプローチにより、アイデンティティ保護、エクスポージャ管理、セキュリティ運用、AIセキュリティなどの多岐にわたる既存の課題と新しい課題に顧客が対処できるようにしています。
  • 製品: CrowdStrikeは、パフォーマンスへの影響が軽微であるという点と、成熟したクラウドベースの管理、高度なEDR機能、そしてデータ セキュリティ機能の成熟度の向上という点で際立っています。
注意点
  • 価格設定: CrowdStrikeは、本マジック クアドラントの他のベンダーと比べると、依然として高価格帯のエンドポイント保護ソリューションとなっています。
  • 地理的戦略: 最近の発表にもかかわらず、顧客や見込み客にとってドイツおよび米国以外の地域でのクラウド ホスティングPoPの選択肢は依然として限られています。
  • 業種戦略: Falconは、オンプレミスでのエンドポイント保護管理を必要とする企業、プロキシ アクセスなしでエアギャップ環境を保護する必要がある企業、あるいは米国以外で完全な運用上および技術上の主権を追求する企業には、適していません。
ESET

ESETは、このマジック クアドラントでは「チャレンジャー」に位置付けられます。同社はスロバキアのブラチスラバに本社を置くベンダーです。同社の主力エンドポイント保護製品はESET PROTECTです。同社はクラウド提供型の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。ESET PROTECTは、成熟したエンドポイント防御および保護機能を求めている中小規模の組織に最適な製品です。
この1年間におけるESETの主な製品開発は以下の通りです。
  • インシデント グラフの拡張: 相関分析やインシデント調査を強化できるよう、攻撃のタイムラインとエンティティ間の関係を可視化するビューを提供します。
  • Linuxエージェントの改善: パッチ管理およびネットワーク分離機能の追加により、Linuxエンドポイントにおける攻撃対象領域を縮小し、脅威への対応を強化します。
ESETの2026年ロードマップには、サードパーティのハイブリッド メッシュ ファイアウォール プロバイダーとの連携強化に加え、オンプレミスのMicrosoft Active DirectoryやMicrosoft Entra IDといった統合型認証インフラストラクチャのプロバイダーへの対応が含まれています。これらの機能強化は、アイデンティティ脅威の検知・対応能力の向上を目的としています。
強み
  • 顧客エクスペリエンス: ESETのテクニカル サポートは、その有用性と迅速さによって顧客から評価されています。確実な保護能力に加え、日常的な管理タスクにおける使いやすさは、ESETのターゲット層にとって望ましい顧客エクスペリエンスをもたらします。
  • 企業としての全体的な存続性: ESETの収益の大部分は、SMBおよびMSEセグメントへのエンドポイント保護製品の販売でなりたっています。本市場におけるESETの確かな存続可能性は、その長い歴史と安定した実績によって裏付けられています。
  • 価格設定: 本マジック クアドラントの他のベンダーと比べ、ESETのエンドポイント保護製品の価格設定には概して競争力があります。
注意点
  • 製品戦略: ESETにおけるR&D活動は、ギャップの解消、サードパーティ統合の拡大、シグナル相関性の向上に重点を置いています。同社の製品は今のところ、データ セキュリティ機能やAIの利用制御機能を備えていません。これらの機能は購入者からの需要が高まっており、本マジック クアドラントでもこれらの機能を提供するベンダーが増えつつあります。
  • 市場の理解: ここ1年、ESETは市場を牽引するのではなく追随する形となっており、シャドーAIやエンタープライズAIの導入などのエンドユーザーが直面している新たな課題への対応が遅れています。
  • 販売戦略: Gartnerのクライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、本マジック クアドラントの「リーダー」と比べて、ESETがエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙がることは稀です。
Fortinet

Fortinetは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社は米国カリフォルニア州サニーベールに本社を置くベンダーであり、FortiEndpointを主力エンドポイント保護製品としています 同社はクラウド提供型の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。FortiEndpointは、Fortinetの幅広いワークスペース セキュリティ製品ポートフォリオに投資している企業に最適な製品です。
この1年間におけるFortinetの主な製品開発は以下の通りです。
  • FortiDLP: リムーバブルメディア、Webアプリケーション、AIアシスタントに対し、データ損失を防ぐことを目的としたデータの分類、検知・対応機能を追加します。
  • ブラウザ セキュリティ: ブラウザ固有の堅牢化、脅威からの保護、データ損失防止、サードパーティ拡張機能の管理に対応するブラウザ拡張機能を導入します。
Fortinetの2026年ロードマップでは、単一のエンドポイント エージェントとコンソールによる統合型の保護およびデータ損失防止を実現することを目的とした、FortiDLPとFortiEndpointの統合のさらなる緊密化が挙げられています。計画されている拡張機能には、ローカルにインストールされたAIアシスタント、Model Context Protocol (MCP)サーバー、プラグイン、AIブラウザの可視性と制御を実現するAIセキュリティも含まれています。
Fortinetはこの1年間で、Suridata (SaaSセキュリティ体制管理)を買収しました。
強み
  • 業種戦略: Fortinetは、官公庁や製造などの主要業種においてバランスの取れたプレゼンスを維持しています。また、同社はオンプレミス製品の強化に継続して取り組んでおり、クラウド提供型のソリューションとほぼ同等の機能を維持しています。
  • 価格設定: 本マジック クアドラントの他のベンダーと比べて、Fortinetのエンドポイント保護製品の価格設定には競争力があります。
  • 企業としての全体的な存続性: Fortinetは高い資金力を誇る大手ベンダーであり、複数の事業分野で安定した収益成長と強力な市場プレゼンスを示しています。統合型データ保護機能の強化を目的とした最近のエージェント統合の取り組みに見られるように、FortinetはFortiEndpointをはじめとするワークスペース セキュリティ技術への投資を継続しています。
注意点
  • 製品戦略: 非Windowsシステム向けのホスト ファイアウォール管理といった防御機能のリリースの遅れは、Fortinetの製品戦略の妨げとなっています。同社の製品はより広範なFortinetエコシステムの中で初めて真価を発揮します。単独で導入した場合、管理やセキュリティ運用に機能的な制約が生じる可能性があります。
  • 販売戦略: クライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、本マジック クアドラントの「リーダー」と比べて、Fortinetがエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙がることは稀です。
  • 市場対応力と実績:エンドポイント保護市場におけるFortinetのシェアは、依然として本マジック クアドラントの「リーダー」や「チャレンジャー」を大幅に下回っています。
Microsoft

Microsoftは、本マジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は米国ワシントン州レドモンドに本社を置くベンダーであり、Microsoft Defender for Endpointを主力エンドポイント保護製品としています。同社は、クラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理にのみ対応しています。Defender for Endpointは、より包括的なワークスペース セキュリティ ソリューションの一部として統合された成熟したエンドポイント保護を求めている企業や、Microsoftセキュリティ製品ポートフォリオに投資している企業に適しています。
この1年間におけるMicrosoftの主な製品開発は以下の通りです。
  • 予測シールド: 検出された進行中の攻撃(ランサムウェアなど)の拡散を阻止することを目的とした、ジャストインタイムのエンドポイント堅牢化を導入します。
  • Defender展開ツール: Microsoft Intuneを利用していない顧客を対象に、WindowsおよびLinuxの最新OSとレガシーOS環境の両方でエージェントのオンボーディングを改善する新しいツールです。
さらに同社は、アラブ首長国連邦のMicrosoft Azureクラウドおよび米国政府向けのその他のクラウドでも、Microsoft Defender for Endpointの提供を開始しました。
2026年のロードマップには、マルウェアのリバースエンジニアリングの強化を目的としたマルウェア分析用の新しいAIエージェントに加え、Microsoft Agent 365の一部としてローカルにインストールされたAIアシスタント、MCPサーバー、プラグイン、AIブラウザを可視化して制御するためのAIセキュリティ機能が含まれています。
強み
  • 製品: Defender for Endpointは、成熟したクラウドベースの管理機能、高度なEDR機能、Microsoft Defenderスイートとの緊密な統合、データ セキュリティ機能の成熟度の向上といった点で際立っています。
  • 製品戦略: Microsoftは、予測シールドなどの拡張機能を通じてエンドポイント保護製品を進化させ続けており、新たな顧客要件への対応という継続的な取り組みを実証しています。
  • 市場対応力と実績: Microsoftはエンドポイント保護市場で大きなシェアを占めています。特にMicrosoft 365 E5バンドルにより、購入者の検討対象として頻繁に挙げられています。
注意点
  • 販売実行能力: 顧客は、Microsoftのライセンス モデルが複雑で理解しづらいと報告しています。Microsoft Defender for Serversは、Microsoft 365 E3またはE5などのよく使われているパッケージには含まれていません。
  • 顧客エクスペリエンス: 顧客からは、製品の使いやすさやテクニカル サポートの問題解決力にばらつきがあるとの指摘が寄せられています。
  • 業種戦略: Defender for Endpointはオンプレミス管理をサポートしておらず、米国以外で完全な運用上または技術上の主権を追求する企業には適していません。
Palo Alto Networks

Palo Alto Networksは、本マジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置くベンダーであり、Cortex XDRを主力エンドポイント保護製品としています。同社は、クラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理にのみ対応しています。Cortex XDRは、より包括的なTDIR対応製品の一部として成熟度とカスタマイズ性に優れるエンドポイント保護を求めている組織に最適な製品です。
この1年間におけるPalo Alto Networksの主な製品開発は以下の通りです。
  • Cortex XDR Endpoint DLP : リムーバブル メディア、Webアプリケーション、AIアシスタントに対し、データ損失を防ぐためのデータ分類、検知・対応機能を追加します。
  • 動的ドライバー保護: シグネチャに依存することなく、ユーザーとカーネル間のやり取りの可視性を高め、悪意やカーネル ドライバーの悪用を検知します。
同社は、南アフリカ、ブラジル、インドにもクラウド ホスティングPoPを新設しました。
Palo Alto Networksの2026年ロードマップには、Koi Securityの買収に伴う、アプリケーション制御と許可リスト機能の強化に加え、ローカルにインストールされたAIアシスタント、MCPサーバー、プラグイン、AIブラウザの可視化と制御を実現するAIセキュリティ機能の導入が含まれています。その他に計画されている拡張機能としては、AIを活用した構成管理および脅威調査が挙げられます。
Palo Alto Networksはこの1年間で、Koi Security(エンドポイント向けAIセキュリティ)の買収に加え、CyberArk(特権アクセス管理)、Protect AI (AIアプリケーション セキュリティ)、Chronosphere(オブザーバビリティ ソリューション)も買収しました。
強み
  • 製品: Cortex XDRは、効果的な防御、保護、EDR機能に加え、柔軟なカスタマイズ性と自動化機能の点で、顧客から高く評価されています。
  • 製品戦略: Palo Alto Networksは、成熟したEDR、主要なOS間での防御および保護機能の同等性、成熟したクラウドベースの管理機能、エンドポイントDLP機能の拡充、そしてAIセキュリティに向けた強力なロードマップに投資しています。
  • イノベーション: カーネル ドライバーの挙動ベースの保護、エクスポージャの優先順位付けにおける制御コンテキストのさらなる活用、セキュリティ運用のための組み込みAIエージェントといった近年の開発成果は、エンドユーザーの新たなニーズに対応しようとする姿勢を如実に示しています。
注意点
  • 業種戦略: Cortex XDRは、Broker VMを提供しているものの、オンプレミス管理には対応していません。そのため、プロキシ アクセスなしでエアギャップ環境を保護する必要がある企業や、米国以外で完全な運用上および技術上の主権を追求する企業には適していません。
  • 価格設定: Cortex XDRは依然として高価格帯のソリューションです。顧客からは、更新時にライセンス費用が増加したという声がよく聞かれます。
  • 市場対応力と実績: エンドポイント保護市場における同社のシェアは、本マジック クアドラントの他の「リーダー」を依然として大幅に下回っています。
SentinelOne

SentinelOneは、このマジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は米国カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くベンダーであり、SentinelOne Singularityを主力エンドポイント保護製品としています。同社はクラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。SentinelOne Singularityは、成熟したエンドポイント保護に加え、使いやすさを重視した脅威の検知、調査、対応機能を求めている企業に最適な製品です。
この1年間におけるSentinelOneの主な製品開発は以下の通りです。
  • ラテラル ムーブメント対策: 平均対応時間の短縮を目的に、ラテラル ムーブメントを開始したデバイスの送信元IPに対するブロック能力を強化します。
  • DNS収集: DNSトンネリング、C2通信、ラテラル ムーブメントなどの脅威をエンドポイントレベルで検知する能力を強化するために、収集対象とするDNSテレメトリを拡大します。
同社はサウジアラビアにクラウド ホスティングPoPを新設しました。また、Google Cloud Platform上でSentinelOneの製品を提供するために、Googleとの新しいクラウド ホスティング パートナーシップを発表しました。
SentinelOneの2026年のロードマップには、ラテラル ムーブメントやコマンド アンド コントロール通信の検出精度の向上を目的とした、エンドポイント可視性のネットワーク テレメトリへの拡大や、リムーバブル メディアとWebアプリケーションでのデータ損失を防ぐための新しいエンドポイントDLP機能が含まれています。
SentinelOneはこの1年間で、Prompt Security (AI利用制御)およびObservo AI(テレメトリ パイプライン)を買収しました。
強み
  • 製品戦略: SentinelOneの製品戦略とセキュリティ ロードマップでは、新たな顧客ニーズに応じるために、検知・対応機能の強化、ネットワーク テレメトリによる可視性の拡大、サポート対象の全OSにおける強力な機能同等性の維持を計画しています。このプラットフォームは、サードパーティ製品との強固なTDIR統合を提供しており、今後はエンドポイントDLP機能の追加や、AI利用制御のためのPrompt Securityの統合も計画されています。
  • 市場の理解: 特にPrompt Securityの買収などから、同社がエンドポイント保護市場の動向を深く理解していることが窺えます。
  • 市場対応力と実績: エンドポイント保護市場におけるSentinelOneのシェアは、本マジック クアドラントに掲載されている他のほとんどのベンダーを上回っています。
注意点
  • 地理的戦略: 多岐にわたる地域で事業を展開している競合他社と比べると、北米・欧州以外の市場への浸透は依然として限定的です。
  • 販売戦略: Gartnerクライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、購入者がSentinelOneを検討候補に挙げる頻度は、例年よりも低下しています。
  • イノベーション: SentinelOneによる最近のイノベーション(高度なDNS収集、ラテラル ムーブメント対策など)が、より広範なエンドポイント保護市場を開拓していく可能性は低そうです。
Sophos

Sophosは、このマジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は英国アビンドンに本社を置くベンダーであり、Intercept Xを搭載したSophos Endpointを主力エンドポイント保護製品としています。同社は、クラウド提供型の管理にのみ対応しています。Intercept Xを搭載したSophos Endpointは、より包括的なワークスペース セキュリティ ソリューションに統合されたエンドポイント保護機能を求めている企業に最適な製品です。
この1年間におけるSophosの主な製品開発は以下の通りです。
  • Sophos Protected Browser: ブラウザ固有の脅威保護、セキュア アクセス、データ損失防止機能を統合した、堅牢なChromiumベースのブラウザを導入します。
  • Sophos AIアシスタント: アラートのトリアージ、インシデントの優先順位付け、脅威ハンティング、アナリスト向けガイダンスに対応する、組み込みのAIアシスタントを追加します。
同社は、リモート ワーカーおよびハイブリッド ワーカーを保護するためのSophos Workspace Protectionの提供を開始するとともに、アラブ首長国連邦にクラウド ホスティングPoPを新設しました。
2026年のロードマップには、サードパーティ テレメトリの取り込み、長期間にわたるデータ保持、カスタムのデータ解析、およびコンプライアンス レポート作成に対応する機能を提供する(2025年のSecureworksの買収による)新しいSIEMソリューションが含まれています。この製品には(2026年のArco Cyberの買収による)新しい継続的コントロール監視ソリューションも備わってます。このソリューションでは、コントロールの有効性を評価した上で、それらをリスク/コンプライアンス フレームワークにマッピングして、経営陣の意思決定を支援します。
強み
  • 運用: Sophosは、Secureworksの買収を足掛かりに、品質保証チームの増員、顧客へのリーチ拡大、世界規模のプレゼンス拡大を図ることで、業務遂行能力を強化しました。
  • 企業としての全体的な存続性: 安定した収益成長、収益の大半を占めるエンドポイント保護製品の売上、そして長年にわたる市場での存在感は、エンドポイント保護ソリューションへの継続的な取り組みを物語っています。
  • 価格設定: 本マジック クアドラントの他のベンダーと比べて、Sophosのエンドポイント保護製品の価格設定には、概して競争力があります。従業員が複数のデバイスを使用している企業にとって、ユーザー単位のライセンス モデルは魅力的です。
注意点
  • 業種戦略: Sophosはオンプレミスでの管理機能を提供していません。そのため、同社の製品は、サポート対象のPoP以外の場所でデータ主権を必要とする企業には適していません。
  • 販売戦略: クライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、本マジック クアドラントの他の「リーダー」と比べて、Sophosがエンタープライズエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙がることは稀です。
  • イノベーション: 最近のR&D活動での重点は、イノベーションの実現というよりは、エンドポイント エージェントのパフォーマンス向上やアラート要約のためのAI支援機能の追加などといった、既存製品の機能不足の解消に置かれています。
Trellix

Trellixは、本マジック クアドラントでは「特定市場指向型」に位置付けられます。同社は米国テキサス州フリスコに本社を置くベンダーであり、Trellix Endpoint Security Solutionsを主力エンドポイント保護製品としています。同社はクラウド提供型(AWS GovCloudを含む)の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。Trellix Endpoint Security Suiteは、きめの細かいカスタマイズ性を備えた包括的なオンプレミス エンドポイント保護を必要としている企業に最適な製品です。
この1年間におけるTrellixの主な製品開発は以下の通りです。
  • ランサムウェア検知: 挙動に基づくルールに偽のベイト(おとり)ファイルを組み合わせて、ランサムウェア検知の有効性と軽減効果を高めます。
  • 単一エージェントでのフォレンジック データ収集機能の強化: 調査を支援するために、コマンド シェル履歴、PowerShell履歴、メモリ取得、ファイルおよびディレクトリ レコードを収集するアクションを追加します。
同社の2026年のロードマップには、共通のUXデザイン、アラート管理、検索、管理プレーンといった、オンプレミス製品コンポーネントのさらなる統合が挙げられています。その目標は、Trellixポートフォリオ全体の有用性の向上です。機能強化の計画では、攻撃チェーンの早い段階で、組織全体でのランサムウェア対応を加速することも焦点となっています。
強み
  • 地理的戦略: Trellixは、北米、欧州、オーストラリア、シンガポール、インドを含む主要市場に複数のSaaS PoPを展開し、世界中の顧客に多言語でのサポートを提供しています。
  • 業種戦略: 同社は、厳しく規制されている組織が必要とするエアギャップ環境への導入など、オンプレミス管理ソリューションの改善に対する支援と投資を行っています。
  • 価格設定: 本マジック クアドラントの他のベンダーと比べて、Trellixのエンドポイント保護の価格設定には概して競争力があります。
注意点
  • 製品戦略: Trellixは同社のオンプレミス ソリューションの機能的同等性、検知機能の改善、カスタマイズ可能なアラート、リモート シェル、設定可能なデータ保持を通じて、製品の機能不足を解消することに注力しています。この製品にはAIの検出機能と利用制御機能が依然として欠けていますが、これらの機能は購入者からの需要が高まっており、本マジック クアドラントでもこれらの機能を提供するベンダーが増えつつあります。
  • 市場対応力と実績: Gartnerの市場占有率評価、シート数の推定、クライアントへの聞き取り調査によると、Trellixのエンドポイント保護市場におけるシェアは、本マジック クアドラントの主要プロバイダーと比べて低下しています。
  • 販売戦略: クライアントへの聞き取り調査やPeer Insightsのフィードバックによると、本マジック クアドラントの「リーダー」と比べて、Trellixがエンドポイント保護プロバイダーとして検討候補に挙がることは稀です。
TrendAI

TrendAIは、本マジック クアドラントでは「リーダー」に位置付けられます。同社は日本の東京都に本社を置くベンダーです。同社の主力エンドポイント保護製品はTrend Vision One Endpoint Securityです。同社はクラウド提供型の管理と、ハイブリッドおよびオンプレミス(エアギャップ環境を含む)管理に対応しています。 Trend Vision Oneは、より包括的なワークスペース セキュリティ ソリューションの一部として統合されている成熟度の高いエンドポイント保護を求めている企業に最適な製品です。
この1年間におけるTrendAIの主な製品開発は以下の通りです。
  • 除外項目の推奨: 運用上の負荷の軽減を目的に除外管理機能を拡張し、エンドポイントのコンテキストに基づく推奨事項を提示します。
  • データ セキュリティの強化: 機密データを分類し、TrendAIが保護対象とする環境全体でその移動を追跡するデータ セキュリティ センサーを追加します。
同社はカナダ、英国、南アフリカでもクラウド ホスティングPoPを新設しています。
TrendAIの2026年ロードマップには、未公開のエンドポイント脆弱性情報やTrendAIによる脅威インテリジェンスへの早期アクセスを可能にする、脆弱性評価機能の強化が含まれています。さらに、このロードマップでは、脅威検知の精度を向上させるために、テレメトリ、セキュリティ イベント、コンテキスト、インテントの相関分析の強化も挙げられています。
強み
  • 製品戦略: TrendAIは、自社のエンドポイント保護製品に継続的に投資しており、レガシー バージョンを含む幅広いオペレーティング システムをサポートしています。データ セキュリティ、攻撃経路のマッピング、適応型保護といった最近の機能拡張は、新たに生じつつある購入者のニーズに即しています。このロードマップは、エンドポイント保護市場における同社の地位をさらに強化すべく、堅牢化ルール、ブラウザベースのプロンプト インジェクション保護、AI利用の検出を通じて攻撃対象領域を縮小することに重点を置いています。
  • 製品: TrendAIの強力な防御機能、クラウドベース/ハイブリッド/オンプレミスの管理、幅広いOSサポート、ワークスペース セキュリティ機能は、顧客から高く評価されています。
  • 価格設定: このマジック クアドラントの他のベンダーと比べて、TrendAIのエンドポイント保護製品の価格設定には概して競争力があります。
注意点
  • 販売戦略: 最近の顧客からのフィードバックでは、TrendAIのクレジットベースのライセンス モデルは分かりにくく、同社のより幅広い製品ポートフォリオ全体におけるクレジットの配分方法についての透明性が不十分であると指摘されています。
  • 企業としての全体的な存続性: エンドポイント保護市場におけるTrendAIの近年の収益成長率は、本マジック クアドラントの他の「リーダー」よりも低調でした。
  • 顧客エクスペリエンス: 最近の顧客フィードバックおよび第三者機関によるテスト結果からは、大量のアラートや、リソースを大量に消費するスキャンによって、エンドユーザー エクスペリエンスが損なわれ兼ねないことが読み取れます。分析期間中、サポートの品質に関する問題も一部の顧客から報告されています。
WithSecure

WithSecureは、このマジック クアドラントでは「特定市場指向型」に分類されます。同社はフィンランドのヘルシンキに本社を置くベンダーです。同社の主力エンドポイント保護製品はWithSecure Elements XDRです。同社は、クラウド提供型の管理とハイブリッドおよびオンプレミス管理に対応しています。WithSecure Elements XDRは中小規模の組織、特に欧州に本社を置く組織に最適な製品です。
この1年間におけるWithSecureの主な製品開発は以下の通りです。
  • 攻撃経路の可視化: 推奨する修復措置の優先順位付けを改善することを目的に、新しい脅威シミュレーション機能で潜在的な攻撃経路の可視化を支援します。
  • 統合機能の強化: サードパーティ製のセキュリティ オーケストレーション ツールとの連携を可能にできるよう、エンドポイント関連およびアイデンティティ関連の事前構築済み統合機能とAPIのライブラリを拡充しています。
WithSecureの2026年のロードマップには、AIを活用した脅威調査機能が盛り込まれています。その目的は、自動化、主な調査結果の要約、対応措置の推奨によって、運用上の負荷を軽減することです。また、SaaSアプリケーションのインベントリ、利用状況、サイバーセキュリティ評価にも対応することを目的とした、ソフトウェア インベントリおよびパッチ管理機能の強化も含まれています。
強み
  • 市場の理解: WithSecureは、エンドポイント保護市場の動向や競合他社の状況を深く理解した上で、欧州の企業が規制への対応や製品およびサービスに関するニーズを満たせるよう支援することに注力しています。
  • 業種戦略: WithSecureは、ドイツのAWS European Sovereign Cloud (ESC)上でサービス提供の開始を予定していると発表しました。この動きは同社のターゲット層のニーズに合致しており、データおよび運用上の主権の確保を目指す欧州の企業にとって魅力的です。
  • 価格設定: 本マジック クアドラントの他のベンダーと比べて、WithSecureのエンドポイント保護製品の価格設定には競争力があります。
注意点
  • 製品戦略: WithSecureによる最新のアップデートには、攻撃経路を可視化する脅威シミュレーションやAPIの強化などが含まれていますが、これらはイノベーションを推進するというよりも、主として製品の機能不足への対処であり、広範なエンタープライズ向けエンドポイント保護の状況に大きな影響を与える可能性は低いと考えられます。
  • 市場対応力と実績: エンドポイント保護市場におけるWithSecureのシェアは、依然として本マジック クアドラントの「リーダー」や「チャレンジャー」を下回っています。
  • 運用: WithSecureは、本マジック クアドラントの「リーダー」と比べて事業や地理的プレゼンスの多角化が進んでおらず、依然として比較的小規模な企業にとどまっています。特に、最近のサイバーセキュリティ コンサルティング事業の売却とそれに伴う人員削減により、その傾向は顕著となっています。

ベンダーの追加と除外

Gartnerでは、マジック クアドラントの採用基準について、市場の変化に応じて見直しと調整を行っています。こうした調整により、マジック クアドラントで評価対象となるベンダーは、時間の経過とともに変わってくる可能性があります。ある年のマジック クアドラントに含まれていたベンダーが翌年には含まれていなかったとしても、それは必ずしもGartnerがそのベンダーに対する意見を変えたことを意味するわけではありません。市場の変化やそれに伴う評価基準の変化を反映した可能性もあれば、そのベンダーが重視する対象が変化した可能性もあります。

追加

  • 今回、マジック クアドラントに追加されたベンダーはありません。

除外

  • Cisco
  • Cybereason

選定基準


Gartnerは、この調査において除外基準を定義していません。
本マジック クアドラントの評価対象となるには、プロバイダーがGartnerの調査プロセスが開始された時点(2026年2月9日)で、自社の主力エンドポイント保護製品により、エンドポイント保護市場の定義を満たすとともに、すべての選定基準を満たしている必要があります。また、評価対象となるには、製品と機能が一般に入手可能である必要があります。評価対象となるための要件:
  • 当該ソリューションが、少なくともWindows、macOSおよびLinuxオペレーティングシステムに対応していること。
  • 当該ソリューションが、予防、保護、検知・対応機能を1つのエージェントに統合していること。
  • 当該ソリューションが、エンドポイント セキュリティ手法、攻撃対象領域の縮小制御機能、さらにOSやエンドポイント アプリケーションの脆弱性評価を組み合わせた保護を適用していること。
  • 当該ソリューションが、リアルタイム(または、ほぼリアルタイム)の自動化されたエンドポイント テレメトリ収集機能に加え、検出のカスタマイズ、インシデント発生後の調査および対応機能を含む、組み込みのEDR機能を搭載していること。
  • 当該ソリューションが、重大度評価、プロセス ツリー、イベントやアラートのMITRE ATT&CKへのマッピングに対応し、根本原因分析と是正措置を支援していること。
  • 当該ソリューションが、エンドポイント保護ベンダーによって管理されるクラウドベース、SaaS型、およびマルチテナントによるセキュリティ分析および管理インフラストラクチャを提供していること。
  • 当該ソリューションが、ネイティブまたはサードパーティのTDIR対応製品と連携して、複数のセキュリティ管理策においてテレメトリ収集、関連付け、調査、対応を可能にしていること。
  • 当該ソリューションが、パートナーまたはベンダーが提供するサービス ラッパー(マネージド検知・対応(MDR)や共同管理セキュリティ モニタリングなど)と密接に連携するようになっていること。
  • ベンダーが、他の製品やサービスとは独立した形でエンドポイント保護ソフトウェアとライセンスを販売していること。
  • ベンダーが、自社でほとんどの検出コンテンツと脅威インテリジェンスを設計、所有、管理していること。OEMの強化は、OEMが主要な保護手段でない場合は許容されます。
  • ベンダーが、2026年2月9日から遡って24か月以内に、セキュリティの有効性に関する企業向けの認知度の高い公開テスト(MITRE Engenuity、AV-Comparatives、AV-TEST、SE Labs、MRG Effitasなど)の少なくとも2つに参加していること。
  • 2026年2月9日時点で、ベンダーが自社のエンドポイント保護で保護対象としている、本番環境でアクティブに管理されているエンドポイントが1,000万件を超えていること(OEM契約を通じて販売されたシートを除く)。そのうちの50万を超えるシートが、500シートを超えるアカウントのアクティブな本番環境にインストールされていること。北米または欧州を除く単一の地域で、企業顧客の割合が全顧客の60%を超えていないこと。

評価基準


実行能力

Gartnerのアナリストがベンダーの評価基準としているのは、ベンダーが競争上の優位性を維持して効率的かつ効果的に業務を行うため、および収益、顧客維持、評判を向上させるために使用している、プロセス、システム、手法、および手続きの品質と有効性です。マーケティングの実行能力は本市場の購入者には関連性がないため、評価基準となっていません。

表1: 実行能力の評価基準

評価基準 重要度
製品/サービス
企業としての全体的な存続性
販売実行能力/価格設定
市場対応力/実績
マーケティングの実行能力
評価対象外
顧客エクスペリエンス
運用
出典: Gartner (2026年5月)

ビジョンの完全性

Gartnerのアナリストは、現在および将来の市場の方向性、イノベーション、顧客ニーズ、および競合環境に関する各ベンダーの説明に明確かつ論理的な説得力があるかどうかを評価します。さらに、これらの説明がGartnerの市場に関する見解にどの程度合致するかについても評価します。マーケティング戦略とビジネス モデルは本市場の購入者には関連性がないため、評価基準となっていません。

表2: ビジョンの完全性の評価基準

評価基準 重要度
市場の理解
マーケティング戦略
評価対象外
販売戦略
サービス(製品)戦略
ビジネス モデル
評価対象外
業種/業界戦略
イノベーション
地理的戦略
出典: Gartner (2026年5月)

クアドラントの説明

リーダー

「リーダー」は、実行能力およびビジョンの完全性に関するすべての基準において、一貫して抜きん出た存在であることを示しています。「リーダー」は、成熟したエンドポイント テレメトリ対応、統合されたEDR機能、成熟したクラウドベースの管理を提供しています。「リーダー」は、双方向のワークスペース セキュリティ統合、包括的なエクスポージャ評価、TDIR機能を提供し、購入者がそのセキュリティ スタックを最適化できるようにしています。「リーダー」は、大きな影響を与える考え方と市場シェアを有しています。ただし、「リーダー」であるからといって、すべての購入者にとって当然の選択肢となるわけではありません。顧客は、「リーダー」のみから購入するのが当然だと考えるべきではありません。「リーダー」は、市場の現状を打破する「概念先行型」ほど、機敏に対応できないことがあります。

チャレンジャー

「チャレンジャー」は、エンドポイント保護の購入者のニーズを効果的に満たす、成熟したエンドポイント保護製品を提供しています。また、市場での認知度が高いため、「特定市場指向型」に比べて実行能力に優れています。ただし、「チャレンジャー」は新たなニーズへの対応に遅れることや、緊密な製品統合に対応できないことがよくあります。また、技術的負債の蓄積が、有用性に影響を与える可能性もあります。さらに、「リーダー」に比べて、市場の方向性との調整が欠けていて、ビジョンの完全性に影響が及んでいることもあります。「チャレンジャー」は、特に戦略的な関係を築いている顧客にとって実用的な選択肢となります。

概念先行型

「概念先行型」は市場の競合他社に先駆けて、これまでにない新たな機能を提供するため、購入者は強化されたセキュリティや管理機能を早期に利用できます。「概念先行型」が提供する機能の例としては、従業員、デバイス、脅威の状況に応じて構成できる動的なエンドポイントやセキュリティ ポリシー、ネイティブおよびサードパーティのワークスペース セキュリティ管理機能との双方向の統合、より広範なTDIR機能などが挙げられます。 「概念先行型」は、市場の技術的発展の方向性に影響を与えられるものの、実行面において安定した実績をまだ残しておらず、通常は市場シェアも大きくありません。顧客が「概念先行型」を選択する目的は、革新的な機能を早期に利用することにあります。

特定市場指向型

「特定市場指向型」は信頼性の高い製品を提供するものの、これまでにない新たな機能を導入して市場を導くことや、市場シェアの獲得や維持で抜きん出ていることはほとんどありません。一部のベンダーは、特定の地域や市場セグメントに重点を置いているために「特定市場指向型」とされています。特定のユース ケース、業界、技術的な機能セットで卓越しているために「特定市場指向型」とされるベンダーもあります。「特定市場指向型」は、ベンダーがターゲットとする市場セグメントの既存の顧客、サポート対象地域で変化を嫌う組織、既存のエンドポイント保護を強化してより徹底した防御を実現しようと目指す組織に適した選択肢となります。

市場状況


企業は主にエンドポイント保護を利用して、エンドポイントの攻撃対象領域を縮小し、リアルタイムの保護・検知・対応機能を提供することで、エンドユーザーのエンドポイント(ノートパソコン、ワークステーション、仮想デスクトップ、モバイル デバイス、場合によってはサーバーなど)を保護しています。ベンダー各社は、運用の複雑さの軽減やサイバーセキュリティ技術スタックの最適化を目的として、エンドポイント保護をより包括的なワークスペース セキュリティ プラットフォームやTDIR対応製品(統合型セキュリティ オペレーション センター ソリューション、SIEMソリューションなど)と統合する傾向を強めています。
Gartnerのマジック クアドラントのベンダー調査では、企業のエンドポイントの60%超が、最新の挙動ベースの保護機能を備えたクラウド提供型エンドポイント保護製品によって保護されていることが明らかになっています。エンドポイント保護市場の成熟化、脅威の進化、より効果的なセキュリティ運用のニーズから、購入者の関心は他の市場カテゴリに移行しつつあります。個別の管理策を手動で統合する場合よりも効率を高め、コストを最適化する目的で、TDIR対応の関連製品(ISOC、SIEMなど)をエンドポイント保護プロバイダーから購入している企業は25%に達すると推定されています。
本調査の対象となったすべてのベンダーが、エンドポイント保護製品の一部としてサイバーセキュリティAIアシスタント機能を提供しています。市場の盛り上がりにもかかわらず、現在のところ、これらのAI技術の実用化は依然として初期段階にとどまっています。現在のところ、AIアシスタントが最も役立つ場面は、特に経験の浅いアナリストや特定のセキュリティ ツールに慣れていないアナリストが既存の調査結果をトリアージおよび解釈する場合です。プラットフォーム戦略を推進しているエンドポイント保護プロバイダーの多くは依然として、異種のセキュリティ スタック全体にわたって作業の自動化を大幅に加速させるために、自社のAIアシスタントをサードパーティの製品と統合する必要に迫られています。

市場の概要


エンドポイント保護は成熟した市場であり、購入者はベンダーへの信頼や、より広範なサイバーセキュリティの成果を実現する能力に基づいて、プロバイダーを選定する傾向を強めています(「LeverageGartner’sVendorTrustIndexinYourNextCybersecurityPurchase」を参照)。Gartnerでは、2025年のエンドポイント保護市場の規模は約180億ドルに、年平均成長率は約14%になるだろうと予測しています(「MarketShare:EnterpriseSoftware,Worldwide,2025 」を参照)。注目すべき点は、MicrosoftとCrowdStrikeがエンドポイント保護市場で占めるシェアは推定40%にのぼることです。Gartnerの予測では、この市場は2028年までに年平均成長率約11%で拡大し、固定為替レートベースで260億ドル規模に達する見通しです(「Forecast:InformationSecurity,Worldwide,2024-2030,1Q26」を参照)。

サイバーセキュリティの合理化

2026年、サイバーセキュリティ部門のリーダーの多くは、複雑さの低減とコストの最適化を図るべく、戦略的サイバーセキュリティ ベンダーの合理化と、サイバーセキュリティ ツール スタックの簡素化を目指しています。この傾向により、既存のエンドポイント保護プロバイダーには契約更新の際に通常はエクスポージャ管理プラットフォーム、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)、アイデンティティ脅威検知・対応(ITDR)、MDRなどの関連市場の製品やサービスを置き換えるか補完して、製品のフットプリントを段階的に拡大する道が開かれています。しかし、この傾向は、エンドポイント保護に焦点を絞り込んでいるベンダーや、購入者から戦略的プロバイダーにはなり得ないと見なされているベンダーにとっては、プレッシャーが強まることにもつながっています。近年の市場における買収や合併の動きは、この傾向を裏付けています。つまり、プロバイダー各社は進化するサイバーセキュリティのニーズに応えるべく、機能やサービス提供範囲の拡大を目指しているのです。2025年に報告されたサイバーセキュリティ企業の合併は400件に達しており、サイバーセキュリティ分野のエンタープライズ向けソフトウェア セキュリティ ベンダーの上位10社は引き続き収益を拡大させています(「OptimizeStrategicCybersecurityVendorswithGartner’s4-PillarEvaluationFramework」を参照)。

新たな主権要件

地政学的な不安定さの高まりを背景に、技術上の主権の確保に対する要件が厳しくなっており、規制による圧力や規制適用への期待が増大しています。ジオパトリエーションの影響を受けやすい業界や地域にいる購入者企業は、データ、運用、技術に関する主権の確保という目標を再検討しています。その中で、地域内でのデータ ホスティング、オンプレミス管理の選択肢、複数の管轄にまたがる運用を目的としたマルチテナント戦略が評価されて、通常は外国のサイバーセキュリティ プロバイダーへの依存度が低減される結果となっています。これを受けて、複数のエンドポイント保護プロバイダーが欧州連合(EU)内でのサービス提供範囲の拡大に向けたこれまでの取り組みに続き、最近では(特に中東やアジア太平洋地域で)クラウド ホスティングSaaS PoPを新たなリージョン クラウドへと拡大するとともに、今後の拡大計画を発表しています。(「EuropeContext:MagicQuadrantforEndpointProtection 」を参照)。

AIがエンドポイント保護に及ぼす影響

シャドーAI、AIブラウジング、エンタープライズAI導入の影響
企業による多種多様なAIの導入は、サイバーセキュリティ対策を計画、導入、微調整するスピードを上回る速さで進んでおり、すでに企業のエンドポイントやその先にある環境で、AIサービスによるデータ損失の脅威が高まるという結果を招いています。 従業員や開発者が、公式な管理体制の枠外でAIアシスタントやAIエージェントを利用するケースが増加していますが、これにより、攻撃対象領域が拡大するとともに、データ漏洩および認証情報流出のリスクと、さらには従来のエンドポイントやその他の検知アプローチでは可視化できない、管理されていないデータ フローが発生するリスクが高まっています。真の問題は、AIサービスへの機密データの流出が不可逆的かつ追跡不可能になり得ることです。その場合、組織は失われたデータを二度と回復できなくなる可能性があります(「DiscoverandManage3AIBlindSpots:EmbeddedAI,ShadowAIandAIBrowsing」を参照)。
こうしたリスクに対応するために、ほとんどのエンドポイント保護ベンダーではAIの検出および利用制御の機能を自社で開発するか買収して導入しています。新たに発生しつつある主なユース ケースは次のとおりです。
  • 従業員のシャドーAI: 企業が管理するデバイス上での従業員による未許可のAI利用の検出、リスクのスコア化、制御。これらのAIとしては、AIブラウジング エージェント(OpenAI ChatGPT、Anthropic Claude)、AIブラウザ(Perplexity Comet、OpenAI ChatGPT Atlas)、コンピュータ使用エージェント(Anthropic Claude Cowork、Microsoft Copilot Cowork、Meta Manus、OpenClaw)などが挙げられます。従業員によるシャドーAIの利用は、機密データの漏洩、規制コンプライアンス違反、AIサービスへの知的財産データの流出につながるおそれがあります。
  • 開発者のシャドーAI: AIコーディングアシスタント(Claude Code、GitHub Copilot、Cursor)、ローカルLLM、MCPサーバー、未承認の外部AI APIの利用など、開発者による未許可のAI利用の検出、リスクのスコア化、制御。開発者や市民開発者によるシャドーAIの利用は、ソースコードや組み込まれたシークレット(APIキー、認証情報)の漏洩だけでなく、AIが生成したコードに起因するライセンス違反や知的財産権侵害につながるおそれがあります。
エンドポイント保護管理にサイバーセキュリティAIアシスタントが及ぼす影響
ベンダー各社は、製品の有用性を向上させるために生成AIやエージェント型AIへの投資を拡大していますが、セキュリティ チームによる導入は、依然として限定的です。これは、大部分の中堅企業では、ベンダーがAIアシスタントを活用した最適化または自動化の対象とするセキュリティ運用体制やエクスポージャ管理プロセスがまだ成熟していないことを考えると当然のことです。特にサイバーセキュリティが未成熟な企業のサイバーセキュリティ部門のリーダーは、成果を実現するためにAIアシスタントよりもMDRサービスを優先し続けています。
Gartnerの調査データによると、脅威検知、インシデント対応、ポリシー管理の目的で、AIアシスタントの機能を現在利用している企業は、ごく少数にとどまっています。1 現在の生成AI機能は、インシデントの要約やドキュメントの検索といった管理業務の支援を主な目的としていますが、エージェント型AIのロードマップでは、アラートのトリアージ、自動調査、クエリやカスタム プレイブックの作成、マルウェア解析、対応計画の策定といった、反復的なタスクの自動化がターゲットとなっています。これらの機能から有意義な価値を実現するには、製品とワークフローの深い統合が必要となりますが、これは依然として難しい課題です。AIアシスタント機能を検討中の購入者は、投資を行う前に、既存の指標で業務効率の具体的な向上や改善を測定することに注力する必要があります。

製品の進化

2026年、ほとんどのエンドポイント保護ベンダーは、中核的なエンドポイント保護機能に関して、限定的なイノベーションや機能強化を示すにとどまっています。ベンダー各社はその代わりに、AIの検出と利用制御、統合型エンドポイントおよびエンタープライズ データ損失防止(DLP)、ブラウザ セキュリティ、アプリケーションの不正利用防止、エクスポージャ評価、プロアクティブでジャストインタイムのエンドポイント堅牢化など、新たに生じている企業ニーズへの対処を目的とした、関連する製品機能の追加を優先しています。また、ベンダー各社は自動化を通じてセキュリティ運用チームを補強することを目的に、エージェント型AI機能も強化しています。このような新しい機能は、新たな脅威に対処するために必要ですが、その一方で、従来の課題が未解決のまま長期間にわたって残ることも意味します。その結果、以下のようないくつかの重要な機能で、製品間に大きな差異が生じることになります。
  • 挙動分析および保護を目的としたエンドポイント テレメトリのほぼリアルタイムの収集と利用
  • エンドポイント エージェントによるリソース消費とパフォーマンスへの影響
  • 各種の管理機能および検知ロジックにおけるカスタマイズの柔軟性
  • 非WindowsおよびレガシーOSの管理策のサポート
エンドポイント保護製品を選定するサイバーセキュリティ部門のリーダーは、CriticalCapabilitiesforEndpointProtectionを活用して、特定の組織ユースケースに照らして機能を評価するか、または自社のニーズに合うカスタム ユース ケースを構築する必要があります。

根拠


1 2025 Gartner Cybersecurity Innovations in AI Risk Management and Use Survey。この調査が実施された目的は、生成AIとそれを支えるAI手法に伴うサイバーセキュリティ リスクを組織がどのように管理しているかを把握することです。この調査は、北米(181人)、EMEA (71人)、アジア太平洋地域(50人)におけるセキュリティ分野のリーダー302人を対象に、2025年3月21日から5月9日にかけてオンラインで実施されました。調査対象となった組織は、2024会計年度における企業全体の収益が少なくとも2億5,000万ドル(または他の通貨での同等の金額)であったと報告し、かつ、組織におけるAIのサイバーセキュリティ リスク管理に関する活動にサイバーセキュリティの上級管理職が関与している組織です。免責条項: 本調査の結果は、グローバルな知見や市場全体を表しているのではなく、回答者と調査対象企業のセンチメントを反映しています。
Gartnerのマジック クアドラント チームは以下のソースから取得したデータを使用しました。
  • 2025年7月以降のGartner顧客による2,000件を超える問い合わせ
  • gartner.comのGartner Peer Insightsにおける4,000件を超えるレビュー
  • 2026年第2四半期までの製品とベンダーの機能強化に関する100件を超える質問を含む、マジック クアドラント調査に対するベンダーの回答と、各ベンダーによる90分のデモンストレーション

評価基準の定義


実行能力

製品/サービス: ベンダーが特定の市場に向けて提供している主要な商品とサービス。これには、ネイティブで提供されるか、OEM契約およびパートナーシップによって提供されるかにかかわらず、前述の市場定義で定義され、サブ基準で説明されている、現在の製品/サービスの機能、品質、機能セット、スキルなどが含まれます。
企業としての全体的な存続性: 存続性には、総合的な企業の財務状況、事業単位の財務上および実務上の成果、個々の事業単位が製品に対して継続的に投資していく可能性、継続的に製品を提供していく可能性、ならびに企業の製品ラインを最先端のものに改善していく可能性に対する評価が含まれます。
販売実行能力/価格設定: 販売前の活動におけるベンダーの能力および活動をサポートする体制。これには、取引管理、価格設定および交渉、販売に関する事前サポート、ならびに販売チャネルの全体的な有効性が含まれます。
市場対応力/実績: ビジネス機会の出現、競合他社の動き、顧客のニーズの進化、および市場ダイナミクスの変化に対して対応し、方向性を変え、柔軟に対応し、優位な成果を実現する能力。この基準では、ベンダーの過去の対応実績についても考慮します。
マーケティングの実行能力: 市場に影響を与える企業メッセージを伝え、ブランドと事業を推進し、製品の知名度を向上させるとともに、製品/ブランドおよび企業に対するポジティブな印象を購入者に植え付けることを目的として設計されたプログラムの明瞭さ、質の高さ、創造性および有効性。この「マインド シェア」は、知名度、販売促進イニシアチブ、ソート リーダーシップ、口コミ、および販売活動の組み合わせにより促進できます。
顧客エクスペリエンス: 評価対象の製品によって顧客に成功をもたらすことを可能にする、顧客との信頼関係、製品、サービスおよびプログラム。具体的には、顧客が受ける技術サポートやアカウント サポートの体制が含まれます。また、補助的なツール、顧客サポート プログラム(およびその品質)、ユーザー グループの有無、サービス品質保証なども含まれます。
運用: 目標やコミットメントの達成に向けた企業の能力。これらの要素としては、企業が効果的かつ効率的に事業運営を継続するために必要なスキル、経験、プログラム、システムおよびその他の手段をはじめとする、企業構造の品質が挙げられます。

ビジョンの完全性

市場の理解: 購入者の要望やニーズを理解し、その理解を製品やサービスに反映させるベンダーの能力。高水準のビジョンを示すベンダーは、購入者の要望やニーズに耳を傾けて理解し、それらを形にするとともに、新たなビジョンを加えて、さらに発展させることができます。
マーケティング戦略: 明確で差別化された企業メッセージを企業内で継続的に共有すると同時に、Webサイト、広告、顧客プログラムおよびポジショニング ステートメントを通して外部に発信するための戦略。
販売戦略: 直接販売と間接販売、マーケティング、サービス、コミュニケーション アフィリエイトなどのネットワークを効果的に利用して、市場での活動、スキル、専門性、技術、サービス、顧客ベースの範囲を広げ、奥行を深めるための製品販売戦略。
サービス(製品)戦略: 現在と将来の課題を明確にすると同時に、他社との差別化、機能性、方法論、機能セットに重点を置いた、ベンダーによる製品開発および製品販売のアプローチ。
ビジネス モデル: ベンダーが基礎とするビジネス提案の健全性と論理性。
業種/業界戦略: 業種別市場など、個別の市場区分が抱える特定のニーズを満たすことを目的に、資源、スキルおよびサービスを割り当てるためのベンダー戦略。
イノベーション: 投資、統合、防御的もしくは先制的な行動を目的とした、リソース、専門知識、もしくは資本の直接的、間接的、補完的、および相乗的な配置。
地理的戦略: 「本拠地」である自国・地域以外の場所での特有のニーズを満たすことを目的として、直接的に、またはパートナー、チャネル、関連会社を通して、その地域および市場に合わせた方法で、資源、スキルおよびサービスを割り当てるためのベンダー戦略。

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